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PDCAサイクルを回すと見えてくるもの

PDCAサイクルは、繰り返し回すことが想定された問題解決フレームワークです。実際にPDCAフレームワークを活用する中で、見えてきたものをご紹介したいと思います。なお、取り組む対象によって、解釈は様々になると思いますので、あくまでも私見であることをご容赦ください。

PDCAとは?

詳しいPDCAの紹介については、Wikipedia等に掲載されていますので、ここでは、簡単にコンセプトをご紹介したいと思います。PDCAとは、継続的に品質改善や業務改善を行うためのフレームワークです。このPDCAの考え方は、国際標準規格であるISOでも取り入れられています。PDCAは、4つのステップから成り立っており、その頭文字をとって、PDCAと呼ばれています。PDCAの4つのステップは以下の通りです。

PLAN(計画)

現状を踏まえ、実施すべきことの計画を立てる。

DO(実行)

計画に基づいて実行する。

CHECK(評価)

実行した結果と当初に計画した内容とのギャップを評価する

ACT(改善)

評価の結果、結果と計画に相違(ギャップ)があった場合、改善を実施する。英語のWikipediaでは、actの他にadjustという言い方もされており、actよりadjustの方が改善の英語としては、より近い意味であると感じます。

PDCAサイクルは、これらの4つのステップを繰り返し踏むことで、問題解決に取り組んで行きましょうという、考え方です。

PDCAの本質を簡潔に説明すると

それでは、PDCAが目指しているものとは何なんでしょうか?簡単に言うと、物事を実施する際には、計画を立ててから実施し、やりっぱなしにせずに、ちゃんと振り返り、次に実施する際の学びにしましょう、ということです。

PDCAサイクルを回す際に大事なこととしては、計画時に実施するアクションだけでなく、実行によって期待される結果、つまり、計画実施時の目標が明確に定義されていることがあります。目標が、測定可能な形で定義されていることによって、評価時に、ギャップの評価がしやすくなります。数値にて評価できることの良い点は、主観が排除されるため、誰が評価しても同じ結果になることです。つまり、目標に対して、110%の達成がなされた場合、誰が計算しても110%になるということです。計画時に数値目標がない場合、評価時に結果を客観的に評価することができなくなります。適正な評価ができないということは、効果的な改善策が作れなくなるということになり、PDCAのサイクルが回せないという状況に陥ってしまいます。

PDCAの本質は、目標を明確に立て、実施後、評価をし、改善を基にした次の目標を立てるという、いかに業務改善のために効果的な改善目標を立て続けられるかにあると考えます。

PDCA実践例

PDCAは、課題解決のためのフレームワークであるため、どんなレベルで利用しても問題ありません。年間計画の中で利用しても良いですし、極端な話、日報のように毎日活用しても良いと思います。日報にて、毎日の終わりに、実施したことを記載し(D:実行)、想定とのギャップを確認し(C:評価)、修正すべき点を洗い出し(A:改善)、それを踏まえ、明日やることを記載(P:計画)すれば、立派はPDCAです。

例えば、営業トークを改善するために、PDCAサイクルを回すとし、毎週、複数の見込顧客と打ち合わせができる環境にあると仮定します。そして、見込顧客が見積請求等の次のステージに行く割合目標を、25%と想定したとします。また、最初の一週間は、製品の機能をメインに説明し打ち合わせを進めると計画するとします(P:計画)。よって、その一週間は、製品の機能をメインに説明し打ち合わせを実施します(D:実行)。一週間後、実際に次のステージに行った見込み顧客の割合を調べます(C:評価)。もし、目標の25%に達していない場合、達成しなかった要因や、今後、どんな改善ができるかを考えます(A:改善)。例えば、他のお客様の事例をメインに打ち合わせをしたら良いのではないかと考える等です。そこで、次の週にそれを実施することを決めた場合、それが、次のPDCAサイクルの計画となります。

PDCAのタイムフレーム(時間軸)

PDCAと4つのステップが同等に並んでいると、それぞれのステップに必要な時間も同じように感じてしまいますが、実際は、実行の時間がほとんどです。PDCAは、結果を評価し、ギャップを次に生かすのがポイントなので、計画に時間をかけ過ぎるのは良くありません。確かに、PDCAを最初に開始する際に難しいのは、計画を立てるところにはなります。特に、初めてのことである場合、結果が分からないので、計画を立てづらいという状況になりがちです。しかしながら、PDCAの本質は、正しい計画を立てることではなく、結果を評価し改善し次を計画することにあります。よって、最初の計画の目標は、当てずっぽうでも良く、PDCAサイクルを回す中で精度が上がってくれば問題ありません。

なお、個人的には、Act(改善)を改善の実施ではなく、改善策の策定と位置付けるた、改善の実施内容は、次の計画に含まれるとことが多いです。ここの考え方の違いによっては、改善の時間が長くなることも考えられます。また、ISO規格の要件のように、計画のステップ等において、経営層による承認などが必要な場合、それぞれのタイムフレームはそれらのタイミングによって大きく異なってきます。

PDCAは、どれだけ回すことができるかがポイントになりますので、実行に割く時間以外をできるだけ短くした方が、結果的にPDCAサイクルを沢山回せるようになります。よって、例えば、毎週実施するようなPDCAの場合、実行期間として、4日間、評価し、改善ポイントを考え、次週やることを計画するのが1日間といったイメージになります。

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PDCAで最も重要なことは学びと改善

PDCAは、どれだけ回したかが重要とされていますが、それは、つまり、どれだけ結果から学ぶことができ、改善につなげることができたかということになると思います。PDCAを回す回数が増えるということは、それだけ改善がなされるということにもなりますので、結果的に、業務等の改善スピードが上がるということになるはずです。よって、PDCAを実施する際に、測定可能な目標を計画時に設定することは重要ですが、その精度についてはあまり固執せずに、結果のギャップから学び、改善していこうという姿勢の方がより大切だと考えます。


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