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スポーツって何が楽しい?

みなさんこんにちは。なんとか1週間くらいのスパンに縮めて投稿ができました。大学2年生の大杉です。

今日は、ちょっと哲学チックな内容になるかもしれません。
これまでの経験や、心理的なところからも少し話したいと思います。

今日のテーマは、「楽しむスポーツ」です。
現在、私はスポーツが楽しみ、好きになって、その先もずっと続けられるような体験となって欲しいという思いを持ちながら、子どもたちに関わっています。
その中で、そもそもどうなったら楽しいのか、どういう環境を作り出したらいいのか、改めて考えてみたくなりました。

スポーツを楽しいと思うきっかけは?

ではまず、そもそもスポーツにおける「楽しい」要素はなんだろうというところから考えてみます。

まずは理論的に、文部科学省のスポーツ振興基本計画からの抜粋です。

すなわち、スポーツは、体を動かすという人間の本源的な欲求にこたえるとともに、爽快感、達成感、他者との連帯感等の精神的充足や楽しさ、喜びをもたらし、さらには、体力の向上や、精神的なストレスの発散、生活習慣病の予防など、心身の両面にわたる健康の保持増進に資するものである。

文部科学省 スポーツ振興基本計画 1総論

簡潔にいくと

  • 体を動かす

  • 爽快感

  • 達成感

  • 他者との関わり

  • ストレス発散

  • 体力向上、生活習慣病予防(楽しさではない?)

こんな感じです。聞いてみて確かに!ってなるところも多いのではないかと思います。

ではこれに加えて、研究データなるものだったり他のデータだったりもちょこっと加えてみましょう。
と言いつつ、子どもの「楽しい」要因をまとめた論文ってあんまりないんですよね。
てかそもそも、「楽しい」って「楽しい」でしかなくね?要素とかなくね?って途中で思っちゃったんですが、そうなるとこんがらがってわからなくなるので、そういう哲学的な話はまたどこかで。してくれる人がいたらぜひやりましょう。

ということでまずはスポーツ庁からです。

運動遊びやスポーツの楽しさには、人間を行動に向かわせるための二つの動機づけが関連しています。 一つは、競争に勝つ、ほめられる、注目されるなど、外的な報酬・目標によって行動への意欲が引き出される「外発的動機づけ」が満足される楽しさです。もう一つは、それぞれの運動遊 びやスポーツを行うことで直接的に得られる独自の楽しさ(ドッジボールであれば、ボールを当てる、当てられないように逃げるなど)や喜びが報酬・目標となる「内発的動機づけ」が満足される楽しさです。

スポーツ庁 アクティブ・チャイルド・サポーター通信

これも簡単に箇条書きにしておきましょう。

  • 競争に勝つ

  • 褒められる

  • 注目される

  • 喜び

  • 競技独自の性質

続いて、九州大学の大学生男女を対象にした楽しさ因子の研究からです。一部抜粋します。

  • 運動の基本的欲求の充足

  • 競争

  • 挑戦

  • 人間関係

  • レクリエーション

  • 自主的活動

  • スリルかん

  • 観戦・応援

  • 進歩・向上

続いて、同論文で小学生の楽しさ因子を調べたものも抜粋させていただきます。上と同じものもあるため、違う部分を抜粋します。

  • 勝利感

  • 賞賛を受ける

  • 健康になる

  • 集団活動

  • 自己実現(できるようになる)

参考:体育授業の「運動の楽しさ」に関する因子分析的研究 徳永,橋本
九州大学健康科学センター 1980,3,30


どの「楽しさ」を伝えられる?

ということで、楽しさにも色々な種類があり、子どもによってもそれが違うことがわかりました。
ちなみにちなみに、私がここまでに何個か太字にしていた部分があったことには気づいたでしょうか?
そこが、私が特に意識して伝えていきたい部分でございます。

もちろん大事なのは、体を動かすこと。これでなければ、スポーツでなくても良いと思っております。

続いて、褒められ、賞賛され、達成感を味わう。
これは、外発的動機づけではありつつも、これを達成することで子ども自身のやる気の増加、自己肯定感の増加、自己承認欲求の充足につながると考えます。
実際、これが自主的活動や進歩・向上ができることの楽しさにもつながるのではないかと考えられます。

そしてもう一つ私が大事にしているのが、競技独自の性質を楽しむことです。多様なスポーツそれぞれの性質を経験し、その中で自分に適したスポーツを探して実践していくことで、「スポーツ」全体への楽しさにも繋がっていくと考えています。
また、「駆け引き」も自分の中ではとても大切にしています。
これはまた改めて記事にしようとは思いますが、駆け引きだからこそできる、駆け引き独自の面白さやスポーツによっても多様な駆け引きの形があり、それを楽しむことが面白さの一つだと感じています。

というわけで、自分が大事にしている楽しさをあげてみたのですが、これを私は実際に子どもたちに伝えていきたいと考えています。
特にスポーツ指導者が作り出すことができるのは、各スポーツ独自の特性をしっかりと味わえるような展開、そして「できた」を増やしていける、同時に褒められることで自己肯定感を高めていけるような環境を作り出すことです。

おわりに

九州大学の研究には、特に小学生の楽しいの要因や楽しいと思えているかどうかには、指導者の影響が大きいというように記載されております。

スポーツは、もちろんその競技性や感動を届ける一つの事象として多くの人に親しまれ、すること以外に見る、支えるという形でも存在する素晴らしいものです。
しかし、それと同時に、する人が楽しめているのか、自分の意思で主体的に行えているのか、それができる、つまり誰しもに見られ、支えられるスポーツの土台が行える場所があるのか、そのための指導者や環境は整っているのか。

生涯にわたってスポーツを続けていくために、幼少期からのスポーツの環境を整えていく必要があると思います。
そして、それができるのがスポーツの指導者であり、またスポーツに関わる全ての人であると私は思います。

ということで、ちょっと長くなってしまいましたが改めて「スポーツの楽しさ」とそれに対する自分の考え方を見つめ直してみました。

スポーツに限らず、誰かに何かを伝える活動をするとき、どんな思いで、何を届けたいのか、みなさんも改めて考えてみてはいかがてしょうか。

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