60歳までにやっておけばよかったこと
めおとへんろのすすめ ~夫(わたし)のへんろエッセイ~
2012年3月12日(私が46歳の頃ですが)日経新聞に「60歳までにやっておけばよかったこと」という特集記事が掲載されていました。お金・健康・人間関係という3つのテーマで、60歳以上の500人に、これまでの経験から「やっておくべきだったこと」と「やっておいてよかったこと」を聞いた結果がランキングで表わされていました。
「やっておくべきだったこと」
「やっておいてよかったこと」
一昔前の話で、古びた考え方の部分もありますが、節制を元にした老後資金の備えや、心身の健康の維持、身近な人との関係を大切にする、など、今も変わらず(ということは、おそらく今後も変わらず)重要な要素が含まれています。
人生の半分を過ぎた40代後半に、60歳に向けて、これらの要素(お金・健康・人間関係)を満たす方法を考えた時、「夫婦で日頃からウォーキングを趣味にし、その延長線上で旅もする。」ということが、合理的で経済的で一石〇鳥的な選択肢となるのではないかと、当時の私が明確に意識したかどうかは忘れてしまいましたが、なんとなくそういう印象を持ったことは確かだと思います。
そして、この記事の約一年後、夫婦で歩き遍路を始めたのは、単なる偶然というよりは、そういう「無意識の判断」が下敷きにあったからなのかもしれません。
ともあれ、なんとなく始めた、歩き遍路。しかしながら始めて見ると、やめられなくなる中毒性があり、四国2周、九州全県踏破、スペイン巡礼路遠征と、とどまるところを知らなくなり、今に至っています。
夫婦での歩き遍路の魅力は、沢山あって一言では言い尽くせないのですが、効能として一つ言えるのは、いわゆる4つの幸せホルモンすべての分泌を促す要素を含んでいる、ということがあります。
ウォーキングやジョギングなどの効能として
①精神を安定 不安・ストレスを和らげるセロトニン
(一定のリズムでの運動が効果的)
②高揚感・満足感・幸福感を高めるエンドルフィン
(30分以上継続することが効果的)
③達成感・爽快感 集中力を引き出すドパミン
(がんばった、という体験が効果的)
が分泌されるのに加え…
夫婦やカップル、あるいは仲の良い友達同士などと一緒に歩いたり
道中で地域の方々から温かな声や親切なお接待を受けたり
海・山・森林・川・大平原などの大自然に抱かれたり、
寺院などの静謐な空気に触れたりすることで、
④愛情を形成したり、心に安らぎをもたらすオキシトシンが分泌されます。
ミドルエイジクライシス、という言葉があります。仕事・家庭・介護・老後などの心配やストレスにさらされながら、一方で、自身の後半生の生き方を創りあげて行かねばならない、そういう年代に訪れる危機です。
この危機を乗り切っていくためにも、めおとへんろ(独身の方は、親しいお友だちや兄弟姉妹などとのへんろ)が大きな役割を果たしてくれるものと感じています。
そういう私も、60歳まであと2年半。果たしてその時を、どんな感慨を持って迎えられるのか。めおとへんろを始められた皆さんとご一緒に、答え合わせができればと思います。
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