『FPが教える! マネーリテラシーを高める教科書 お金の不安をなくす付き合い方と制度で知っておくべきこと』第1章・無料全文公開
2月28日発売の書籍『FPが教える! マネーリテラシーを高める教科書 お金の不安をなくす付き合い方と制度で知っておくべきこと』より、第1章「生活設計がベース!」を全文公開!
お金の計画を立てよう! <ファイナンシャルプラニング>
●お金と上手に付き合うために必要なこと
ファイナンシャルプラニングとは、お金の設計をすること。私たちFPがお金について最初に考えるべきことです。
FPとは、お金の設計や実行援助をする専門家です。お金に関する知識は広範囲にわたります。自分ひとりだけで学ぶことは難しい面もあるため、FPという専門家が存在するのです。
しかしFPも、周りに協力を求めることはあります。たとえば、税務や法務で専門的な知識が必要な場合は、税理士や弁護士などの専門家の助言を受けてプランを作成します。
ただ、FPに相談しなくても、知識があれば自分自身で「ファイナンシャルプランニング」は可能です。「お金と上手に付き合うためには、お金の企画・計画を立てること」を、まずは理解しましょう。
たとえば会社には毎年、決算※がありますよね。
株式会社は営利目的で存在しています。毎年お金を稼ぎ出し、資産や収支をプラスにしていくことが求められます。マイナスが続けば、いずれ倒産となるため、会社はお金に対してシビアです。収支のプラスを維持するため、お金の現状認識をし、将来の計画を立てるのです。
もちろん、私たちヒトは会社と違いますが、お金に関して会社と同じようにシビアになれれば、資産や収支をプラスに維持でき、経済的な余裕が生まれ、夢や希望を叶えやすくなるでしょう。つまり、会社と同様にヒトも、現状認識と将来計画がお金と上手に付き合う基礎なのです。
●現状認識 → 予想 → 計画
また、お金だけでなく、健康に関しても同じことがいえます。たとえば、現在の血圧・心拍数・体重などの現状を確認し、異常があれば治療しますよね。今後も健康を維持できるよう、計画的に運動などしている人もいるでしょう。
ファイナンシャルプランニングは、現在の預貯金などの資産と収支を把握するところからスタートします。資産や収支は、健康でいえば血圧や体重のようなものです。お金でいえば、自分の資産と年間収支の把握が現状認識なのです。
次に、予想と計画に移ります。資産や収支は、毎年同じ状況が続くとは限りません。「来年は家を購入したい」とか「子どもの入学金が必要」など、お金にまつわるイベントは毎年変化するものです。イベントを想定し、現状で対応可能かどうか、対応できなければどのように準備するのか、などを計画していきます。
お金にまつわるイベントは、家族が多いほど多岐にわたることでしょう。「人生3大支出」と呼ばれる「住居」「子どもの教育費」「老後資金」は、それぞれ数千万円が必要といわれています。数千万円をすぐに用意できる人も少ないため、これらを把握し、準備していかなければなりません。準備を上手にやることで、お金に振り回されず、安定した生活を維持でき、ゆとりある人生となるのです。
ということで、まずはお金の計画を立てましょう。その前の準備段階として、資産を把握します。これは不動産なども入り、お金に換金できるすべての財産です。そして住宅ローンなどの借金も、負債として明確にしていきましょう。資産と負債を把握し、バランスシートを作成して純資産を求めるのです。
それから収支です。年収から税金などを控除し、手取り額を把握します。支出も計算して、年間プラスで終わって預金できているかどうか、などを把握しましょう。支出も住居費・教育費・基本生活費など、月ベースで数字を明らかにしていきます。
現状確認ができたら、次は計画となります。エクセル表などで家族構成・収支・預貯金を記載し、将来の予想をしていくのです。これを作成することで安心や余裕が生まれ、その場のお金に振り回されない人生となるでしょう。
日本FP協会のホームページのトップ画面にライフプラン診断があり、簡単な将来予想は作成可能です。ぜひ試してみてください。
https://www.jafp.or.jp/
人生を設計しよう! <ライフプランニング>
●人生は計画的に
ライフプラニングとは、人生設計であり生活設計であり、ファイナンシャルプラニングを行ううえで、なくてはならないものです。お金の計画には、人生の計画が軸になります。「どのような人生を送りたいか」「夢や目標は何か」などを具体化するのがライフプラニングです。
ファイナンシャルプランニングとは、いいかえれば、人生の目指す方向にお金のことを付け足していくようなイメージ。人生にはお金が必要になります。人それぞれの目標に合わせて、予算をあてはめていくのです。
たとえば、「30歳ごろに子どもがほしい」「40歳ごろまでには家を購入したい」「車もほしい」など、人生のイベントを具体化します。それらが実現するように、経済的な面を計画していきましょう。
よってファイナンシャルプラニングとは、人生設計であるライフプランニングありきなのです。ライフプラニングを行って、ファイナンシャルプラニングを行うのです。そして、お金に関する知識や情報を総動員して、適切な行動をとっていきましょう。
●人生プランの考え方
次にあるのがキャッシュフロー表になります。これにライフプランとお金の預貯金や収支を示し、今後のお金のイベントに合わせて予算をあてはめていくと、将来のお金の状態がわかってきます。将来の計画に対して、お金の状況が厳しければ、収入を増やすか支出を減らすかなどで対応していくのです。
お金の知識や情報があれば、改善できることもあります。どのように資産や収支を改善していくのか、やはりお金の知識や情報が求められるのです。
例として、「数年後に住宅購入を予定しているが、頭金が不足している」状況としましょう。そのとき、準備をするために「蓄えるか」「借りるか」をまず考えます。
蓄える場合は、どの金融商品を使って蓄えるのか、準備する金額や積立額なども検討します。
借りる場合も、どこで借りるか、有利な借り方はできないか、などを考えていくのです。
そして無理のないプランが完成したら、実行に移し、数年後の住宅購入を実現させ、人生を充実させるのです。
このように、ライフプランをもとに、お金の状況をあてはめ、実現させることがファイナンシャルプランニングであり、この助言をするのがFPになります。FPは、ただ単にお金のコンサルティングだけをする人ではなく、ライフプランニングをもとにお金のアドバイスをするのです。そのためには、豊富なお金の知識が必要で、顧客に適切なアドバイスができるように、知識や情報を日々集めていかなければなりません。
私は、会社員の方と違い収入が安定していないので、明確なキャッシュフロー表の作成は難しいのですが、自営業なので毎年確定申告を行っており、収支は明確です。資産も投資を行っていて、時価会計を日々行っており、資産管理も完璧です。
毎年変化はありますが、収支と資産は把握しておきましょう。
その場しのぎでお金の対応をするより、将来の計画に基づいてお金の対応をするほうが欲を抑えられ、不安も少なくなり、目的に向かって前向きに行動でき、夢や希望が実現しやすくなるでしょう。
国が保険に入ってくれている! <社会保険>
●給与から引かれる社会保険料にも関心を!
社会保険とは、税金と同じように徴収されるもので、給与所得者であれば源泉徴収といって給与天引きされています。よって、多くの人が金額をあまり把握していない支出ではないでしょうか。
税金は政府の収入になるのですが、社会保険料は私たちが稼げなくなった場合や健康を害した場合に備えて、みんなで積み立てているようなお金になります。つまり、金銭面で支えてくれる制度なのです。年金や医療保険などが代表的な社会保険です。
高齢などで稼ぐことが難しくなれば、年金としてお金が支給されます。また病気やケガなどで医療費が必要なときに、3割負担で治療が受けられます。
これらは私たちが健康で安心して暮らしていくうえで、非常に大切なものです。
このような制度に関して十分に理解しておかないと、適切な保護が受けられないばかりか、不安が一生続きます。
保険のようなもので、生命保険や損害保険などの民間保険を思い浮かべる人も多いかと思われますが、それ以前に私たちは公的な保険に入っていると思ってよいでしょう。その保険料が社会保険料なのです。この制度を理解すれば、民間保険の保険料もかなり抑えられるはずですよ。
しかし社会保険を理解しておらず、民間保険に入り、ムダな保険料を支払っている人も多いのです。
代表的な社会保険である医療保険は、主に2つに分かれます。会社員は健康保険、自営業者などは国民健康保険に加入することになります。それぞれ、病院などで治療して医療費が発生した場合、3割負担で原則済み、健康保険は扶養している家族も2~3割負担です。
病院などでお支払いするとき、あたりまえに慣れてしまっているかもしれませんが、「いつも7割引で医療が受けられる」と考えれば、かなりありがたい話ではないでしょうか。
他にも、高額療養費といって、収入によって医療費の自己負担限度額が決められています。「医療費で破産した」などとあまり聞かないのは、そうした理由です。手術や入院などで医療費が高額になっても、月10万円とか20万円を超える医療費を自己負担するケースは、ほとんどありません。
さらに、傷病手当金という制度も知っていると安心ですよ。これは健康保険の制度なので、会社員が受けられるものであり、病気やケガで入院して会社を休む場合に手当金がもらえます。会社からの給与はストップしますが、健康保険から給与の7割弱のお金が支給されるのです。
これらは公的な保険でカバーされています。
このように、医療保険という分野でも、医療費3割負担・上限額・傷病手当金といった、安心となるバックアップが多くの人にあります。これらを知ることで、病気やケガに対する不安はかなり少なくなるでしょう。
また、積極的な利用にもつながります。体調が悪いなら、自宅療養ではなく病院を積極的に使うのもよいでしょう。歯医者も含め、プロのアドバイスは利用価値が高いと思われます。
もちろん、3割負担といってもお金はかかりますが、長期的視野で大病を未然に防ぐ意味でも、医療は優先してよいでしょう。健康であることは稼ぎ続けるためにも必要なので、「ここに割くお金は元が取れる」と考え、7割引の医療を積極的に使うべきでしょう。
このような考え方になると、給与から引かれる社会保険料にも関心が向きます。社会保険料を毎年多く徴収されているのなら、それ相応のサービスという対価を得ようと、ポジティブな思考になりますよね。
●介護の負担も減らしてくれる
次に、介護保険についてです。これは介護が必要になったときに受けられるサービスです。昔は、介護状態となっても家族が面倒を見ていたのですが、現在は少子高齢化などで家族の負担が大きくなり、またひとり暮らしや老老介護※なども増え、家族でのカバーも難しくなってきました。
よって、介護サービスを受けられる制度が整いました。介護状態になれば、食事や家事の介護、老人施設の利用が可能になります。これも1割負担でサービスが受けられるので、9割引になるのです。
私も地方に住んでいる両親が高齢となり、病気などで介護が必要となりました。別々に暮らしていて、しかも遠方となれば、親の介護も難しくなります。仮に私が仕事を辞め、同居すれば稼ぎが少なくなり、共倒れとなります。
今の時代は、介護の負担を軽くするため、こうした制度があるのです。介護をこの制度にたくし、家族はフォローする時代です。積極的に利用すべきでしょう。
こういったサービスのために、社会保険料である介護保険料を支払っているのです。最初は親の介護、次に自分の介護を社会保険で補ってくれます。「社会保険さまさま」です。
社会保険料という支出はサービスの対価です。そのサービスを知らないと活用できず、安心もできません。たとえ利用しなくても、今後の不安は減ります。ぜひ知っておきましょう。
老後に稼げなくなったら? <公的年金・私的年金>
●年金暮らしの実態と盲点
ここでは年金に関してのポイントをお伝えしていきます。
年金は、現在は65歳以上になれば国からもらえます。自営業や専業主婦の方で月に約6万円、会社員の方で約15万円程度が標準モデルです。高齢者夫婦ふたりで約22万円です。
この金額では少ないと思われる人も多いのですが、暮らしていけない金額でもないでしょう。総務省の家計調査報告によると、現実には夫婦ふたりで27万円程度支出しているため、毎月5万円ほど預貯金を取り崩しながら生活しているといわれています。
年金の現状を知っておくことは重要で、年収にすると世帯で約264万円です。日本の世帯年収の中央値は437万円程度ですから、半分以下になります。
ただ消費は現役世代の7割程度に落ち、今後予想される多額な支出も少ないと思われます。欲・見栄・付き合いなどのお金は少なくなり、75歳以降はさらに少なくなるようです。
一方、高齢者の医療費は1割負担といっても、通院の頻度が増せば支出は大きくなる可能性があります。子や孫への資金援助や法事なども、増えてくるかもしれません。
介護施設などへの入居も見据える場合は、想定される支出はおさえておきましょう。
現役世代に多く稼いでいる人ほど、定年退職で年金暮らしとなった場合、年収の落ち込みに要注意です。現役世代の年収が多くても、年金には限りがあります。現役世代の収入や支出が多い人は、たとえ退職金をもらったとしても、定年後はコントロールが必要です。老後破綻にならないように気をつけましょう。
スポーツ選手などが現役時代と引退後の年収差に無頓着で、破綻するケースはあります。海外のバスケットボール選手や野球選手などは、現役引退後の6~8割の人が破綻するともいわれています。どんなに稼いでいても、お金の知識は大切だということですね。
●年金は高齢時に受け取れるものだけではない!
年金には他に2種類あります。障害年金と遺族年金です。年金といえば、高齢になって受け取れる老齢年金ばかりを思い浮かべる人も多いと思いますが、他にもあります。
まず障害年金とは、ケガや病気で障がい者になった場合にもらえる年金です。障がい者になって稼ぐことが難しくなれば、年金が支給されます。
誰もが定年まで健康で仕事ができると限りません。想定外の事故などに巻き込まれ、ケガで仕事ができなくなることもあるのです。もし、このようなことで稼げなくなれば、障がい年金で経済的に国の保護が受けられるのです。支給額は老齢年金に近い額となります。
次に、遺族年金です。配偶者や子どもが一家の稼ぎ手を失った場合に、お金が支給されます。たとえば、4人家族で夫が稼ぎ、妻は専業主婦で子ども2人が扶養されている場合、夫の死亡時に支給されるのです。これで残された家族の生活が可能になります。
これらの制度を知っておくだけでも、安心して生活ができるのではないでしょうか。
高齢になって受け取る老齢年金ばかりを意識するだけでなく、障がい者になった場合や死亡した場合でもお金が受け取れることを、おさえておきましょう。
年金を知ることで、安心した生活を営むことや準備ができ、余計な民間保険に加入する必要もなくなります。
ただし、公的な老齢年金だけでは、最低限の生活が保障される程度の額なので、もう少しお金がほしいという人もいるはずです。その場合は、確定拠出年金やiDeCoなどの制度も活用しましょう。
●年金を手厚くする確定拠出年金!
確定拠出年金とは、多くの大企業で利用が広がっており、年金の積み立てを会社の中で行っていくものになります。企業型確定拠出年金(DC)といって、会社が積立金を支給し、従業員が60歳まで積み立てていくものです。単純に積み立てるだけではなく、運用が可能です。
投資信託などの投資商品を積み立てることも可能で、その積み立てた投資信託が値上がりすれば利益となります。運用がうまくいけば、積立金以上のお金を受け取れるのです。
運用は難しいと思われがちですが、分散・長期・積立という3つの投資手法を実践すると、うまくいく可能性が高いといわれています。ノーベル経済学賞を受賞したモダンポートフォリオ理論に沿ったやり方で、「投資の原理原則」といわれています。
導入企業では、この投資法を社員教育で行い、理解したうえで運用した人が実績を上げているケースも多いようです。
もうひとつの特徴は税制優遇です。確定拠出年金に加入すれば、税制優遇が受けられます。
企業から支給される給与や賞与には、税金や社会保険料が引かれますが、確定拠出年金で従業員に支給する毎月の掛け金は、税金や社会保険の対象ではありません。企業が1万円を支給すれば、そのまま社員の掛け金に1万円が積み立てられます。
一方、給与が1万円支給されるのであれば、従業員の口座には税金や社会保険料が引かれ、7,000円とか8,000円になってしまいます。
この優遇が毎月、そして60歳まで続くのです。掛け金などにもよりますが、合計で100万円以上もの節税につながったりします。
運用益に対しても非課税です。投資で年に100万円儲かったとしても、課税され手元に80万円程度しか残りません。しかし、確定拠出年金の投資では、どんなに儲かっても利益金に課税されません。儲かれば儲かるほど節税効果も高くなります。
このようにメリットが多い確定拠出年金ですが、注意することもあります。まず、60歳までお金が受け取れないことです。年金資金の積み立てなので、途中でお金を引き出せません。転職などした場合は、積み立てたお金を移動させて運用を続ける必要があるのですね。
さらに、お金を受け取る際に課税されます。60歳以降にお金を引き出す際は、一時金で引き出せば退職所得、年金のように分割で引き出せば雑所得扱いになります。それぞれ控除があり、優遇はありますが、こうした知識をアタマの片隅に入れておく必要があるのです。
●個人型の確定拠出年金iDeCoは誰もが加入できる!
iDeCoは個人型確定拠出年金です。個人が金融機関でiDeCoの口座をつくり、積み立てが可能です。仕組みは企業型確定拠出年金とほぼ同じで、運用可能で税制優遇があります。
会社で企業型確定拠出年金を導入していない場合や、自営業・専業主婦の方は、iDeCoで積み立てを行うことが可能です。
各金融機関で独自の運用商品を取り入れており、選択できる金融商品に違いもあります。また、運営管理手数料などの違いもあり、金融機関を選ぶ際は注意しましょう。大手ネット証券などの手数料は、比較的安いようです。
上限額はありますが、企業型と個人型を併用して積み立ても可能となっており、節税や運用でニーズがあればうまく活用しましょう。
人生3大支出を制しよう! <資金計画>
「人生3大支出」は、それぞれ数千万円の支出が予想されますが、すぐに用意できる金額ではないため、準備が必要でしょう。
老後の準備については誰にとっても必要ですが、住宅購入や子どもの教育費は必要としない人も中にはいると思います。今は多様性の時代で、いろいろな家族形態があり、まずは必要か否かを検討する必要があります。必要であれば、時期や金額などを考慮しましょう。
住宅であれば住む場所、教育費であれば公立か私立か、なども検討していきます。
●人生3大支出 ①住宅
まずは「住宅」から考えていきましょう。
お金の準備には、積み立てやローンなどがあります。財形住宅貯蓄は、住宅購入に適した積み立てです。制度を導入している会社であれば、会社員は利用できます。給与天引きで、積み立て資金の利息は非課税です。また、財形住宅融資というローンも利用できます。
ローンについては、組むことが可能かどうかを考えましょう。会社員であれば、年収・勤続年数・企業規模などが融資に影響します。ローンを組むときにはこれらを意識して、借りやすい環境を整えていくとよいでしょう。
その点、自営業などは不利なので、住宅購入時や独立時期などの戦略を立てる必要もあるでしょう。
ローンは固定金利や変動金利などが選べますが、長期間で不確定要素が多いため、どちらがよいともいえません。
現在は変動金利のほうが金利は低めに設定されていますが、世の中の金利変動の影響を受けます。世の中の金利が上昇すれば、ローンの金利も上昇し、負担は重くなります。ただし金利上昇時は、物価や給与も上昇する傾向はあり(もちろん個人によります)、負担を感じないこともあるでしょう。ローンは数十年もあるため、個人の状況も変化し、金利変化だけでは図れないケースも多いでしょう。
固定金利は、返済する金額に変化がないため、返済計画は立てやすくなります。ただし世の中の金利が下がっても、金利は固定されたままです。世の中の金利変動の影響は受けず、ローンの金利は変わりません。
それぞれの特徴を理解し、自分にあった金利を選択しましょう。
●人生3大支出 ②教育
次に「教育」です。
適した保険には、学資保険やこども保険などあります。これらは毎月保険料を納め、子どもの学校入学時などに祝い金が受け取れるものです。
毎月保険料を納めていた親の死亡後に、保険料を納められなくても、祝い金や満期保険金などは受け取れます。親に万一のことがあっても一定の教育費がまかなえる、ということです。
借りるケースには、親が借りる教育ローンがあります。限度はありますが、低利で借りることが可能です。
そして、子どもが借りる奨学金もあります。これも低利や無利息です。
いずれも借金であるため、当然返す必要があります。とくに奨学金は、その子どもが社会人になったときに、借金返済を行うことになりますので、十分検討して利用すべきでしょう。
他にも、学業成績によって返す必要がない奨学金も広がりつつあります。
●人生3大支出 ③老後
最後に「老後」についてです。
前節でもお伝えしましたが、公的年金や私的年金で準備となります。他にも、退職金や年金受給の繰り下げなどで補完ができるでしょう。
私は自営業で年金が期待できないため、75歳まで年金受給を繰り下げ、通常1.84倍の年金受け取りを計画しています。年金受給を遅らせることで、このように年金額が増額となるのです。自営業の年金は少なめですが、定年がないため、体力が続く限り働き続けることは可能でしょう。
老後資金は借金できないため、注意が必要です。家を担保にして、お金を借り、亡くなったら家を処分し、借入金を返済する制度「リバースモゲージ」などもありますが、あまり普及しているとはいえません。
生活や状況を見ていき、自分にあった資金計画を立てましょう!
* * *
第1章はここまで!
続きを読みたい方は、各電子ストアにて2月28日より随時発売になります。ぜひお買い求めください。
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■Kindle版
■書籍情報
お金と安心して付き合うためには
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これからの時代を楽しく生き抜くための、「お金の知識」が身につく1冊。
「今の収入で将来は大丈夫だろうか…」
「生活面では節約するのが精一杯…」
「病気やケガで、さらにお金が必要になるのでは…」
このように、日々の中でお金について考えることは多く、その不安や悩みは尽きません。
お金を持っているかどうかまわりと比較して心が満たされない人は、お金の考え方を変える必要性があるでしょう。
「お金は持つ」というよりも、実は「知ることで解決できる」ことは多いのです。
そこで本書では、人生プランの考え方、保険加入のポイント、お金はなぜ銀行に預けるだけではダメか、投資の運用方法、税金の恩恵と受けられるサービスについて、家は賃貸か購入かの考え方、相続は誰のものか、給与明細の見方、ふるさと納税・DC・iDeCoなど活用するメリット、子育て支援や老後資金の準備についてなど、お金にまつわるあらゆるトピックをまとめました。
この本を読むことで、あらためてお金について学べることはもちろんのこと、将来に向けた使い方も明確となり、知識や情報があるだけでも不安は解消されます。
まずは、お金を増やす以前に、お金の知識を増やすこと。不安を取り除き、欲に振り回されない生活ができれば、幸せに近づくこともできるでしょう!
【目次】
第1章 生活設計がベース!
第2章 リスク管理 民間保険で漏れを防ぐ!
第3章 金融資産設計 お金を運用しよう!
第4章 タックスプラニング 税金は支出!
第5章 不動産と相続
第6章 身近な知識 税金優遇の得する制度
【購入者特典】
DC・iDeCoをはじめる人が知っておきたい 投資信託の選び方のコツ
■著者プロフィール
田中和紀
ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、商品先物、FX、証券会社などを経て2006年にファイナンシャルプランナーとして独立。独立以前には業界初となるFX事業の立ち上げに関わり、その後、証券会社やFX会社などの創業メンバーとして活躍。金融業界25年のキャリアで、さまざまなパターンに即したファイナンシャルプランを構築。資産運用に関する知識はもちろん、実践でも経験を積み、わかりやすい話ができるFPとして活動中。個人投資家としても株、FX、225先物オプションなどで実績を積みあげている。現在は、FP資格スクール講師、投資スクール講師、確定拠出年金講師などを務める。
資格はCFP認定者、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種、金融先物取引外務員、DCプランナーなど。
著書『初心者でも失敗しない勝てる! 長期型FX簡単・安心・着実の長期型FX』
* * *
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