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GP会報2021〜

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在外ジャーナリスト協会所属ジャーナリストたちが、様々なメディアに寄稿した記事を転載したマガジン 2021年度以前は、GPサイトから! https://www.global-pr…
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#中国

斎藤淳子:激変する若者の価値観 現代中国のシン・子育て事情

斎藤淳子:激変する若者の価値観 現代中国のシン・子育て事情

「人が多すぎる」と言い続けてきた中国に突然、急激な少子化の波が押し寄せる。中国の若者たちはなぜ、子どもから遠ざかっているのか?

近年、中国の出生人口は日本の数倍のスピードで激減を続け、2022年は956万人と総人口は前年比で85万人の減少となった。中国はついに長期的な人口減少時代に入った可能性が高い。 国連のデータによれば、、全国の合計特殊出生率は21年に1・16まで激減し、既に日本(1.30)

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斎藤淳子:結婚談義談議で炎上?――激変する中国の結婚

斎藤淳子:結婚談義談議で炎上?――激変する中国の結婚

▼激変する中国の結婚シーン
比類なき中国独自のスピードを意味することばに「中国速度」があるが、驚異的変化は中国の結婚シーンでも見られる。

2021年の結婚率(人口千対)は2013年の9.9からたった8年で一気に5.4に激減した。平均初婚年齢もたった10年で約4歳増し、晩婚化が進んでいる。一方で、離婚率(人口千対)に至っては近年最も高かった2019年は3.4と日本(1.57、2020年)の2倍以上

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斎藤淳子:北京ゼロコロナレポート:72時間以内PCR常態化

斎藤淳子:北京ゼロコロナレポート:72時間以内PCR常態化

日本ではビザなし観光の門戸も開かれ、世界的にもコロナ対策は緩和の一途だが、中国は今もってゼロコロナを堅持している。北京市内の新規感染者数は多くても十数人で、長い間1桁台で推移してきた。感染の心配がないのは有り難いが、そのためのコストは大きい。中でも、陰性結果不保持者の排除を前提としたPCR検査の常態化は「中国の特色ある」コロナ対策だ。過去半年に急速に導入された同システムについて北京からレポートする

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 斎藤淳子:中国で「柚子」君の人気が止まらない!

斎藤淳子:中国で「柚子」君の人気が止まらない!

「柚子(ゆず)」君とは、ご存知、フィギアスケートの羽生結弦選手のこと。音とイメージから漢字 を当てはめる中国特有のやり方だが、この命名はなんとも絶妙な感じだ。

北京オリンピック村に送られた「柚子」君へのファンレターは2万通。中国語SNSのウェイボ― (Weibo)のフォロワー数は約260万人に上る。

冬季オリンピック開催中、知人のオフィスでは、つけっ放しのテレビ中継に柚子君が出た途端に人だ か

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斎藤淳子:多すぎる中国の「宿題」、親にプレッシャー  政府も対応乗り出す【世界から】

斎藤淳子:多すぎる中国の「宿題」、親にプレッシャー  政府も対応乗り出す【世界から】



北京市内のカフェで子どもに宿題をさせる母親=斎藤淳子撮影

子どもの宿題を手伝う。これはどこの国でもあることだろう。しかし、いつまで手伝うかについては国ごとに違う。奈良教育大の調査は、日本では小学4年以降、親の関与が少なくなるとする。一方、中国では小学生はもちろん、中学生の宿題も親が監督・補助することがごく普通になっている。親と子どもが文字通り、二人三脚で日々の宿題に向かい合っているのだ。

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斎藤 淳子:なぜ愛し合うのは難しくなったの?中国の恋愛受難時代

斎藤 淳子:なぜ愛し合うのは難しくなったの?中国の恋愛受難時代



急速に変化する中国社会では、若い男女は「愛し合いにくさ」を感じ始めている。背景には日本とも共通する若者の「草食(=佛系)化」傾向と同時に現代中国独自の矛盾が見えてきた。写真提供/Maggie Wu

近年、中国の若者たちは「男女が愛し合うのがますます難しくなっているのはなぜか?」(雑誌『人物』記事)と自問している。中国の2019年の結婚率は6年連続で下がっており、離婚率(人口千対)に至っては3

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