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『更年期の不調に効く「自分漢方の見つけ方」 更年期は体全体のバランスを整える漢方がおすすめ』第1章・無料全文公開

3月25日発売の書籍『更年期の不調に効く「自分漢方の見つけ方」 更年期は体全体のバランスを整える漢方がおすすめ』から、第1章「更年期を正しく知る」を全文公開!

更年期とは

更年期とは閉経をはさんで前後5年、合計10年間と定義されています。日本人の平均閉経年齢が約50歳なので、おおむね45歳から55歳くらいまでを更年期と考えるとよいでしょう。

「30代でも更年期になったという話を聞いたことがあるけど……」

そうなのです。実は、更年期を感じる時期は人それぞれ違います。

ここで私の体験談をお伝えします。私が「何か変だぞ⁈」と感じたのは35歳のときでした。それまではサウナに入ってもなかなか汗が出ない「汗をかかない体質」だったのに、突然汗がふき出して止まらなくなってしまうことが起こりました。それほど暑くもないのに、突然汗がふき出すのです。

それは会議で焦っていたり、電車のなかでちょっと暑いなと感じたときなどに起こりました。汗のかき方もふつうとは違っていて、玉のような汗がダラダラ出るのです。ひとしきり汗が出るとおさまるのですが、いつ、どのタイミングで起こるかわからず、ビクビクしながら生活し、とにかく人前では起こらないようにと祈っていました。

このように汗がふき出してしまうのは、更年期特有の「ホットフラッシュ」といわれる症状です。当時は35歳という年齢もあり、更年期など頭の隅にもありませんでしたが、実は35歳という年齢は妊娠率が急激に下がる時期と重なります。

この時期は女性ホルモンのひとつであるエストロゲンがストンッと減ります。ホルモンバランスの変化はライフステージのなかで何度か訪れますが、更年期はホルモンバランスが人生で最大の変化を起こす時期です。女性ホルモンであるエストロゲンがほぼゼロに向かって急降下します。下げ幅が大きい分、体に起こる変化も大きく、戸惑いや不安、心配を強く感じるのです。女性ホルモンの急激な低下は閉経にともなって起きますが、子宮の摘出やホルモン剤治療など閉経に似た状態になることでも起こります。

《ちょっと参考》男性の更年期とは

昨今、男性更年期についても注目が集まっています。

「男性にも更年期があるの?」と思われるかもしれませんが、もちろんあります。

更年期とは、ホルモンバランスの崩れによる体の不調です。男性は女性に比べて性ホルモンの減少がゆっくりです。そのため、なんとなく老化を感じていても不調とまでは思わないのですが、性ホルモンの量がある閾値(いきち)以下になると、やはり無理をしても体が思うように動かなかったり、日常的に不調を感じるようになります。これが「男性更年期」と呼ばれるものです。 

更年期に感じる変化

更年期にはどのようなことが体に起こるのでしょうか。それは「体」と「こころ」にさまざまな変化が起こります。体のラインの乱れ、体重の増加、血圧上昇、のぼせ、気分の浮き沈みなどなど……。このように体とこころに起こった変化は、「更年期に入った」というサインでもあります。これらのサインをすばやくキャッチできれば、更年期に対する備えができます。

【更年期に起こるさまざまなサイン】
●生理の乱れ(期間・周期の乱れ、経血量が増えたり減ったりする)
●体型の乱れ(体重の増加、体のラインの崩れ、肌のたるみ・シワ)
●健康診断の数値の乱れ(特に血圧の上昇、コレステロール値の上昇)
●気分の乱れ(浮き沈み、やる気が出ない、気力がわかない、イライラする)
●機能の乱れ(記憶力の低下、不眠、腰・膝の痛み)

次項より、更年期に起こる変化を「体」と「こころ」に分けてみていきましょう。

体の変化

閉経を迎える時期になると、エストロゲンという女性ホルモンが急激に減少します。エストロゲンは生理のコントロールをはじめ、髪や肌のうるおいを保つなど、女性特有の体をつくり出す役割があります。また、血管をしなやかにして血圧を安定させ、動脈硬化を防止します。さらに、丈夫な骨を維持したり、コレステロール値の調整をおこなったりと、さまざまな働きで女性の体を守ってくれるのです。

しかし、更年期でエストロゲンが急激に減ることで「守り」がなくなり、体に大きな変化が起こります。

体型では下腹にじわじわと脂肪がついてくることもあり、なんとなく肌のハリが足りないと感じます。また、それまでは血圧が低かった人も、ふつう並みの血圧になることもあるのです。血圧の変化は自分でわからないものなので、50歳を過ぎたら血圧計をとりあえず用意したほうがよいですね。同様に、コレステロール値なども上昇することがあります。健康診断を受けている人は前年・前々年の検査結果との比較が大切です。数値が上がっていないか、上がり方が急激でないかをチェックしてみてください。

こころの変化

「体」だけでなく、「こころ」にも変化が起こります。それにもやはりエストロゲンの減少が大きく関係しているのです。エストロゲンは「幸せホルモン」とも呼ばれています。エストロゲンが幸福感や楽しさをもたらすオキシトシンや、不安やストレスをやわらげてくれるセロトニンというホルモンの分泌を促しているからです。更年期にエストロゲンが急激に減ると、これらも減ってしまいます。その結果、イライラや不安、怒りが増えて感情が不安定になり、こころの不調を感じるようになるのです。

更年期と更年期障害の違い

更年期に起こる体とこころの変化についてみてきました。では、体とこころに起こる変化が更年期障害といわれるものなのでしょうか。

答えは「いいえ」です。

更年期にはさまざまな変化が起こりますが、それはいわゆる「障害」ではありません。体に起こった変化に対してきちんと対応できれば、なんの問題もないのです。

しかし、変化に対応できなかったり、変化があまりにも大きすぎたりすると、体にとって「不調=障害」となってしまいます。この状態が更年期障害です。

主な更年期障害の症状としては、ホットフラッシュ、自律神経の乱れ、だるさ、不眠、不安、うつなどがあります。

更年期障害はひどくなると寝込んでしまうほど体調が悪化し、日常生活がおくれなくなってしまうこともあります。それほど女性にとってエストロゲンの影響は大きく、人によっては深刻な問題となってしまうのです。影響の大きいエストロゲンの減少ですが、不思議なことに、ほとんど感じることなく更年期を通過してしまう人もいます。では、更年期障害を引き起こしてしまう要因は何でしょうか。いくつかの要因が考えられます。

①エストロゲンに対する感受性の違い

私たちは気質や性格がみんな違います。それは実は性ホルモンの量に関係しています。性ホルモンの量は一人ひとり違っていて、更年期でのエストロゲンの減り方や減ったことに対する体の反応も一人ひとり違うのです。

②体質の違い

寒がり、暑がりなど、皆さん自分の体質があります。ホットフラッシュが起こった場合、暑がりの人にとっては暑さがさらに加わるためとても大変で、疲れてしまう症状になります。一方で寒がりの人は、汗は出るけど体に感じる暑さは困ってしまうほどではなかったりします。このように、もともともっている体質によって更年期障害を強く感じたり、軽度に感じたりするのです。

③環境の違い

更年期の時期は生活においても変化が多い時期です。自分の仕事や立場、旦那さんがいる方は旦那さんの仕事や立場、お子さんがいる方はお子さんの進路など、人生の転換期だったりします。エストロゲンはこころの安定を保つ働きがあります。更年期に大きなストレスをかかえていると、エストロゲンの減少によりさらにこころの乱れが大きくなってしまうのです。

更年期にどのようなことが起こるかは一人ひとり違っていて、その強さも頻度も異なります。更年期の変化にうまく対応できないと、更年期障害となってしまいます。

更年期障害は症状もその強さも頻度もバラバラです。それなのに、「不定愁訴」としてひとくくりに扱われたり、自律神経失調症と診断されたりします。自分に合った治療法や対策を知ることで、だれにでも訪れる更年期を快適に乗り切ってほしいと思っています。もう更年期に不安や心配は必要ありません。

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第1章はここまで!
続きを読みたい方は、各電子ストアにて3月25日より随時発売になります。ぜひお買い求めください。
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■書籍情報

更年期には漢方がオススメ
更年期を漢方薬で乗り切り、その後の人生を快適に過ごす方法

「更年期で悩んでいる方」
「もうすぐ更年期を迎えるので不安に思っている方」
「若いのに更年期に似ている症状がある方」
に漢方薬の紹介とともに生活スタイル、食生活のアドバイスを含めて解説しています。

一見大変にみえる更年期の不調も、体全体のバランスを整える漢方薬はとても合理的です。

本書では、体のバランスの乱れや体質を「気血水」「五行」という漢方のものさしで分析し、「自分のタイプを知ることで、苦しんでいる症状に効果のある漢方薬をすばやくみつけられる」のが魅力です。

漢方薬は「鍵穴」と「鍵」にたとえられます。鍵穴にぴたりと合った鍵でないと、扉を開くことはできません。自分にぴたりとはまると驚くほどの即効性もあります。ぜひとも本書で、そのときの自分に合う漢方薬をみつけてください。

更年期をよく知って、自分らしい第二の人生をスタートさせましょう。そのためにも、こころと体のメンテナンスに「漢方薬」がきっとお役に立つことと思います。

【目次】

第1章 更年期を正しく知る
第2章 「気」「血」「水」と体質
第3章 五行と体質
第4章 症状別による漢方薬
第5章 食養生
第6章 漢方の剤形

【購入特典】

眠くならない『花粉症』の漢方薬6選

■著者プロフィール

斉藤明美(薬剤師・医学博士)
大学病院等で薬剤師として、製薬会社では学術部員として医薬品の販売企画を担当。
50代を前に、神経性胃炎が思うように改善されなかった折に漢方を進められ、辛かった胃の不調だけでなく、憂うつだった気持ちも晴れたことを経験。これをきっかけに漢方の素晴らしさを知り、漢方の道に進み勉強をはじめる。更年期にイライラ、肩こり、不安感、食欲不振、のぼせと様々な症状が日々変わり不安な毎日を過ごしているときに体力、症状にあわせて漢方薬を選び、多くの症状が克服。体質や体力にぴたりと合う「自分漢方」をみつけて、不安のない更年期を上手に乗り切ることを提案している。

土子 志(薬剤師)
調剤薬局で25年間勤務しながら、大学の講義で興味を持った漢方の勉強を35歳の時にはじめ、49歳の時に漢方専門の相談薬局をオープン。折しも自分が更年期直前だったこともあり、さっそく漢方で更年期対策を実践。更年期対策のつもりで飲んだ漢方薬で長年の慢性頭痛や目の下の万年クマがすっかり改善。絶対に更年期に悩まないで欲しい、正しい対策で今ある悩みも一緒に解決してほしいという思いで日々相談を受けている。お店では一般的な漢方薬から、味や香りにこだわった自家製の漢方の粉薬や本格的な煎じ薬まで扱い、じっくり相談してオーダーメードで一人一人にあった漢方を調剤している。

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