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メイドインジャパン(Made In Japan)を考える(4) 〜 狭い日本のマンションノウハウが活きる時 N84

 制約はチャンスとしばしば言われる。日本の少子高齢化はピンチでもあるがそのノウハウとそれを元に育てたビジネスはきっと国際競争力が生まれるだろうと言われ続けて10年以上が経つ。先進国の多くは(むしろ意外にもアジアの方が人口規模は多いが)日本と同じように少子高齢化社会に突入しつつある。日本と日本企業は外に売り出す何かはあるのだろうか? 

 日本の家の狭さは世界でも有名でラビットハウスとしばしば外国では揶揄されることがある。もちろん田舎に行けば外国並みに大きい家があるのだが。海外で日本のような小さい家あるいは部屋もパリだったりロンドンだったりにはある。Studioと呼んでワンルームマンションみたいなのがロンドンにはあった。しかしどちらかというとフラットシェアというのが一般的で大きな家やマンションに複数人がそれぞれの部屋に住む。たまに1部屋に2段ベッドが複数あってタコ部屋みたいなのもあるが・・・。最近は日本もこのフラットシェアが広まったのかシェアハウスみたいな使い方が広まってきたようだ。  

 しかしロンドンやパリを除くと案外Studioというかワンルームマンションという概念がない国/都市が多かったりする。もしかすると概念はあっても儲からないから建築しなかっただけかもしれない。しかしこのワンルームマンションをはじめとするお一人様用部屋だったりディンクス向けだったり、ホテルだったりが日本の建築ノウハウを使って建物を立てるようになってきた。具体的にはダイワハウスさんとかが頑張っていたりもするが、日本のデザイナーさんで設計から施工まで請け負ってやっている人もいるそうだ(シンガポールのあるホテルに泊まった時にそのホテルの部屋のデザイン経緯を伺った)。  

 特に都心部だが学生さんをはじめとする若い人が多く入れ替わりも多い中で住宅に対応する供給量もなく短期間で住宅環境を準備する必要があるそうで日本のノウハウが受けているそうだ。都心部の古くなったビル跡地を狭いながらも有効利用しようとしたり、歴史的な建築物を上手にリノベーションしながらもホテルとして商用利用しようとした時に日本人が登場するらしい。  

 これもホテルの人に聞いた話だが備え付けのクローゼットやチェスト作るノウハウだったり、シャワーや洗面台などの水回りの芸術的なフロア設計だったり、いろいろな制約条件を設計するノウハウがないらしい。基本的にはざっくりと部屋と部屋の仕切りを作って施錠だけ頑丈に作れば終わりらしい。あとはできた部屋に家具を買って入れて生活あるいはビジネスをはじめることになる。  

 ということで日本の知恵やノウハウは身近なところでも活かされているし、こんな些細なこと?で貢献できることがまだまだたくさんあるかもしれない。 

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