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(連載75)埼玉県立近代美術館での展覧会がはじまった:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2012年


(( ( ( いきなりですが ) ) ))

これと。

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これと。

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これの。


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共通点は、なんでしょうか?


前回をお読みになった方は、

すぐおわかりになったでしょう!


そうです。

ここですよ。



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美術館の掲示板。ちょっとわかりにくいですが、真ん中が草間彌生大先輩、 

その隣の小さいのが。。。。私たちの。。。です。笑

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我々のところの拡大図

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我々のは、美術館の企画展ではありませんが、まさか自分が、ウルトラマンと草間彌生と同じ掲示板にのるとは、考えてもみませんでした。。。。

ほんと、人生は何が起こるかわかりませんねー。


この言葉、この回顧録に何回もでてきますね。(汗)


それにしても、「埼玉県立近代美術館」て、こうして、書いてみると、漢字が9個連続!お役所的なドヤ感がハンパなくて、私は、好きです。。。


さて2012年のことですが。

この展覧会は自分にとって、とても実りの多いイベントとなりました。

いつもだったら、イベントが終わって、わ〜楽しかった!!で終わり!の、過去を振り返ることのまったくない自分でありましたが、この時の展覧会は学ぶことが多かったです。

このプロジェクトの計画は古着の白シャツの襟をつないで、「汚れの首輪の部屋=インテリア」を作る事でした。

それで、レジデンスで、埼玉に在住、一ヶ月かけて制作に集中できたので、いろんなものを作りました。

襟のベッド、クッション、スリッパ

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襟の植物と植木鉢とカウチ

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照明やテーブルチェア、服など。

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襟のティータイムセットやフルーツまで!

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ところが。。。。これらを実際に並べてみたら、会場の天井がものすごく高いので、ガラーーーーんとなり、思ってたのと、ちょっと、違ったんです。

スペースのサイズは、事前にわかっていましたので、自分としても何度もイメージトレーニングをしたつもりでしたが、考えたら、ここまで大きい場所での「インスタレイション」つまり空間のデザイン?みたいな事をやった事なかったのでした。


そうか。

部屋、つまりインテリアというのは、閉ざされた空間だから部屋なのだ。それには、部屋の外と内の境界線というものが必要なのだ。。。。

と、気がついたのですが、すでに遅し。


それで、初日の設置が終わってから、このプロジェクトの全てをコントロールしている飯島くんに、何気に相談してみた。


そしたら「部屋というものにこだわらずに、何日かおきに、作品をいろいろ並べ替えてみたらどうですかね?」と言った。


そうだ!!!これは、グッドアイデア!!


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別に当初の「お部屋計画」に固守する必要も、なかったのだった。

変更しても、誰に迷惑がかかるわけでもなく、金銭の支払いが派生するわけでもなく、自分が病気になるわけでもなく、離婚問題に発展するわけでもないのであった。。。。。

自分の決断が他の人の運命に1ミリも関与する可能性がない!

これはこれで、寂しいといえば、寂しいけど、この場合はラッキーだった。


ともかく、ひっそりと、飯島くんに、

そうしましょう!とうなづいた。

飯島くんもうなづいてくれた。

それで何日かに一回、並べ替えてみることになった。


初日にきちんと並べたところ。

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数日後、縦にズラーっと並べ替えてみた。

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たまに、椅子などを危ない位置にしたりという日もあった。

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ひっくり返したり、床に散らべたり。

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そして、さらに、彼が「ルンナさん、毎日、会場に来てウロウロしてたらどうですか?」と言った。


これもまた、グッドアイデア!!


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私も汚れた襟の服を着て、出社! どうせ、する事ないですから、、、、笑


どうぞよろしく


で、毎日、会場に出向いて、椅子に座ったり、

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ベッドに寝てたりする事になった(これが最も多かった)

何かと疲れやすいお年頃なんで。。

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誰もこない時は、ほんとに、昼寝! 

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どんだけ寝相悪いんかい?


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初日のオープニングは、たくさんの人が来ました!!!


まずは、ファミリー、今は亡き父も九州から来てくれた!涙

左から二番めが父、真ん中が義理の弟、家具を提供してくれました。その次が日立コンピュータに勤めてたおじさん。一番右が、このブログには話が、ちょくちょく出てくる、実の妹。

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妹は、義理の弟と目黒でインテリアショップ、カーフをやってます。


そして、東京から駆けつけてくれた友達仲間!!

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展覧会が始まってからも。。。いろんな人がぞくぞくと。。。

何かと、長い事、私をサポートしてくれてる特殊映画評論家の柳下さん!!

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柳下さんは着用しているものも、いつも特殊! うーん、これも、意味不明。苦笑


右は高校3年生からの友人が、岐阜より

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飯島くんのご両親!!

お母様は魔女の研究者!私の汚れの首輪のケーキを食べてるところ。笑

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そして、しばらく会ってなかった友達や仲間!!

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そして、当時やってたリメイクのブランド5569のファンの人までも!

私が描いた、昔の手描きTシャツ!

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これは感動しました。まったくお会いした事なかった方だったので、ほんとに嬉しかったです!!



ただ。。。。開催中に、、、、

イヤな人もきた。苦笑

まったく知らない女性がはいってきて、もう見るからに、私が大嫌い、ぷんぷん、、、って感じでありました。

神聖な美術館で、何ふざけてるんだ?と言わんばかり。。。。


今となっては、細かいやりとりは覚えていませんが、彼女が喋った内容は、

こんな事してなんの意味があるのか? 

あなたは、何者?  

いったい仕事はしてるの? というような事でした。


わお! すごい人がきたわい。。。。。。


いきなりその場の空気が張り詰めました。


なーんか「仕事は何してるの?」という質問が、日本らしいなあ、と思いました。

働かない者は、アートやるべからず?的、風潮。。。自分も日本人なので、この辺はわからなくもないですが。

どちらにしても、これに関しては経済的にも自立していたので、この時点ではナンのくもりもない!

仕事は古着のリメイクで、生計を立てています。

と、バシっと答える事ができた。

そして、彼女がつっこんできた「これはなんなの?」という白襟の作品群に関しては、、、、、

ああいえば、こういう風に、自分でもわかったようなわからないような事(苦笑)を、ペラペラしゃべりまくった。

大量生産されたホワイトカラーの白シャツは、それだけで、現代社会の生産と消費のシンボルであり、またその襟についた汚れのシミは人間の肉体労働の証であり、身体的には循環の過程で出現するオーガニックな図像であるが、資本主義社会ではそれは商品になり得ない。それをこの作品で具現化してみた、、、などと。

と、立派に論破した!!

(と、思う)


私はこう見えても、素人さん向けの理論武装はしてるのであった。

、、、、、玄人向けはできてないけど。汗


しかし、彼女はまったくそんな事には興味がなく、聞く耳持ってない感じで、相変わらず、私を睨んでおりました。

そこで。

突然、古典落語の幇間(太鼓持ち)のキャラを思い出したのだった。

自分を見下してくる人には、逆に相手を褒めるのがいい。

即座に、私はお調子者になりかわり、彼女に逆に「何をなさっているのですか?」と心にもないニコニコ顔で尋ねてみたら、


やはり。。。。彼女もアーティストだったのですよ!


そして、彼女の事に話題をうつして、いろいろ尋ね出したら、ムードが変化して、ご自分の作品を見せてくれました。かなりテイストが違うタイプであったが、ともかく、歯が浮くぐらいベタ褒めしておいた。

そしたら、それが功を奏して、最終的には友好的に大変機嫌よくなられて、おひきとりになった〜。笑

ふ〜っと、胸を撫で下ろしました。

太鼓持ちキャラ、使えるわー!


アメリカだと芳名帳に悪口を書いたり、後で雑誌などに散々書かれる事はありますが、直接、本人の目の前で、失礼な事をいう人はほとんどいないので、初めての経験であった。


いやはや、いろいろな事がありますねー。

これはこれで印象的な出来事になりました。


さて、こうして、一ヶ月のレジデンスと展覧会は無事に終わり、飯島くん、有難う!ほんとにお世話になりました。

これが縁で、アダルトの二人とは仲良しになって、この後、彼らが住むデトロイトに行ったり、音楽のプロジェクトに参加させてもらったりと、いろんな事に発展してゆくことになりました。


以上で、今回は終わりです。

この先、まだまだ続きますが、お付き合いくださいませ!!

読んでくださって有難うございました。

L*








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