見出し画像

12の基本スキル「話す」:会話力を高める(2/2)

本ブログ記事は『ビジネススキル 完全攻略 -基本編-』からの抜粋になります。全部まとめて読みたい方は、是非、電子書籍をご購入ください。


前回の「話す」スキルの続きになります。もう3点ほど重要なことをお話したいと思います。まだ読んでない方は、上の記事を是非読んでみてください。


聞き手の立場を考慮する

聞き手が誰なのかで、話し方や強調するキーポイントを変えていく必要があります。

役職によって、役割や責任が違うため、気になっている関心事も違うからです。

たとえば、取締役や執行役員などのマネジメント層の場合、特定部門の事業マネジメントと数字責任を負っているため、市場環境や競合状況、それを踏まえての自社事業をどの方向に推進していくべきかに興味があります。

一方で、現場の社員はオペレーション業務を担っていることが多いので、実務のPDCAの回し方や効率的な業務運用などに興味があります。

話したい内容は同じだったとしても、聞き手の立場で確認したいポイントが違うため、強調するポイントや話し方を変えていく必要があります。
図表にすると、以下のように整理することができます。

図表.聞き手の立場を考慮する

アナロジーやメタファーを活用する

聞き手の理解度を上げるために、アナロジー(類推)やメタファー(比喩)を活用するのはとても有効です。特に、話しの内容が専門的過ぎる場合、身近なものに例えてあげることで理解がしやすくなります。

アナロジー(類推)を活用する
類推(アナロジー)とは、違うものや考え方の間の似ている点を強調して、難しい考えを簡単に説明する方法です。

実際の例や具体的な状況を使って、共感や感情を呼び起こし、教訓を交えながら理解を深めることができます。

■ アナロジーを活用した会話事例:新規プロジェクト
・田中(プロジェクトリーダー)
・高橋(プロジェクトメンバー)
田中:「こんにちは、高橋さん。新しいプロジェクトについてお話しましょう。これはまるでパズルを解くようなものだと考えています。」
高橋:「パズルを解くようですね。どのように考えていますか?」
田中:「はい、アナロジーを使って説明します。新しいプロジェクトはパズルのような挑戦です。最初はバラバラのピースがあり、それを組み合わせて全体の絵を完成させる必要があります。各要素は重要で、正しい場所に配置することが成功の鍵です。」
高橋:「パズルを解くイメージですね。どのように進める予定ですか?」
田中:「プロジェクトを段階的に進め、各要素を適切に組み合わせる計画を立てます。必要に応じて調整し、最終的に全体の絵が完成するように取り組みます。」
高橋:「確かにパズルのアナロジーを通じて、プロジェクトの挑戦がわかりやすくなりますね。段階的に進めて成功を目指しましょう。」

メタファー(比喩)を活用する
メタファー(たとえ)は、一つのものを別のものと比べて説明し、新しい見方を提案します。それは視覚的なイメージを思い起こさせ、つながりをはっきりさせます。メタファーを話の中で使うことで、もっと魅力的な話ができ、聞き手の興味を引くことができます。

■ メタファーを活用した会話事例:新規プロジェクト
・田村(チームリーダー)
・山田(新しいチームメンバー)
田村:「こんにちは、山田さん。私たちのチームビルディングは、まるで家を建てるようなものです。」
山田:「家を建てるというイメージですね。どのように考えていますか?」
田村:「はい、メタファーを使って説明します。チームビルディングは家を建てることに似ています。最初に固い基盤を築き、信頼と協力の柱を立てます。その後、各メンバーが家の部屋として機能するように、役割と責任を割り当てていきます。」
山田:「理解しやすいメタファーですね。どのように協力と信頼を構築する予定ですか?」
田村:「チームメンバー同士のコミュニケーションを促進し、共通の目標に向かって一緒の作業する機会を提供します。信頼と協力の柱を強化し、チームの成功に貢献します。」
山田:「家を建てるメタファーを通じて、チームビルディングのアプローチがより明確に理解できますね。協力と信頼を築き上げていきましょう。」

非言語コミュニケーションの活用

 非言語コミュニケーションとは、言葉を使わないコミュニケーションのことを言います。たとえば、ボディランゲージ(身振り手振り)アイコンタクト、ジェスチャーなどです。

特に、プレゼンなどの1対多のコミュニケーションにおいて、ボディランゲージやジェスチャーを効果的に使うことは、メッセージが伝わりやすくなったり、聞き手の興味・関心を引き付ける重要な要素になります。いくつか、ポイントになることを説明したいと思います。

 正しい姿勢で話しをする:
肩を開き、正しい姿勢で、オープンで自信に満ちた態度を示します。これは、自信と受け入れの姿勢を伝え、聞き手とのポジティブな関係を築くのに役立ちます。

アイコンタクトを利用する:
聞き手とのアイコンタクトを保つことで、相手との関わりを深め、信頼を築きます。ただし、一人の人に長時間目を合わせすぎないように注意してください。

手のジェスチャーを使う:
手のジェスチャーを使って重要なポイントを強調したり、話の流れを示したりします。大きすぎるジェスチャーは避け、自然で意味のある動きを心がけてください。 

ステージを移動する:
ステージ上を軽く歩きながら話すことで、エネルギーと動きをプレゼンに加えることができます。ただし、目的なく歩き回るのは避け、移動は意図的に行ってください。 

表情を変える:
表情は感情を伝える強力な手段です。喜び、驚き、興奮など、話の内容に応じた表情を使いましょう。
 

前の記事で1対多のコミュニケーションの事例として、TEDトークをご紹介しましたが、ボディランゲージやジェスチャーの使い方など、非常に参考になるので、Youtubeなどで視聴してみてください。

フィードバックと結論の再確認

フィードバックと結論の再確認は、効果的なコミュニケーションスキルの一部であり、会話やプレゼンテーションを終えるときに重要な役割を果たします

フィードバック:
フィードバックとは、相手からの情報や感想をもとに、自分の話し方や伝えたいことの効果を見直し、必要なら改善することです。フィードバックは、お互いに会話で理解しあえることが大切で、以下のような点を含んでいます。

受け入れと理解:
相手のフィードバックを受け入れ、理解する姿勢が大切
です。相手の意見や感想を尊重しましょう。

具体的な情報:
フィードバックが具体的であるほど、改善点を特定しやすくなります。曖昧なフィードバックよりも具体的なフィードバックを求めましょう。

改善の意思:
フィードバックを受けたら、その情報を活用してコミュニケーションスキルやメッセージを見直していくことが大事です。

結論の再確認:
結論の再確認とは、コミュニケーションの最後に、重要なポイントやメッセージを簡潔にまとめ、相手にもう一度確認するステップです。以下の要素が含まれます。

要点のまとめ:
会話やプレゼンテーションの要点や重要な情報を繰り返しまとめましょう。

理解の確認:
相手に対して、自分の伝えた内容が理解されたか確認しましょう。質問や要約を通じて、聞き手の理解度を確認します。

結論の強調:
最終的なメッセージや結論を強調し、相手に印象づける機会を提供します。
 

フィードバックと結論の再確認は、会話の終わりのときに、とても大切なアクションです。こうすることで、相手との信頼関係を築き、メッセージがはっきり伝わるようになります。

話し手は、相手の反応やフィードバックに注意することで、会話の質を高めようと努力します。そして、結論をもう一度確認することで、相手に対して強い印象を与えることができます。

次は、「聞く」スキルをマスターしていきましょう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?