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インド人が世界の働き方を変えている。 N86

 最近インド人がいろいろなところで活躍するようになってきた。今、米国の大学でマーケティング(オンラインのExecutive Course)を勉強しているのだが、ここも先生はインド人だった。そしてインド人の活躍はITが土台になっていると個人的に確信しているのだが、そのマーケティングの授業の新しい方法論はやはりITが土台となっている。

 その先生の主張は一理あって、ITが土台となって働き方、この場合はマーケティングが変わっているので、その最新のアプローチを吸収すべきだということだ。その中で特に面白いと思ったのが、アジャイル型の組織論だ。

 アジャイルとはソフトウェア開発のアプローチで仕様変更があることを前提に臨機応変に開発を進めていくことに対して、ウォーターフォールとは仕様を完全に決めてから開発にかかるアプローチだ。  

 従来のマーケティングは仮説検証型でまず仮説を決めた上で検証を進めたのだが、そんなことをしたら何ヶ月も準備する期間が必要で仮説自体が古びて使えなくなってしまうでしょうということだ。だから場当たり的な形であれ現場に飛び込んでなんとなく方向性をつかんだら、そこから仮説検証をクイックにやってしまえばいいんだよと。  

 この話を聞いたときに日本のボトムアップのやり方って実はこのアジャイル型に近いのではないか?と感じた。良くも悪くも戦略(仮説)はないのだが、現場で動いた現場の知恵は天下一だ。  

 しかし米国の最新のアジャイル型のマーケティングは組織がフラットであることがベースとなっている。やはりITの力を使って特に金融危機以降に米国の会社は組織の階層をなくしてフラットにしてきた。マーケットのスピードが早くなってきたことに対応するためにもコミュニケーションの最適化とコストダウンを行ってきたのだ。その結果、無駄な報告や管理する間接的な仕事は以前よりかなり減っている。  

 これに関しては、日本はますます階層が増える一方で末端の社員が現場をウロウロ徘徊しているだけで意思決定をする役割の人との距離がかけ離れつつある会社が多いのではないだろうか。どうしてもトーテムポール型で社員にそれぞれ序列番号をつけたがる日本のメンバーシップ型の構造をやめない限りせっかくの現場主義という良い土壌を活かすことができないままだろう。 

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