⑧信用保証協会から小規模法人大家が不動産投資ローン・設備資金融資を引くポイント~事前必要文書作成編
こんにちは!新型コロナ以降の2020年以降からフルローンとオーバーローンを連発して徐々に規模を拡大している小規模法人大家の山崎です。そんな私の信用保証協会を使った『今時の小規模大家のローン対策』をご紹介しています。簡単にノウハウをまとめたサイト『小規模大家の信用保証協会活用法』というサイトも運営しています。
今回は、信用保証協会や銀行に行く前に事前に作成しておく文書について説明します。
小規模法人大家が新型コロナ以降の現在、収益不動産で融資を受けるのは非常にハードルが高くなっています。小規模法人大家は信用保証協会から融資を受けて物件を購入しないと、手持ち資金がどんどん減っていきます。
メガ大家さんやギガ大家さんと呼ばれる規模の大きな大家さんには財務諸表(BSとPL)という強い味方があります。また年収数千万円でかなりのキャッシュを持っている個人の方なら新設法人での新築不動産という手もあります。
しかし、資産の少ない小規模法人大家にいきなりプロパーで融資する金融機関は一番融資が出ると言われる大阪に行かないと簡単に融資を受けることはできません。
そこで、信用保証協会を使って地元の不動産賃貸業に融資してくれる金融機関(第2地銀や信金や信組)に設備資金を融資してもらう、というのが新型コロナ以降の小規模法人大家さんの不動産融資の王道です。
信用保証協会より政策金融公庫のほうが融資は受けやすいです。ただし一部の地域を除き、政策金融公庫の設備資金融資には3割の頭金が必要となり、どうしても成長スピードが遅くなります。そのスピードを早めるために、世の中の多くの中小企業が使う信用保証協会を使ってフルローンに近い資金調達をする!というのが信用保証協会の設備資金融資の活用方法です。
今回は、『事前に必要な文書を作成しておく!』というのがテーマです。個人で融資を受けるなら個人の説明をすれば良いだけで簡単です。
しかし、法人で融資を受けようというのであれば、それも小規模であればあるほど、業歴が短ければ短いほど、必要な文書を事前に作成して、信用保証協会と金融機関から、怪しくない法人だと理解してもらう必要があります。
私は下記の順番で金融機関へのアプローチを進めてきました。
①使いたい保証制度を決める
②信用保証協会に電話して法人案内の資料を送る
③資料を見てもらってから信用保証協会にアポを取る
④信用保証協会で打ち合わせ
⑤金融機関に電話して資料を送る
⑥資料を見てもらったタイミングで金融機関にアポを取る
⑦金融機関で打ち合わせ
いきなり飛び込みで行くのではなく、信用保証協会に後ろ盾になってもらってから、金融機関に電話して資料送って、資料を見てもらってからアポイントを取る、という方法を繰り返して金融機関開拓をしてきました。
①使いたい保証制度を決める・・・自分が使いたい保証制度を探してから、後述する『6つのPR文書』を作成します。いきなり信用保証協会に電話したりしては塩対応を受けるだけです。しっかり法人としての体裁を文書を使って整える必要があります。
②信用保証協会に電話して法人案内の資料を送る・・・この段階で『6つのPR文書』を最寄りの信用保証協会の出来るだけ上の地位の方に送ります。電話して上の方っぽい人が電話に出たタイミングで資料を送る話をします。そのために何度か信用保証協会に電話して上っぽい人を探してから資料を送ることをお勧めします。
③資料を見てもらってから信用保証協会にアポを取る・・・資料が届いて少し時間がたったタイミングで資料を送った人にアポイントを取ります。
④信用保証協会で打ち合わせ・・・信用保証協会に行って、あれこれ確認して、後ろ盾になってもらうOKを取り、帰宅してから『連絡先案内文書(信用保証協会の窓口の方の連絡先を記載した文書)』を作成します。この文書を作成して銀行員さんに渡さないと、銀行員さんは複雑な保証制度のことを聞く先がないのです。具体的にピンポイントで特殊な設備資金の保証制度を質問することが出来る信用保証協会の人と、銀行員さんをつなぐために『連絡先案内文書』を作成します。
⑤金融機関に電話して資料を送る・・・金融機関に電話して、信用保証協会と事前にどんな保証制度を使いたいか打ち合わせしてから電話している旨を説明して、『6つのPR文書』と『連絡先案内文書』を送る許可を取り、資料を銀行員さんに送ります。(運転資金でなく設備資金を使って一気に口座有り取引有りにする場合は『文書A』と『文書B』も合わせて、このタイミングで送ります。ココが大きなポイントです。『文書A』『文書B』は本来銀行員さんが作成して信用保証協会に提出する文書です。この2つの文書を大家が作成することで忙しい銀行員さんも審査を受けてくれやすくなりますし、審査のスピードが飛躍的に早くなります。)
⑥資料を見てもらったタイミングで金融機関にアポを取る・・・次に銀行員さんに資料を送り、資料を見てもらったタイミングでアポイントを取ります。
⑦金融機関で打ち合わせ・・・銀行員さんと具体的な保証制度の内容を説明し、信用保証協会の問い合わせ先の担当者さんの連絡先を説明しながら打ち合わせをします。
以上が新規で融資を受けるときの小規模法人大家の金融機関へのアプローチの流れです。
金融機関は文書になっているものを必ず確認します。私が事前に送った資料は例外なく、必ず事前に目を通しておいてくれたので、初めて会う時には先方はこっちのことを知っている状態で会うので、親身になって話を聞いてくれます。
それでは、次に作成する文書について説明します。
『6つのPR文書』これは下記の6点です。
(1)IR報告書、(2)会社案内、(3)不動産経歴書、(4)職務経歴書、(5)履歴書、(6)自己PRキメ文書
この6点です。自分の会社のこと、社長個人のことを徹底的に文書で金融機関にアピールします。
信用保証協会は地域の中小企業を資金的に支援するのが使命の法人です。全国の51の信用保証協会を統括する全国信用保証協会連合会のホームページには以下の表記があります。
『「信用保証協会」は、中小企業・小規模事業者の皆さまが金融機関から「事業資金」を調達する際に、保証人となって融資を受けやすくなるようサポートする公的機関です。』
https://www.zenshinhoren.or.jp/basic/
小規模法人大家が資金調達に困っていれば助けるのが信用保証協会の仕事です。但し、先方の言葉で会話しないと、6つの基本用語や自分が使いたい保証制度が分からない状態では、塩対応されるのでしっかり事前準備をしてください。
企業の代表として、代表取締役が信用保証協会に資金繰り支援の依頼に行くわけですから、そのつもりで文書の準備をしましょう。これらの作成した文書は政策金融公庫にも使えますし、後々金融機関開拓でずーっと使えます。1回作るだけなので頑張って作ってください。
(1)IR報告書・・・IR報告書は不動産賃貸業で上場している法人のものを参考に文書の立て付けを作り、後は自分の会社の業績を中心に作ります。前期の決算のレビューや今期の予測業績、今後の会社の方向性など、経営者が短期・中期で考えていることを記載します。何故、どんなエリアで、どんな物件を購入したいのか・・・そういうことでも良いです。
(2)会社案内・・・会社案内は、世間にたくさんある会社案内パンフレットのイメージを参考に作成します。会社の事業内容や会社の理念や経営者の考え方などを記載します。普通の会社で、会社案内が存在しない会社はありません。小規模不動産法人にも当然必要です。最低でもペラ1枚でも良いので作成しましょう。既に何期か決算を経ているなら、その決算情報や取得不動産の情報を記載すれば立派な会社案内が出来上がります。
(3)不動産経歴書・・・不動産経歴書は、自分がいままで取り組んできた不動産のことを記載します。これから1棟目であれば、どんな勉強をどういう理由でしてきた、どんな大家の会に入って、どんな人に教えてもらっていて、どんな不動産を買いたい、という結論に至ったかなど、勉強してきたこと、していることを詳しく、熱意たっぷりに書きます。既に収益不動産を持っている人は、そこから学んだことを書きます。
(4)職務経歴書・・・職務経歴書は、社会人として働いてきた経歴を記載します。社会人の経歴と不動産の接点を入れて、何故不動産賃貸業なのかを記載します。
(5)履歴書・・・履歴書は、金融機関に全てを見てもらうために社長個人の経歴を記載します。お金を借りたいと行くのですから、会うまでに事前に履歴書を送るなんて普通の常識です。高校から大学、社会人の経歴など普通の履歴書を作成します。運良く大学の先輩に当たってフォローしてもらえる可能性もあります。
(6)自己PRキメ文書・・・自己PRキメ文書は、金融機関の窓口の方に覚えてもらうために作成します。そして会いに行ったときに『面白い経歴ですねー!上司も会いたいと言っていてるので、上司も同席させますね!』
と言ってもらうために作り込みます。それまでに自分で作った本や論文、取ってきた賞など、様々な視点から金融機関に覚えてもらい、評価される珍しいものを作ります。私の自己PR作成文書はかなり強力で、支店長さんが、よく登場されます、笑。そんな強力な自己PR文書を作ってください。
これらが、信用保証協会や金融機関にあうまでに、事前に作っておくべき『6つのPR文書』です。頑張って作って、怪しい不動産業だと思われないように、信用を少しでも上げましょう。
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『信用保証協会から小規模法人大家が不動産投資ローン・設備資金融資を引くポイントシリーズ』下記より確認ください。
note①~概要解説編
note②~政策金融公庫との違い編
note③~法人属性編
note④~物件融資目線の確認編
note⑤~金融機関開拓編
note⑥~攻略方法6ステップ編
note⑦~塩対応の壁と理由編
note⑧~事前必要文書作成編
note⑨~レベル別ガイド編(銀行の塩対応の理由と対策)
有料note①~基本知識編:信用保証協会活用の基礎講座
また、パワーポイント140枚使った私の「信用保証協会攻略セミナー」はこちらから確認ください。
【作者プロフィール】からご確認ください。なお公開しにくい情報やこだわった情報は誰からでも見られる状態を避けて有料にしています。
【基本知識】また信用保証協会の基本知識を『小規模大家の信用保証協会活用法』で体系立てて説明しています。合わせてご確認ください。
【注意点】信用保証協会は仕組みが同じでも運用は51の各信用保証協会で異なることがあります。保証制度もバラバラです。自分が融資を受けたい信用保証協会や自治体に問い合わせてください。理解度が低いと塩対応を受けるので要注意です!
小規模大家の信用保証協会活用法(失敗しない不動産投資) 管理人
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