⑨信用保証協会から小規模法人大家が不動産投資ローン・設備資金融資を引くポイント~初めての信用保証協会融資レベル別ガイド編
こんちには!新型コロナ以降の2020年以降からフルローンとオーバーローンを連発して徐々に規模を拡大しいてる小規模法人大家の山崎です。そんな私の信用保証協会を使った『今時の小規模大家のローン対策』をご紹介しています。
簡単にノウハウをまとめたサイト『小規模大家の信用保証協会活用法』というサイトも運営しています。
今回は、信用保証協会の融資の難易度のレベルについて説明します。
信用保証協会の融資には色々あります。融資の種類によって難易度が異なる!とも言い換えることができます。
『信用保証協会付きの融資の相談を金融機関にしてもなかなか話を受けてくれない。』という話を結構聞きます。それは自分の法人のレベルに適した組み合わせ(スキーム)でお願いしていない、という背景があります。今回はその解説です。
信用保証協会の融資にも色々なパターンがあります。いきなり難易度が高い組み合わせ(スキーム)で申し込まず、難易度が低いスキームで申し込めば融資は通りやすくなります。
法人の与信力がまだ低い場合、難易度が低い組み合わせの保証制度を上手に使って、まずは金融機関と新規口座を開設して、その次に大きな物件を買って行くというイメージです。
さて、金融機関に新規融資を依頼するときに電話をすると、『口座は有りますか?取引は有りますか?』と聞かれることが多いですよね。
なぜ銀行員さんが、そう聞くかというと法人口座を開けるには法人審査の壁があり、取引(お金を借りる)をするには与信審査の壁があるからです。
口座も取引も有るとうい状態であれば、既存顧客(金利を毎月払ってくれる顧客)となり、口座無し取引無しの状態よりも新規の融資に手間がかからず、銀行員さんも話がしやすいのです。
そのため、不動産融資に積極的な金融機関を事前に調べて、『口座有り取引有り』の状態にしてからある程度の規模の物件を当てると、審査をしてもらいやすいです。(ガンガンプロパー融資を出す金融機関が多い大阪は例外です。)
私は、そうやって『口座有り取引有り』の状態を作って金融機関の開拓をしてから1棟モノを当てるということを繰り返しました。
不動産融資に積極的というと知り合いの大家さんに聞く、ということになりますが、『不動産賃貸業の設備資金融資の実績が多い金融機関』を「ざっくりしたイメージで、、、」と聞けば、信用保証協会がだいたい教えてくれます。
その金融機関を狙って、口座有り取引有りの状態にしていく、というイメージです。金融機関の担当者さん視点で融資をしやすい組み合わせで口座を開けてからその次に一棟ものを持ち込むという方法です。
その銀行員さんが融資をしやすい、という組み合わせをレベル別に7段階にして、説明をします。(下記の資料は私のセミナーの128枚目で使っている資料です。)
レベル❶初心者『口座無取引無し×運転資金×責任共有対象外』
レベル❷初心者『口座無し取引無し×運転資金×責任共有』
レベル❸初級『口座有り取引有り×設備資金×責任共有対象外』
レベル❹中級『口座無し取引無し×設備資金×責任共有対象外』
レベル❺中級『口座有り取引有り×設備資金×責任共有』
レベル❻上級『口座無し取引無し×設備資金×責任共有』
レベル❼上級『口座無し取引無し×設備資金×責任共有×協調融資』
ひとつずつ説明していきますが、レベル❶から順番に融資を受けやすい組み合わせ(スキーム)となっています。
いきなりレベルの高い組み合わせで金融機関にアプローチするのではなく、銀行員さんが融資をしやすい組み合わせ(スキーム)で申し込むことが『口座有り取引有り』を作る近道です。
法人の財務内容が良くない場合や、新設法人で資本金が少ない場合に、いきなり高いレベルから挑戦しても、うまくいかないので、銀行員さんが融資をしやすいレベルから挑戦をしてみてください。
口座も取引もないなら、まずは口座有り・取引有りの状態にしてから、一棟モノを持ち込むと融資を検討してもらいやすくなります。
レベル❶初心者『口座無取引無し×運転資金×責任共有対象外』
設立したばかりの法人はまずこのスキームで口座有り取引有りにするのが一番簡単です。金融機関は責任共有対象外(いわゆる10割保証)なので実質ノーリスクとなりますし、設備資金のように資料をたくさん作る手間もないので、融資を受けやすいです。私はこのスキームでメガバンク2行と取引を開始しました。そんな特殊な運転資金×責任共有対象外の保証制度の探し方は別途説明します。
レベル❷初心者『口座無し取引無し×運転資金×責任共有』
このスキームも設立してまもない法人でも比較的簡単に使うことができます。但し、不動産賃貸業は運転資金の融資を受けにくいです。リフォーム資金で申し込むか、何か理由を考える必要があります。金融機関は責任共有となるので2割のリスクがあるため融資を断られることもあります。
レベル❸初級『口座有り取引有り×設備資金×責任共有対象外』
このスキームは既に取引のある金融機関に設備資金を申し込む場合に使える一番融資をしてもらいやすいスキームです。口座有り取引有りの状態でなおかつ責任共有対象外(いわゆる10割保証)で収益不動産に融資をするのですから金融機関はノーリスクなのでとても融資がしやすいです。私がメガバンクから融資を受けたのもこのスキームです。このスキームを使ったからメガバンクから融資を受けられたと思っています。またどの銀行でも話を聞いてもらいやすいです。キモは保証制度探しですね。
ここまでが金融機関が融資を特にしやすい組み合わせです。次から少しレベルが上がり中級レベルとなります。
レベル❹中級『口座無し取引無し×設備資金×責任共有対象外』
私はこのスキームで区分マンションのオーナーチェンジ(小額)を使って口座有り取引き有りにした金融機関が2つあります。区分のオーナーチェンジに対しては満室だから高評価をする金融機関と空室リスクが高いと低評価をする金融機関があります。高評価してくれる金融機関にはこの方法で小額から提案すると取り組んでもらいやすいです。
責任協会対象外なので金融機関としては取り組みやすいですが、設備資金融資は金融機関が信用保証協会に提出書類が多いため、その作業を嫌がる銀行員さんは多いです。
そのため銀行員さんが信用保証協会に提出する書類ABを事前に作ってから融資相談にいくと喜んで受け付けてくれる場合が結構あります。(書類ABの作成方法は別途説明します。)
レベル❺中級『口座有り取引有り×設備資金×責任共有』
既に口座有り取引有りの金融機関に、設備資金として不動産を持ち込むオーソドックスな方法です。この組み合わせがほとんどんの場合の基本パターンです。新設法人で資本金が少ない場合は、口座有り取引有りの状態にしてから、次のステップとして使うパターンがこれです。
レベル❻上級『口座無し取引無し×設備資金×責任共有』
このスキームは初めての信用保証協会融資で使うには結構難易度が高いです。しかしほとんどの大家さんが無理してここから信用保証協会を使おうとします。いきなりこんな高いレベルから新規取引をスタートするのは実は難易度が高いです。特に資本金が少ない新設法人や、自己資本比率が低い法人はNGを出されやすいです。
私は信金はここからスタートしましたが、地銀や不動産に積極的でない金融機関からはNGを出されやすいので要注意です。既に法人の実態が何期かあり、自己資本比率も30%以上あって利益を安定的に計上してる不動産賃貸業なら問題無いと思いますが、新設法人でいきなりここから、、、というのは断られることも多くなると思います。
融資後の数字で自己資本比率20%以上となる規模の物件にしておかないと、そもそも相手にしてもらえないです。まずはレベル❶❷❸❹辺りをぶつけないと銀行員さんも取り組みにくいです。
レベル❼上級『口座無し取引無し×設備資金×責任共有×協調融資』
一定の規模の大家さんが直面するケースです。協調融資とはプロパー融資と信用保証協会融資の組み合わせです。例えば5000万円融資を信用保証協会に申し込んで、信用保証協会が『2500万円融資するので残り半分はプロパー融資をしてください。協調して融資をします。』と金融機関に回答するケースです。これを「協調融資」といいます。私はこの回答が出て2回金融機関から断られた経験があります。金融機関にとって協調融資とはプロパー融資と同じ扱いになるのでNGとなる場合が多いです。
協調融資という結果は、不動産賃貸業として総資産2億円くらいになってくると、いいかげんにプロパー融資を使いなさい!と大家さんと金融機関に信用保証協会がメッセージを出してくる結果です。
私は現在は金融機関に、『協調融資という結果が出る可能性があるが受けてくれますか?』と最初に確認して、YESの金融機関から信用保証協会に仮審査を出してもらっています。
こんな感じで、信用保証協会から融資を受けるにも、金融機関の視点で、申し込みを受けやすいスキームと受けにくいスキームがある、という話を説明しました。
金融機関に信用保証融資に申し込んで、断られたことがある方は、なぜ断られてしまったのか、いきなり高いレベルから取り組もうと無理をしていないか、確認してください。
そして、自分の法人がまだ業歴が浅かったり、財務内容が良くない場合はレベルが低いところからアプローチして、口座有り取引有りの状態にしてから設備資金(新規物件購入)にトライしてください。
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note①~概要解説編
note②~政策金融公庫との違い編
note③~法人属性編
note④~物件融資目線の確認編
note⑤~金融機関開拓編
note⑥~攻略方法6ステップ編
note⑦~塩対応の壁と理由編
note⑧~事前必要文書作成編
note⑨~レベル別ガイド編(銀行の塩対応の理由と対策)
有料note①~基本知識編:信用保証協会活用の基礎講座
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【注意点】信用保証協会は仕組みが同じでも運用は51の各信用保証協会で異なることがあります。保証制度もバラバラです。自分が融資を受けたい信用保証協会や自治体に問い合わせてください。理解度が低いと塩対応を受けるので要注意です!
株式会社グローバルセールス 代表取締役
小規模大家の信用保証協会活用法(失敗しない不動産投資) 管理人
山崎次郎
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