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日本の雇用形態の変革期 〜 とうとう推薦採用枠が撤廃される時代へ突入 N164

 トヨタ自動車が大学からの研究室の推薦採用をやめることになった。これに続く会社は後をたたないことだと思う。

 ヤフーコメントの人たちの反応はネガティブで採用が大変になるだろうとコメントしている人たちがちらほらいる。入社の縛りがなくなるとトヨタが学生から必ずしも選ばれるわけではないと言う厳しいコメントも。  

 なぜトヨタ自動車が研究室の推薦採用を辞めたかと勝手に想像する限り、欲しくない専攻の研究室ばかりになってしまっていると言うことだろう。機械とか電子とか、昔は花形だったが、今はCASE対応でAIできる人材が欲しいから、その採用枠を開けるために推薦採用枠を自由応募にしたのではないかと。  

 自分の周りの理科系の人はやはり多くは就職活動なくゼミにあるパイの中で会社と仕事を選んでいる。多くは有名だからとか安定しているからとかお給料が良さそうとかでパイの中から選んでいる。いわゆる杉村太郎の「絶対内定」で自己分析なんかをやっていない(杉村さんと知り合う機会が15年くらい前にあって、ものすごくエネルギーのある人だった)。文系の人は良くも悪くも人生で初めてくらい自分の値うちと言うか評価を社会から受ける最初の関門で、それによって脱皮する人も多いんだと思う。  

 そうなると今後は理系の学生たちも就職活動をせざる得なくなる。自分の興味に流されて人生を生きていくことが許された人たちも社会を見て生きざるを得なくなる。日本人は未成熟なところやモラトリアムなところが多いと昔から指摘してきたが、ある意味この推薦採用をやめることで日本人も成熟することになるのかもしれない。  

 何より私がポジティブに評価をするのが大学内部のポリティクスが大きく変わることだ。有力企業の推薦枠を持っていることが教授の社内政治のカードとして使われていると察するが、それがなくなる。そして社会や市場の予測に応じた学科構成になっていくだろう。私の頃は大学にデジタルを教える学科はなかった。今はあるのかもしれないが、思い当たる大学学部学科はない。AIと言えば・・・と思いつかないのだ。  

 と言うことでこの撤廃が日本にパワーを与えるきっかけになることを楽しみにしたい。 

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