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glao_t
2023年12月6日 06:34
コンビニで買い物をして、帰ろうと思ったら、雨が降ってる。 あー、傘忘れた。 このままぬれて帰るのは嫌だなあ。 そう思ってたら、傘立てに、いくつものビニール傘が立ててあるのを見つけた。 やった。 おれは適当なビニール傘をとって、それをさして家に帰る。 盗んだことの罪悪感はなかった。 だって、ビニール傘なんて、どれも同じようなもんだし、どうせ安いし、盗られた人も、また買えばいいでし
2023年12月1日 06:06
おれが箱を持った老人を見つけたのは、早朝の散歩道だった。 薄暗く、人気のない散歩道で、ふと、海辺に目をやると、そこに人影があり、普段は誰もいない時間帯だったから、不思議に思い、近づいてみると、その人影は老人で、手には箱を持っていて、なんだかぼんやりとした表情だった。 おれが近づいても、おれが見えてるのか、見えてないのか、わからなかった。 白髪で、古びた着物みたいなのを着ていて、なんとなく男
2023年11月9日 19:15
学校が終わり、さあ下校だ、という時に、雨が降っていて、私は傘を忘れていることに気づき、下駄箱の前で立ち止まってしまう。 他の子たちは、なんか普通に傘を持ってきてるみたいで、または、忘れても、友達同士で相合い傘したり、男子なんかは、濡れてもいいやって感じで雨の中を突っ走ってて、それがうらやましいけど、私にはそうできない、特別な理由があった。 特別な理由とは、スマホだった。 誕生日プレゼントで
2023年7月16日 16:39
「ねえ」 「うん?」 「オシッコのアイドルって知ってる?」 「え?」 「だから、オシッコ」 「え、推しの子?」 「違う。オシッコ」 「オシッコ?」 「オシッコのアイドルがいるんだって」 「なにそれ」 「ね」 「ねって、あんたが言ったんでしょ」 「うん」 「いや、うんじゃなくて……」 「あ、説明?」 「説明っていうか、あんたが急にオシッコのアイドルとか言ったんでしょ、
2023年7月14日 19:13
麻薬で捕まった漫画家のことで、友達と軽く口論になる。 軽くね。 そんなに激しくないやつ。 私はその漫画家の作品を読んでて、どうやったらこんな話が書けるのか、こんな奇抜な絵が描けるのか、いつも不思議で、それが面白くて、ファンだったのだけど、実は麻薬なんかをやってたことがわかって、私は心底、ガッカリだったのだ。 だって、麻薬って、ズルじゃんね。 麻薬なんかの力を借りて、面白い漫画を描くなん
2023年7月2日 12:56
「小澤ってさ、女子のグラビアとか見るの?」 と、女子に変な質問をされる。 その女子とは、関谷松子。 同じクラスの女子。 大してかわいいって程でもないけど、それがどうでも良くなるくらい、性格キモくて、なんか、本人としては、中学生男子のことをわかってるつもりであるらしく、よく男子に変な質問をして、それにのってきた男子と、バカな話をして盛り上がっている。 そんな感じの子。 僕は距離を置きた
2022年3月29日 17:15
「ひどい話だな」 俺は言った。 「それじゃ、なにもできないじゃないか」 「そうだ。警察も役に立たないし、俺たちはただ眺めることしかできないよ」 そういって、知野はパソコンの画面を見つめる。 画面には、一人の女の子が映っている。 女の子は閉じこめられている。どこかはわからない。緑色のペンライトが顔を照らす。それ以外は暗くて見えない。 パソコンにその映像が映されている。 こうして見る