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『大切な人を亡くすということ』

「#001 喪失体験-1」 


今日は、喪失体験(Loss)についてお話します。

大切な人を亡くすということは、喪失体験をすることです。
人は人でもモノでも、何かをなくした時に、物理的にこの世からなくなるだけでなく、なくしたモノに関わる事柄も一緒になくしたように感じます。

●モノ自体だけではなく、モノにつながっていることも失われる

例えば、わかりやすいのは携帯電話かもしれません。
今や携帯電話を無くしたら、電話がかけられないだけでなく、アドレス帳、スケジュール帳、LINEなどの連絡ツール、写真データ、ゲームやサブスクのアプリ、最近はお金まで、携帯の中に入っているありとあらゆるものを失くしてしまうことになります。

つまり、携帯がなくなることによって、携帯の中に入っているデータやアプリと、その先につながっている人やモノ全てが失われたり、アクセスできなくなってしまうということになりますね。
 
その中でも、写真や動画のデータは、そのデータにまつわる思い出も失ったように感じることでしょうし、ショックや大変な喪失感、後悔の念などにさいなまれることでしょう。

●人とのつながりが変化する痛み

大切な人が亡くなった時にも同様に、亡くなった人の身体がなくなるだけではありません。その影響は、その人とのつながりにも及びます。

例えば小さなお子さんを亡くされたとしたら。
保育園や小学校で出会ったママ友から、Aちゃんママと呼ばれていたのが、お子さんが亡くなったとたん、名字で呼ばれるようになることがあるかもしれません。また、どう接していいのかわからないという思いから、周囲の人が腫れ物に触るような感じになって、距離が遠くなったように感じることがあるかもしれません。
 

●大切な人とともに未来や夢も失う痛み

親は誰でも子供の成長に夢を託しています。
「将来大きくなったらサッカー選手になって、Jリーグの選手や日本代表、さらにはプレミアリーグにまで行ってくれたらいいのに」と子どもに夢を託していたら、その夢は叶うことなく失われてしまいます。

また、旅行が大好きなご夫婦で、ご主人を亡くされた女性がいました。
その方は、身体が動ける間は、国内だけでなく、イギリスやイタリア、バリ島やニュージーランドなど、ご主人と「世界中の素敵なところへ一緒にたくさん旅行をしようね」と約束していたのですが、突然の死別によって、それがすべて叶わぬ約束となってしまいました。

●「喪失体験(Loss)」と言われる状態

大切な人との思い出や、さらにはその人がいたからこそつながることができた人間関係、その人と叶えたかった夢や未来の約束までもがうしなわれてしまいます。

だからこそ、その人の「死」に伴って、自分の中からいろんなものがもぎ取られたり、引き裂かれたように感じるのです。

このように喪失感や空虚感などの感情が湧き上がってくる状態が「喪失体験(Loss)」と言われる状態です。

● 生きていく上で避けることができない喪失体験

喪失体験は、大切な人を亡くした時だけに経験することではありません。
離婚や失恋、転校、転職、引っ越しなどでこれまでの人間関係が切れてしまったり、事故や病気などで自分の身体の一部を失ったりする時に感じる感情も喪失体験です。また、年老いて若さを失ったり、定年で肩書がなくなったり、学校を卒業する、成人式を迎える、社会人になる、母親になることなど、人の成長に伴って変わっていく自分自身も含まれます。
さらには、災害によって住む家やふるさとを失ったりすることや、ペットの死も、喪失体験となり得るのです。
 
喪失体験は、人が生きていく上で避けることができないものです。
人は、大小さまざまな喪失体験を重ねて、生きていくのだと思います。

「喪失体験-2」に続く。



【大切な人を亡くして、どうしたらいいかわからない方へ】


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