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お寺で酒飲み!?「てらのみ」とは?──とまり木プロジェクト 油小路和貴 × Gns【後編】

お寺でお酒?
お坊さんはお酒を飲まないのでは?

そんなイメージがあるかと思います。お寺でお酒のイベントを行っていると聞いたらどんなものか興味がわくのではないでしょうか?

今回の対談相手である佛現寺副住職の油小路和貴さんは、Gnsとの出会いをきっかけに、お寺を地域の人の交流や集いの場所として開いていくという取り組みを行いました。それが「とまり木プロジェクト」です。

後編では、とまり木プロジェクトの看板イベント「てらのみ」について深掘りしながら、これから目指す「お寺の姿」をお聞きします!


前編はこちら



お寺のイベント「とまり木プロジェクト」とは?

──お寺 佛現寺とGnsが出会ったことで「とまり木プロジェクト」というイベントを企画運営するプロジェクトがスタートしたわけですが、実際にはどんなイベントを行っているんですか?

油小路:とまり木プロジェクトとは、佛現寺が多くの人のとまり木のような存在になることを目的として始めました。
具体的に行っているイベントは、

  • 日本酒会

  • AI勉強会

  • アトツギ交流会

などがあります。

──日本酒会。お寺でお酒ですか?

油小路:はい。「てらのみ」というとまり木プロジェクトの看板イベントです。毎月第4土曜日に行っています。

──どんなきっかけで始められたのですか?

油小路:お寺を地域の人の交流や集いの場として開いていくために、まずお寺に来る人たちに喜んでもらうことを考えました。

油小路 和貴(佛現寺 副住職)
お寺を実家としながらも、中高大はキリスト教の学校へ。その後、銀行へ就職。
ふとしたご縁で僧侶の道へ進み、実家の佛現寺を継承。企業・大学生・行政・地域と連携し、さまざまなご縁の渦を巻き起こすべく、寺院の新たな可能性と魅力を発信し続けている。
Instagram / 佛現寺HP

その時にたまたまお酒を飲んでいたことから、日本酒と仏教の教えを絡めて意義を伝えるイベントができると閃き、お寺でお酒の会を始めました。

──どんな方が参加されているんですか?

油小路:イベントによってさまざまな方が参加されています。「てらのみ」は、ご年配の方もいらっしゃっていますよ。

この前、旦那さんを亡くされたご年配の方から「佛現寺があったから、私の人生は今幸せ。」というお言葉をいただきました。以前は気持ちが沈んでいたそうですが、佛現寺に縁ができたことで、自分のやりたいことに挑戦ができ、友達を連れてお酒を飲める場所があってとても嬉しいと仰ってくれました。

これを聞いた時は、とまり木プロジェクトをスタートさせて本当によかったと思いましたね。

──その方は今どんな挑戦をされているのですか?

油小路:佛現寺にて親子でも通える茶道教室を月1回開催しています。茶道の精神を伝えることで、老若男女問わず、よりよく生きる手助けがしたいという理念で活動されてます。

僕たちが始めた「挑戦」が巡り巡って、お寺に来てくれた人の「挑戦」のきっかけとなりました。とても嬉しく思っています。

最近は、よく来てくれる常連さんからも「佛現寺が近所にあって本当に良かった」「この地域がより好きになった」などの声も頂いています。僕たちはお寺を開く目的として、縁遠く敷居の高いイメージを「お寺とか仏教ってなんかいいよね」というフラットで前向きな印象にしたい想いがありました。常連さんたちの言葉から、イベントを通してその目的を果たしていると感じています。

──お寺に来てくれた方が自分でお寺の価値を感じられるようになったことはすごいことですよね。


お寺の在り方を再定義。ITの在り方も再定義!?

──とまり木プロジェクトでGnsさんが具体的にやられたことはなんですか?

渡邊:

渡邊 高行(株式会社Gns 代表取締役)
東京で創業し、2年前から京都に活動範囲を広げる。
主な事業内容はシステム・アプリ開発、Web制作、AI・DX支援など。
クライアントの次のステージへ、共に進む。

とまり木プロジェクトでGnsが行ったことは主に5つあります。

  1. あぶさんの想いを具体的にどんな形で実行するか考える

  2. 同じ目的を共有する仲間・協力者を見つける

  3. 広報活動

  4. インターンの募集

  5. さまざまなプロジェクトを管理するためのITツールの導入

僕は常々、ITは手段だと考えています。今回はまず、あぶさんのたどり着きたいステージ(お寺・仏教のイメージをフラットにする)を具体的にして、そこに必要な道筋を考えました。その結果、ITを使ったサポートだけではなく、幅広くオフラインのサポートもさせていただいています。

──ITツールの活用が少なくて意外に感じます。

渡邊:僕たちはIT企業なので、得意分野はインターネットや情報を使ったサポートです。ですが、1人ではやり切れない「試行錯誤」や「とにかくやってみる姿勢」によってプロジェクトが前進することもITと同じ価値だと思っています。今回、幅広いサポートをやらせていただいた背景にはそんな想いがありますね。あぶさんが描くゴールに必要だったので、オフラインでのサポートもさせていただきました。

──Gnsさんはお客様のたどり着きたい次のステージに共に行くために、ITにとどまらないサポートをしているんですね。


とまり木プロジェクト。Gnsとともに次のステージへ。

──当初の「お寺のイメージをフラットに」は佛現寺に来てくださった方の声を聞くと達成されたように思いますが、とまり木プロジェクトは次はどんなステージに行かれるのでしょうか?

油小路:そうですね。まず、今年目指す次のステージは「ビジネスとして成立させること」です。僕は、将来的にとまり木を全国に増やしていきたいと思っています。そのためには、今のプロジェクトを1つ1つ事業性を持って運営していくことが課題ですね。ビジネス坊主を意識してやっていきたいです。

渡邊:あぶさんが言っていた通りです。小さなお寺の価値をよりたくさんの人が感じられる場を作っていきたいですね。そのために、まずビジネスとして成り立たせること。お坊さんがビジネスをするのは、一般の人以上のハードルがあります。でも、それをやりたいと言ったあぶさんの挑戦をこれからも応援してサポートしていきます。

──油小路さん、最後にGnsさんはどんな会社か教えてください。

油小路:GnsさんはIT企業という単語だけではとても表現できないですね。サポートという言葉も飛び越えています。伴走支援と聞くと、共に並んで走ることをイメージすると思いますが、Gnsさんの場合は追い抜いてその先を走っていたりするんです。そこからこちらを振り返って見ていたり、はたまた息を切らしていたり。

会社というか人間です。

全部自分事として捉えていて、ITにとどまらず、サポートの域を飛び越えて、並んで走っていると思ったら抜いて先に行くくらいのエネルギーがある。会社というより人間1人1人とお付き合いさせていただいている感じです。

渡邊:嬉しいです。IT企業っぽくないIT企業と表現されることは多いですね。

ITはGnsの武器の1つ。ただ、それ以外にできることはどんどん増やしていきたいです。とまり木プロジェクトでやらせていただいたこと、その他のプロジェクトで関わらせていただいたこと全部を力や経験に落とし込んで、次にプラスで提供できるような会社でありたいです。

──Gnsさんは会社というよりも生きた人間としてお客様と関係を築いていく。佛現寺のとまり木プロジェクトもGnsさんのこれからも楽しみです。

今日はどうもありがとうございました。


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株式会社Gns ( https://gns-japan.com/ )
担当:渡邊 高行
電話:03-6822-3327(受付時間:平日9:00〜18:00)
メール:info@gns-japan.com
LINE:https://lin.ee/9Vuc0Xd


〈インタビュー〉仲田 匡志(株式会社SOU)
〈撮影〉黒木 康太
〈協力〉ピースホステル三条
〈ライティング〉神崎 千晶


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