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「三方よし」はどこにある

顧客のニーズを汲み取って、それを自社のサービスや商品に反映させる、と言うのがビジネスの基本であろう。しかし、企業が大きくなればなるほど、顧客のニーズと提供されるサービスや商品には乖離が見られるような気がする。


先日、香水販売業者が、有名ブランドの香水にアルコールなどを混ぜて、自社ブランド商品として販売したことで詐欺容疑で逮捕されたというニュースがSNSを駆け巡った。この業者は自社ブランドだけではなく、他社ブランドの小分け販売も行っており、私もそこを何度か利用したことがある。


香水を小分けして販売するには、いくつかの認可を得れば法的には問題ない。今回逮捕されたのは香水に混ぜものをしたことだ。
ネット販売で香水の小分けを購入するには、確かにいささか不安がある。どの段階でどのように詰め替えられているか見えない。しかしそこは信用するしかない。そしてなぜそんな不安な商品を買うかと言えば、50mlや100mlというボトルの量が日本人には多すぎて、購入しても使い切ることが難しいから、地方で店舗に行く機会がないから、数万円程度の高価な商品をムエットだけで判断して買うのが難しいから、など様々な理由がある。
つまり、混ぜ物をすること自体は言語道断としても、結局のところ日本(もしかするとアジアの)の消費者のニーズをブランドが満たしていないということが明確になった。
もちろんブランド側にもその理由はあろうかと思う。おそらくコスト的な問題が大きいのではないだろうか。


この他にも、高騰する演劇等のチケット代と実際の席に関して、消費者からは席種の細分化してほしいというニーズがあるにもかかわらず、それがなかなか実現されていない。最近はダイナミックプライシングで、顧客が行きやすい土日のチケット価格がえぐいほど高騰している。価格高騰でチケット購入をためらう人も出てきているし、高いチケットを買っても見えない・見えにくい座席というのが結構多い。
チケットの詳細が発表されるたびに、そういう声が上がってくるのに、それで改善されたと言う話は聞いたことがない。

同じ意味で言えば民間企業が提供するバリアフリーも同様である。いくら声を挙げてもなかな改善されない。本当に疲れ果てる。


そうせざるを得ない企業側の理由はあるはずだ。
それを汲んでも、企業側に変革の意識が感じられないことを消費者は気づいている。もしも何かしらの意見が少しでも反映されれば、もっとその業界は良くなるのにと思う。

ビジネスに、「三方よし」という言葉がある。江戸から明治にかけて日本を行脚した近江商人の「買い手よし、売り手よし、世間よし」という理念、それを実現している企業はどれぐらいあるだろうか。


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