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面接/プレゼン/報告で伝わる!コンサルが重宝する伝え方フレームワーク 2/2

前回に引き続き今回もコンサルが重宝する伝わるフレームワーク「空・雨・傘」についてご紹介します。
前回はコンサルタントであれば誰もが知っている「SCQ」フレームワークについて紹介しました

※前回記事はこちら

「空・雨・傘とは」?

「空・雨・傘?なんだそれは?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは、ロジカルなコミュニケーションを実施する上でとても役にたつフレームワークで、3つの段で構成されています。

空:空を見上げると(現象)
雨:雨が降りそうだ(解釈)
傘:傘をもっていこう(判断)

「空・雨・傘」フレームワークではこのように論理を構成した伝え方のことを指します。
おそらく、このフレームワークを提唱された方は以下の方ではないかと(推察)
この本では、詳しく空・雨・傘のフレームワークの使い方のほか、ロジカルに考える方法論をとても分かりやすく説明しています。

僕自身、コンサルタント駆け出しのころはこの独特なコンサル脳をインストールするのにとても苦労しました。
そんな時に出会ったのがこの本です。この本に出会えていなかったから、コンサルタントとして立ち上がれていなかったかもしれません。
また、この本を紹介した友人は日系大手化学系メーカーから外資戦略コンサルへの転職を遂げました。コンサル就職・転職を考えている方は是非一読されると良いかと思います。

「空・雨・傘」の使い方

今日はこの「空・雨・傘」の使い方を、上記書籍の内容を踏まえて少し具体的に解説します。

例えば、営業担当者が上司へ営業進捗を報告するシーンを考えます。

”空”は以下のようになります。
「弊社にとって重要顧客となっているA社の契約交渉の状況について報告します。昨日、A社担当者様から値下げの余地がないか検討できないかとの相談を受けました。」

ここでは、あくまで状況(事実)を説明しているだけです。SCQフレームワークでも説明した通り、この”空”の段階では事実をまず説明します。ここに「値下げをすべきと思います」とか、「この契約は取れないと思います」とか解釈を挟むケースがあるかと思いますが、解釈を挟むと聞き手の理解を妨げますので注意が必要です。

次に、”雨”で初めて自身の解釈を説明します。
「顧客の口ぶりから察するに、どうやら◯◯常務の決済権限に金額上限があるように感じます。」とか
「はっきりとは教えてもらえませんでしたが、どうやら他社がアプローチしてきているようで、経理部や資材部から弊社の提示価格の妥当性について説明に苦しんでいるのではないかと感じました。」
といった感じで自分の解釈を述べます。

最後に、”傘”では解釈から生まれる行動提案を行います。
「したがって、◯◯常務に決済いただくには、契約を分けて提案すべきであると考えます。いかがでしょうか」であったり、
「この状況を鑑み、価格の引き下げではなく、弊社の他社にない提供価値・独自性をもっとアピールすることが必要ではないでしょうか」などとつなげます。

この3段構えで説明することによって、上司の判断を容易にし、かつコミュニケーションが上手な出来るビジネスマンを演じることが出来るわけです。
とっても簡単なフレームワークなので皆さん是非試してみてください。

よくあるNG例1:”空”しかない

上記の例でいくと
「A社担当者様から値下げの余地がないか検討できないかとの相談を受けました。」しか報告しないパターンです。
これだと、上司は「それで?」となってしまいます。だから何なの?どうしろと?
と質問攻めに合うでしょう。これだと完全に必要な情報が欠落しています。

よくあるNG例2:"空"と"雨"のみ

「A社担当者様から値下げの余地がないか検討できないかとの相談を受けました。
顧客の口ぶりから察するに、どうやら◯◯常務の決済権限に金額上限があるように感じます。」
これだと比較的に良いコミュニケーションになってますが、「だから君はどうしたいの?」と聞かれることになります。
ここに、自分の考える行動提案(傘)を加えることが出来るかどうかで、上司はあなたが自分で考えて行動しているのかが分かります。
ちなみに、コンサルタントは”仮説思考”を重視しますが、この”雨”と”傘”をセットでもつ行動が”仮説思考”のアウトプットそのものです。
仮説思考を身につけたいけどなかなか身に付かなくて苦しんでいる方は、この「空・雨・傘」フレームワークを意識するだけで仮説思考トレーニングになりますのでやってみてください。

※仮説思考に関する記事はこちら

よくあるNG例3:”空”と”傘”のみ

これも非常に多いですね。先ほどの例で書くと以下のようになります。
「A社担当者様から値下げの余地がないか検討できないかとの相談を受けました。
しかし、価格の引き下げではなく、弊社の他社にない提供価値・独自性をもっとアピールすることが必要ではないでしょうか」

「いやいや待て待て!」となる論理飛躍のパターンです。ぼくもコンサルティング会社でプロマネやっていますが、若手コンサルタントの一番多いパターンがこれです。ただ、本人は論理の飛躍に気づいてないケースが多いです。また、面接でもこのケースは多く見かけますね。就活・転職活動で志望動機を考えたりする皆さんは是非このフレームワークに当てはめて、”空・雨・傘が全て揃っているか”を確認してみてください

よくあるNG例4:”傘のみ”

周囲には右脳派のアイディアマンと思われるか、何を言い出すのかわからない奇異なタイプと見られるパターンです。
いきなり
「A社には弊社の他社にない提供価値・独自性をもっとアピールすることが必要ではないでしょうか」と言い出すパターンです。
「何の話をしているの?」と言われることが多い人はこのパターンに当てはまることが多いと思います。状況(事実)と解釈を必ず添えてからアイディアは提示するようにしましょう

いかがでしたでしょうか?
「空・雨・傘」のフレームワークってとてもシンプルなのに強力です。
改めて考えた人すごいなと思います。
是非、コミュニケーション力を高めたい方は積極的に使ってみてくださいね。

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