(連載68)スケールとサイズ実験のファッションショー:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2011年
我々は、生活しているほとんどの時間、衣服というものをマトっています。
どんな服を買おうかな?とか 何を着ようかな? と決断する時、人は好き嫌い以外では、どんな基準で服を選ぶのでしょうか?
もちろん、服というのは、社会的な意味合いも大きいので、その時々により、違う基準で選ぶとは思いますが、
だいたい共通のチェックポイント(の、ひとつ)に、サイズってのがあると思うんです。
もちろん、わざと大きめを選ぶとか、小さめを選ぶとかそういうトレンドに応じてのサイズ感もあると思いますが、それも含めての、です。
最初にサイズ選びが間違ってたら、もう、細かいデザインがどうのとか、いっておられませんし。
なにも考えずに無意識に、選んでたとしても、
着てみて「なんか違うな〜〜〜」 と思うでしょう。
つまり、なにがともあれ。。。。
サイズが問題だ!
広義に捉えてみたら、このサイズ問題って、身の回りの全てにあるなあ、と思ったんですよ。
衣食住の全て。まあ、当たり前といえば、当たり前なのですが、
服だけじゃなくて、ちょっと太った、痩せたも、サイズの話だし、体の各部分においても、目が大きいとか小さいとか。胸がでかいとか小さいとか。
「食」に関しては、大盛りとか、小盛り?とか。また、ダイエットで、食事の量を加減する。これもある意味、食べるサイズ問題ですよね。間違った判断をすると、後ですごく後悔しますし。(食べ過ぎとか)
居住空間は、まんまです。住んでるとこが大きいか小さいかのサイズ問題です。
また自分の外的な環境だけでなく、抽象的な、目には見えない事柄だって、大きい小さいがあります。「あの人はうつわが、大きいとか小さい」とか、これもサイズの話ですし、心や感情の話でも、期待が大きいとか小さいとか。それによって、失望が大きい小さい。また、最初は大問題だったのに、いつのまにか小さい問題になってたとか。これもサイズの話。。。
人生、自分の周りに起こりうる事柄のほとんどが、このなんだかよくわからないけど、サイズ感次第 なような気がしてきました。
我々はこのサイズ問題を常に考えていて、サイズがピタッとフィットした時に、自分の感覚も肉体も、意識も無意識も、自我も超自我も阿頼耶識も何もかも、いい感じになって、幸福にひたれるんじゃないのか?
つまりすべてにおいて、求めているのは、ちょうどいいサイズ。
サイズ感が、人生を左右するといっても、過言ではありません!!
自分に合うサイズ!
それを見つければ幸せになれるのだ!!
考えてみたら、シンデレラの話だって、王子様は正しいサイズを求めて、全国を旅していたのだ。シンデレラの足のサイズは、そのサイズだったから、みそめられ、結婚し、幸せになったのであった。(結婚後は、知らんが)
正しいサイズが幸運を運んだのであります。。。。
ハッピーエンド。。。。。
あのね、、、、、ハッピーエンドて? 話が終わっとるやないかい?
今回はファッションショーの話やったんと、ちゃうんか?
あっちゃーー、忘れとったわ。すんまへん。
では、さっさと、すませましょう。苦笑
今回の、ファッションショーのタイトルは、
MAXIMUM-MNIATURE にしました。
マキシマム ミニチュア
つまり最大のミニチュアって意味です。
最大。でも実は、それはミニチュアの最大っていう意味で、スケール感を自由に動かして、サイズをコントロールし、大きくも小さくもできるというテーマです。
制作過程は、前回にお見せした、スケールをいろいろ変えて作ってみた服やバッグやアクセです。「サイズがデザイン的に全体に及ぼす影響を試してみた」というコンセプチュアルなアプローチ。
しかも、その結果として作ったものは、日常的に着れるコマーシャルプロダクツ=商品となる。
つまりアートとファッションの両方の、いいとこどり!!!
デザインというものを
コンセプチュアルに捉えたみたファッションショー!!
と、まあ、カッコよく?いうとこうですが、今、振り返ったら、あとから理由をでっち上げた言い訳?のようにも聞こえるのは、なぜでしょうか?笑
前回にお見せしました、スケールを変えて作ってみたものをモデルに着用してもらい、ランウェイを歩いてもらい、そして、終わったら、即売する。という パッと見た目は、今までで一番コマーシャルなショーとなりました。笑
はい。では、先を急ぎましょう。ショーの写真です。
こんなかんじにスケール毎にモデルさんに並んでもらって。
たとえば、リボンのサイズがだんだん大きくなる実験の服ですが。
左から右にだんだん大きくなる。
これが、一番小さいリボンちゃん
そして、一番でかいリボンちゃん
バッグのサイズ違い
ネックレス(右に行くほど、大きい)
一番大きいネックレス
ミリタリーのテントで作ったワンピ
てな、かんじで、ご覧になってもわかるように、
ま、だいたい、普通の服ですわ。笑
今までずっと読んでくださってる方は、
あれ?なんかなんか、このショーって、コマーシャルに寄りすぎてないかい?と 路線が変わった?
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
だって、今までのは、こんなでしたんで。汗
ご覧になってなっしゃらない方に、お見せしますと。
たとえば、こんな箱みたいな服とか
ケースみたいなスカートとか
檻みたいな服とか
筒みたいなヘッドドレスとか
首から上が天井にくっついてる服とか
壁の服とか
縫い代しかない襟が汚れたシャツとか
シミのついた白シャツの服とか
もうーなんせ、こんなんばっかだったんで、笑
今回のこのショーの服は、フツー!!
なんか、コマーシャルに突っ走って、売ろうとしてる?のでは?
、、と思われた方もいたと思います。苦笑
はい。
正直に告白しますと。
確かに、この時は売ろうとしてました。せっかく作ったんでね。売れないとゴミだし、制作自体をコンセプチュアルにしたので、
できたものは、絶対に!!売りたい!!!
と思いました。
しかし
お金に目は眩んだわけではありません!!!
何か、やればやるほど、お金が逃げていく性分。。。自分ではどうしようもできない。。。。
実は、私、何を勘違いしたのか?このショーは、
服以外のところに、ものすごいエネルギーを注いてしまってた
、、、、からなんです。
さて、それはなんでしょうか?
それを次回お話いたしましょう!!
L*
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