思考の仕組みを解き明かす 効率的に考えるための3つのステップ
忙しい日々のなかで、私たちは瞬時に結論を出し、次々と行動を移すことを求められています。しかし、そのプロセスで「本当に正しい答えが導き出せているのか」と悩むことはないでしょうか?
思考は単なる直感や反射ではなく、「情報収集」「関連づけ」「まとめ」の3つのステップに分解することができます。
この記事では、この3ステップを活用し、思考を効率的かつ的確に進める方法を解説します。
問題解決の精度を高めたい方、アイデアが行き詰まったときの突破口を探している方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。したから使える具体的な方法とともに、思考力を最大化する秘訣をお届けします。
※本稿は、尾関博昭・著『ロジカルシンキングを克服 考えることが好きになる本 誰にでもできる思考の3ステップ』(ごきげんビジネス出版ブランディング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
1.考えることがストレスになる理由とその解消法
現代社会では、「考える」ことが重要視されます。日々の仕事や生活で、効率的に問題を解決し、新しいアイデアを生み出すためには、考える力が欠かせません。
しかし、多くの人が「考えること」に苦痛やストレスを感じています。このストレスの原因は何なのでしょうか?
「考えること」にストレスを感じる主な理由は、情報の多さとそれを処理するための方法が整理されていないことにあります。何かを考えるとき、あれこれと思考が飛び散り、最終的にどこから手をつければよいか、わからなくなる経験はないでしょうか。
また、考えがまとまらないまま周囲に説明しようとし、結果的に誤解を招いたり、正確に伝わらない状況も起こりがちです。
このような状況が続くと、やがて「自分は考えるのが苦手だ」と自己否定的な感情に陥ることもあります。ストレスの根本的な原因は「考えるための手順や方法が不明確なこと」。そして「考え方に関する無意識のクセや偏り」にあるのです。
本書『ロジカルシンキングを克服 考えることが好きになる本 誰にでもできる思考の3ステップ』では、考えることが苦痛から楽しみに変わるアプローチを提案しています。その基本的なステップは3つだけです。
①必要な情報を得る
②情報を関連づける
③考えをまとめる
これらのプロセスを一度に完璧にこなす必要はありません。それぞれのステップで丁寧に取り組むことで、頭のなかが整理され、スムーズに考える力が身についていきます。
「考える」ことが苦しくなるもう1つの原因は、「結果をすぐに出さなければならない」というプレッシャーです。仕事の締め切りや人間関係のなかで早急な答えを求められると、正確性やバランスを犠牲にしてしまうことがあります。
このような場合でも、あえて立ち止まって「どの情報が足りないか」「自分はどの順番で考えを進めているのか」といった基本に立ち返ることで、より冷静で効率的な思考が可能になります。
「考える」という行為は、本来人間に備わった自然な能力であり、正しい方法を身につければ誰もが得意になれるものです。
2.思考の起点は「連想」から広がる
「考える」とはどういうことなのでしょうか。日常生活や仕事のなかで、何かについて考えたいと思っても、どこからはじめればいいか迷ってしまうことがあります。具体的に考えようとするのに頭が真っ白になったり、考えた結果が適切なのか自信がもてなかったりする経験は誰しもあるでしょう。
こうした思考の停滞を乗り越えるには、「思考の起点」を見つけることが重要です。そして、その起点は、実は私たちの日常的な「連想」にあります。思考の本質を理解し、連想を活用することで、考えることが格段にスムーズになっていくのです。
思考は連想の積み重ね
何かについて考えるとき、私たちは必ず考える対象やそれに関連するものを頭に思い浮かべています。
たとえば、あしたの仕事について考えるとき、きょうまでの仕事を思い出したり、翌日のスケジュールを確認したりします。また、ランチのお店を選ぶ際も、近くのレストランや好きな料理をイメージして連想を広げていきます。
一方で、初めて触れる概念や未知の情報については、それを連想するための材料が不足しているため、思考が進まないことがあります。何かを考えるには、まずそれに関連する起点を見つけることが必要です。連想は思考を広げるための第一歩であり、連想が途切れてしまうと、考える力もストップしてしまうのです。
連想の起点を変えることで発想を広げる
連想を活用することがわかれば、考える際の障害を克服しやすくなります。同じことを繰り返し考えても答えが見つからないときや、難しい問題に直面したときには、連想の起点を意識的に変えてみることが効果的です。
たとえば、いつもとは異なる視点からモノゴトを捉えたり、自分にとって考えやすい要素を組み込んでみたりすると、思考がスムーズに進むようになります。連想の起点を変えることで、これまで見えなかった新しいアイデアや発想が生まれることも多いのです。
思考法を磨くための連想技術
連想の起点を変える方法は、さまざまな思考法に応用されています。
たとえば、クリティカルシンキングは「これは間違っているかもしれない」と考えることでモノゴトの見方を変える思考法です。一方ラテラルシンキングは「このほかにも何かあるかもしれない」と視点を広げる思考法です。
これらの方法は、いずれも連想を重ねることで思考を深めたり広げたりすることを目的としています。意識的に異なる連想の起点を探し出すことで、解決策の幅を広げることが可能になります。連想を通じて思考を進める習慣を身につけることで、日々の課題に柔軟に対応できる力が身につくでしょう。
3.「思考の3ステップ」を意識する
「考える」という行為は、私たちが普段意識せず行っているものですが、そこには明確なステップがあります。思考のプロセスを理解し、適切に分解することで、頭のなかの混乱を整理し、効率的に解を導くことが可能になります。
思考の3ステップとは、「情報収集」「関連づけ」「まとめ」の3つの段階を指します。多くの場合、私たちはこれらの工程を自然な流れで進めていますが、それを明確に意識することが思考力を最大化させる秘訣です。
この項では思考の3ステップを深掘りし、それぞれの段階における具体的な課題と解決策を探ります。
①情報収集の重要性
思考の出発点となる「情報収集」は、適切な材料を集める工程です。この段階が不十分であると、後の「関連づけ」や「まとめ」の段階でいくら工夫しても、的確な結論に到達することは困難です。
ものづくりの現場では、部品の不足や品質の低下があると、どれだけ組み立てを工夫してもいい製品はできません。同様に、思考でも不十分な情報をもとに考えを進めてしまうと、結果として誤った結論や効率の悪さにつながります。
情報収集の課題は、量だけでなく質を意識することです。単に情報を集めるのではなく、必要な情報を選別し、目的に応じた材料を揃えることで、次の工程をスムーズに進める基盤を築けます。
②関連づけで深める思考
「関連づけ」の段階では、集めた情報をつなぎあわせ、そこから新たな洞察を得ます。この段階がうまくいけば、情報が単なるバラバラな要素ではなく、まとまりのあるかたちに変わります。
ここでのよくある問題は、関連づけを急ぎすぎたり、既存の枠組みに固執してしまうことです。
「アイデアが出てこない」と悩む場面では、情報の結びつけ方を変えてみるのが有効です。別の分野のアイデアを参考にしたり、視点を変えることで、新しい発想のきっかけが得られることがあります。
関連づけが行き詰まった場合、情報の並べ替えや視点の転換を試みることが問題解決のカギとなります。
③まとめの精度を高める
最後のステップである「まとめ」は、思考の集大成です。この段階で問題が発生すると、せっかくの情報収集や関連づけが無駄になり、結論が相手に伝わりにくくなることがあります。
細かい情報を一生懸命伝えようとした結果、相手には全体像がわからず、理解してもらえなかった経験があるかもしれません。ここでの問題は、「情報収集」と「関連づけ」は正確にできていたものの、「まとめ」の精度が低かった点にあります。
「まとめ」のステップでは、相手の視点に立ち、必要な情報だけを簡潔に伝えるスキルが求められます。このスキルを磨くことで、思考の成果を最大限に発揮できるようになります。
思考のステップを見極める力
「考えられない」「答えが出ない」と感じるときは、思考の3ステップを意識してみましょう。それぞれの段階で何が不足しているのか、どこに問題があるのかを見極めることで、適切な対処法を見つけることができます。
思考の3工程を明確に意識できるようになると、効率よく問題を解決するだけでなく、自分の思考力に対する自信が深まり、新しい課題に取り組む際の精神的な余裕も生まれるでしょう。このプロセスを日常的に活用することで、思考力の質を飛躍的に高めることができます。
関連書籍
『ロジカルシンキングを克服 考えることが好きになる本 誰にでもできる思考の3ステップ』
著・尾関博昭/ごきげんビジネス出版ブランディング/発売:2024年11月29日
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