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ミッション・ビジョン・バリューと目的・目標・アクションの関係を考える

ミッション・ビジョン・バリューは、組織がどのように振る舞うべきかを定義した指針です。こういったミッション・ビジョン・バリューと言う指針が会社として定められていても、実は、自身の目標にどう繋げていくかについて悩むことは少なくないと思います。そこで、ミッション・ビジョン・バリューは、どのように目的と目標に関係してくるかを考えてみたいと思います。なお、ミッション・ビジョン・バリュー等の議論は、人によって異なると思いますので、あくまでも自分自身としての考えであることを予めご了承ください。

ミッション・ビジョン・バリューの簡単な考え方

ミッション・ビジョン・バリューを調べてみると、ミッションは、会社の使命であり、ビジョンは、目指すべき将来像、そして、バリューは、社員が持つべき価値観等と表現されます。こういった表現は、確かに正しいのですが、小難しい言い回しが多く、もどかしいと感じることが多々あります。これをもっと簡潔に表現すると、「どこへ(Where)」行くために「何を(What)」「どのように(How)」するのかを語っているものであると思います。

ミッション = 何を(What)

ミッションは、英語で調べるとDuty(責務)と書かれていたりします。つまり、やるべきことになります。組織のミッションとは、組織の責務であり、組織が何をするために存在しているかを表現するものになると考えます。

ビジョン = どこへ(Where)

ビジョンとは、目指すべきないしは、理想と考える環境と言えると思います。ビジョンは、テレビジョンという単語にも含まれているように、何か見えるものと言う意味合いが含まれます。世界でも有名なマーティン・ルーサー・キング牧師の名言は、ビジョンとはどう言うものかを、わかりやすく表現している例だと思います。

I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin, but by the content of their character.
私には夢がある。いつの日か私の四人の子供が、肌の色ではなく、性格(個性)によって良し悪しが判断される国に住んでいることを。

キング牧師のビジョンは、肌の色で判断されない世界というものを目指していたということがこの言葉からはっきりとわかります。このように目指したい世界を表現したものがビジョンになると思います。

バリュー = どのように(How)

バリューを社員が持つべき価値観と考えると少し難しく聞こえてしまいますが、簡単にいうと、判断を行う際の価値基準であったり、行動規範であったりします。他の表現方法としては、企業文化とも言えます。

警察のミッション・ビジョン・バリューを考える

例として、警察のミッション・ビジョン・バリューを考えたいと思います。実際に、これらは警察庁などで、定められているかもしれませんが、今回は、例として、実際のものは考慮しないこととします。

まず、警察の目指している社会ですが、簡単にいうと「犯罪のない社会」を目指していると言えるのではないでしょうか?よって、ビジョンは「犯罪のない社会」となります。ミッションとしては、警察の責務となりますので、「市民を守る」といったことになるのではないでしょうか?そして、バリューですが、「迅速な事件の確認」、「公平・中正な判断」、「市民からの信頼獲得」などになってくると思います。よって、警察の場合、「犯罪のない社会」を作るために、「迅速な事件の確認」を行い、「公平・中正な判断」をし、「市民からの信頼を獲得」しながら、「市民を守る」。ということが、ミッション・ビジョン・バリューであると言えます。

目的・目標・アクションの関係

実は、ビジョンと目的の意味合いは、とても近いと思います。目的地と言うように、目的には、到達したい内容を指します。ビジョンは、目指したい内容になりますので、最終的に目指す場所が到達したい場所と同じになるのであれば、目的とビジョンは、ほぼ同じとなります。しかし、例えば、警察の目的が「犯罪のない社会を実現する」ことだとしても、完全に犯罪のない社会を実現することは不可能なため、少しずつでも犯罪のない社会を実現するための活動を行う必要があります。その活動は、思いつきでやるのではなく、何かを達成するために、活動をします。その達成内容が目標であり、そのための活動がアクションになると考えます。

また、ある目標を達成するためには、複数のアクションが必要な場合があります。例えば、月に10件製品を販売するという目標があった場合、製品を販売するというアクションを10回行わなければ達成できません。

このことから、目的に近づくためには、目標を立てては、それを達成するという行為が必要であり、その目標を達成するためには、複数のアクションを実施する必要があるという、多段構造の関係にあると考えます。

目的・目標・アクションの多段構造

ミッション・ビジョン・バリューと目的・目標・アクションの関係

ビジョン・ミッション・バリューをどこへ(Where)、何を(What)、どのように(How)と対比させて表現しましたが、実は、目的・目標・アクションも同様の関係だと考えます。つまり、目的とは、どこへ向かうのかを決めた内容であり、目標は、目的の達成のために何をするかを決めた内容であり、目標をどのように行うかについては、アクションの内容によります。

先程の警察の例のように、「犯罪のない社会」をビジョンと掲げた場合、そんな社会を作ることが警察の目的となります。そして、警察のミッションとして「市民を守る」必要があり、それを具体化したものが、窃盗犯罪の減少だったりします。このような、窃盗犯罪を去年に比べ10%減らすという内容は、目標と言えます。そして、窃盗犯罪を減らすために、パトロールを増やし「迅速な事件の確認」を行うといったような、目標達成におけるアクションの方法については、バリューが大きく絡んでくると言えます。

ビジョン・ミッション・バリュー vs 目的・目標・アクション

特に組織の大きな会社の従業員である場合、自身の担う役割や目標というものは、全体に比べるととても部分的であるため、会社のビジョン・ミッション・バリューとかけ離れていると感じることがあると思います。そんな場合でも、まず、自身の行うアクションが、会社のバリューにマッチしているのか、そして、目標が、ミッションと関連づいているものなのか、そして、目標を達成することで、会社の掲げているビジョンに少しでも近づくことができるのかと振り返ってみることで、会社におけるビジョン・ミッション・バリューと自身の担う目的・目標・アクションが同じ方向に向かっているか確認できると思います。ただ、本当にかけ離れていると感じた場合は、一度、上司と話し合いをする等、このままで本当に良いかを確認した方が良いかもしれませんね。



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