見出し画像

『現場で即使えるライター雑談術 インタビュー・取材がスムーズに進む本題前のミニフレーズ』序章・無料全文公開

6月20日発売の書籍『現場で即使えるライター雑談術 インタビュー・取材がスムーズに進む本題前のミニフレーズ』から、序章「どんなときも欠かせない大前提」を全文公開!

①「共通点」ではなく「違い」を見つける

序章では、本題前のフレーズを紹介するにあたって、最初に覚えてほしい大事な2つのポイントをお伝えしておきます。

1つ目のポイントは、相手と会話するときは「共通点」を探さないことです。

会話が得意な人ならともかく、この本を手にした方は(私もそうですが)会話に苦手意識があるのではないでしょうか。相手との共通点を軸に会話を進めようとすると、会話が苦手な人ほど「共通点を見つけなければ」というプレッシャーがかかり、相手の言葉に集中できなくなります。相手の言葉より、自分が出す言葉ばかり気になってしまうのです。

会話術の本では「相手の共通点を見つけてそこから会話を広げる」方法がよく紹介されています。しかし、私は今でも共通点から会話を進めるのは苦手です。なぜなら、出会ったばかりの人と自分の共通点を見つけるのは非常に困難だからです。

たとえば、社員インタビューで入社3年目の人にお話を聞くとします。

私の取材目的は、この社員さんがこの会社をどのように選び、なぜ入社したのか、どこに魅力を感じたのか、入社後にどのように成長してきたのかを聞くことです。この話を聞く前に相手と仲良くなろうと共通点を見つけるとしたら、どうすればいいでしょうか。

私は50歳なので、自分の入社エピソードと重ねたとしても時代が違います。私の昔話を紹介しても、相手は面食らってしまうでしょう。似た業種の話をしてもピッタリ重なることは皆無で、相手が私の話に合わせるという無理をお願いしてしまうかもしれません。

自分よりも年上の管理職の人から話を聞く場面を想定しても同じです。

私は社員としての経験はありますが、マネジメント経験はありません。知識のない人間から無理に「こうですよね」と話を振られても相手は困ってしまうでしょう。

奇跡的に趣味や出身地が一緒だったとしても「わあ、一緒ですね」という確認が精一杯で、その先の話題を紡ぎ出すのは一苦労です。仮にその話を盛り上げたとしても、本来聞かなければいけない大事な話とは関係がないので時間を無駄に使ってしまいます。

少なくとも、取材のような仕事の場では、共通点を探して雑談を始めるのはおすすめしません。アイスブレイクとして雑談をするなら、逆に「相手と自分で違う点」、こちらから見て謎めいている点をタネにしたほうが話を進めやすくなります。

入社3年目の人であれば、私とは違うはずの就職活動はどうしていたのか、終身雇用や転職に対する考え方はどうかなどを聞くほうが話を続けやすいです。

管理職の人であれば、チームをまとめる方法や休日の過ごし方を聞いたほうが、マネジメント経験がない聞き手から「なぜ? どうして?」という質問が湧きやすくなります。

そもそも「私は知らない、でも相手が知っている」という事柄は尋ねやすく、相手も答えやすいトピックです。質問にも「本当に知らない」というニュアンスが含まれるので、嘘ではない言葉で雑談を組み立てることができます。知らないことを聞くほうが、お世辞のような自分を飾り立てる言葉を使わずに済むのです。

これから紹介する方法も「共通点」を軸にしていません。私たちが知らないことを教えてもらう、というスタンスでつくる雑談ばかりです。

皆さんもこの点を意識して実践してみてください。

②本日はありがとうございます

もう1つの欠かせないポイントは、本題を始める前に相手にお礼を述べることです。

使うのは「本日はお時間を取っていただき、どうもありがとうございます」というフレーズです。これはオンライン取材でも対面取材でも、取材を始める前に必ず言います。

私たちライターの仕事は、相手の仕事の時間を止めてもらわなければ成り立たないものです。新聞記者が書くような報道記事であれば、相手の時間に割り込んで、無理にでも話を聞くことに意義があるかもしれません。

しかし経営者や社員の方々、お店やお客様の話を聞くときは違います。本来その時間は相手が自分の活動を遂行できる時間です。それは日常業務や商品販売かもしれないし、ひょっとしたら家族サービスの時間だったかもしれない。

私たちは、その時間を相手のご厚意によって(本当はそうしなくてもいいのに)インタビューを入れてもらっているのです。取材を始める前にお礼は必ず述べましょう。

最後に伝えてもいいのですが、私の場合は最初にお伝えするようにしています。

なぜなら、私が逆に取材を受けるとき、自分がわざわざつくった時間に対して気遣いが感じられない場合、心を閉ざしてしまいがちだからです。取材中ずっと「この人は取材をするのが当たり前だと思ってるのかな」「本当はあの仕事をしたかったのにな」と思ってしまうと、いくら時間をかけても本音に近いお話はできなくなります。

ライターとして恐れるのは、そういった相手の方の警戒心です。

初めて会う人間が自分のプライベートも含めて根掘り葉掘り聞こうとするのですから、相手に警戒されるのは当然です。その警戒心をどうにか解いてもらって「この人には話をしても大丈夫」と思ってもらうためには、必ずライターから働きかけなければいけません。

その一言目が「本日はお時間をいただき、どうもありがとうございます」というお礼の言葉だと思っています。

私の取材の録音を聞いていると、取材が終わる際にも時間についてのお礼はよく述べています。重ねては言い過ぎかもしれませんが、貴重な時間をいただいた感謝はどうにかして伝えたいと思っているので、つい出てしまうのだと思います。

*   *   *

序章はここまで!
続きを読みたい方は、各電子ストアにて6月20日より随時発売になります。ぜひお買い求めください。
下記リンクはAmazonストアでの商品ページになります。書籍の詳細と目次もこちらからご覧になれます。
書籍『現場で即使えるライター雑談術 インタビュー・取材がスムーズに進む本題前のミニフレーズ』

*   *   *

本書の企画の元になった、丘村先生のnoteの記事はこちらです。
こちらの記事の反響から、執筆していただくことになりました。
こちらの記事では、4つのフレーズを紹介しています。
書籍では全280個フレーズもあるので、ぜひチェックしてみてください。

■丘村先生の関連記事はこちら

■ペーパーバック版(紙)

■Kindle版(電子書籍)

■書籍情報

インタビュー・取材前の会話で困っている方必読。
インタビュー・取材がうまく進む!最強「雑談フレーズ」集

取材の成否は、『本題に入る前の雰囲気づくりから始まっている』
そう言っても過言ではありません。

取材相手が話しやすい雰囲気をつくるのはライターの役目ですよね。

相手になるべく多くの事柄を話してもらうためには、リラックスしてもらう必要があります。萎縮したままでは本当の気持ちを聞くことができません。

だからこそ、早い段階で力んだ気持ちを緩めてもらい、取材に入ることをおすすめします。

その集大成として生まれたのが、本書の39項目にのぼる「雑談フレーズ」集です。
具体的な例文を含めると、なんと280フレーズも掲載。

14年近く続けてきたライター仕事の取材現場では、アイスブレイクになる会話を必ずつくり、できるだけ早く笑顔になっていただけるよう、言葉の試行錯誤を繰り返しました。

その集大成として生まれたのが、本書の39にのぼる「雑談フレーズ」集です。

本書では、雑談を始める一言目で使えるフレーズを中心に集めています。

また、このフレーズは非常に汎用性が高く、一般的なビジネスシーンでも不自然ではない雑談を始められるもので、商談・交渉、接客での会話術としても取り入れていただきたいものばかりです。

今回まとめた情報は取材前の会話で困っている皆さんのお役に立てると信じています。

読んだ今日から、ぜひ使ってみてください。

【目次】

序章 どんなときも欠かせない大前提
第1章 すぐに使える基本フレーズ
第2章 行った先で見つけられるフレーズ
第3章 事前に用意して使えるフレーズ
第4章 二言目以降に使えるフレーズ
第5章 気をつけたい雑談ポイント

■著者プロフィール

丘村奈央子

インタビューライター・ブックライター
1973年長野県生まれ。信州大学人文学部卒業後、松本市の新聞社に広告営業として就職。2000年から(株)ベネッセコーポレーション『進研ゼミ』で高3生の国語/社会科の編集・進行管理・校正に携わり、2007年から大手電機メーカー・シャープ(株)広報室で社内報編集職。2010年5月にフリーライターとして独立、現在は企業広報やオフィシャルサイトの文章作成のほか、ブックライターとして書籍執筆にも携わっている。2013年からは聞き方・書き方に関する電子書籍自著を刊行、ごきげんビジネス出版『人生が変わる会話術』は約2万ダウンロード。2020年4月には『「話す」は1割、「聞く」は9割』(大和出版)を上梓。Udemy Businessで展開中の「聞き上手になるオンライン講座」も好評。

*   *   *

ごきげんビジネス出版のLINE公式アカウントでは、新刊情報、お買い得情報、noteに投稿している第一章全文や書き下ろしコラムの紹介、イベント・セミナーに使えるクーポンなど、生活や仕事に役立つ情報をお届けしていきますので、ぜひ「友だち追加」をしてください!
登録いただいた方に、オリジナルブックや動画など豪華三大特典付きです!!

↓↓「友だち追加」はこちらからお願いします↓↓

https://lin.ee/kP0bgQk

QRコードからも登録できます!

この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,592件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?