マイベスト3書籍。2位は『君たちはどう生きるか』。1位は・・・?
好きな本ってなに?
「好きな本ってなに?」
と知り合いに聞けるようになったら、結構仲良くなったなと感じます。
娯楽が溢れている今の時代、わざわざ本を手に取って、ゆっくり文字を読む必要がある人なんて少ないと思います。
もちろん就活のために、SPIの攻略本だったり、面接のノウハウ本だったりを読む人はいますが、小説や古典を読む必要性は・・・正直ほとんどないと言ってもいいと思います。
「何で本なんて読む必要があるの?」と聞かれれば、「人生を豊かにするためよ」くらいは答えられますが、「別に他の方法でもよくない?」と更に聞かれれば、「う、、、そうかもね・・・」とそれ以上論理的に返せる答えは見当たりません。
だからこそ「好きな本ってなに?」と聞けるという事は、この人も本を読む人なんだと分かってからじゃないと(それくらい仲良くなってからじゃないと)出てこない質問なのです。
そんなわけで今回は、勝手に私のベスト3書籍を書いていこうと思います。
ここに記録しておくことで、後で見返したときに「あー、こういうの当時は沢山読んでいたんだ」と懐かしく思う事も楽しみにして。
1位:ノルウェイの森
こういうランキングみたいなものって、徐々に上げていくものなのかな?と一瞬考えたのですが、どうも結論から書かないと気持ちが悪い性格なので、1位から書いていこうと思います。
私が生まれる随分前、1987年に書かれた小説なのにも関わらず、今読んでも共感できる箇所の最も多い小説です。
文庫では10回以上、電子書籍では20回以上、英語のペーパーバック版では1回読んだくらい好きな小説です。
あらすじ・登場人物については、他の方の説明に譲りますが、どうも私は主人公(ワタナベくん)に似ている所があるようです。だから、かなりの部分で共感できるのだと思っています。
もっと色々と共感部分があるのですが、大学生の私が最もリアルタイムで共感するのは、こちらの部分。
私にも友だちはいるし、彼氏くんもいるけど、ふと大学のキャンパスで周りを見ると、キラキラ・キャピキャピしている人達が見えて、羨ましく思う時があるのです。
大学1年のときは、「あ、ヤバいな。私も、あの輪の中に入らなくちゃ」と焦っていたのですが、時間が経つと「自分は自分だし、いっか」と自分で納得できるようになりました。
焦りに駆られる度にノルウェイの森を読んで、「私だけじゃないんだな。しかも大昔の1987年の時も感じていた人がいるんだな」と安心感を得るのです。
たぶん、これからも歳を重ねるにつれて、共感を感じる部分やノルウェイの森に助けを求める部分は変わっていくのでしょうが、一生付き合う小説なんだろうなぁと感じています。
2位:君たちはどう生きるか
数年前に大ブームになった「君たちはどう生きるか」ですが、(自慢ではないけれど)私はそれ以前から本書を知っていて、中身を読んでいました。
「なぜ知ったのか?」は覚えていないのですが、おそらく違う本で紹介されていて知ったんだと思います。
「君たちはどう生きるか」は書かれたのが戦前で、ノルウェイの森よりも更に大昔の本ですが、ノルウェイの森同様に現代でも心に刺さる内容が書かれています。
私が好きな箇所は(引用が出来ず読んだことが無い人には「?」かもしれないのですが)主人公のコペルくんの母親が、風邪を引いたコペルくんに自分の過去を語り掛けるシーンです。
自分が(母親が)小さい頃に、長い階段のある神社を通りかかった時、おばあさんが大きな荷物を背負って階段を登っていました。それを見た幼い母親が、「手伝いましょうか?」の一言が言えず、ずっとおばあさんの後をゆっくりしたペースで階段を登るしか出来なかったというエピソードです。
母親が「あの時、なんで声を掛けなかったんだろう。とずっと後悔していて、今でも昨日のように思い出す」というシーンは、私にも言い出せずに・行動できずに後悔したことが何度もあるので、心に刺さる場面でした。
人って、こういう後悔する思い出を昨日のように思い出すんだなぁとしみじみと感じました。
ノルウェイの森ほどではないですが、一冊の本を通じて自分が共感する部分が多いこともあって2位にランクインです。
3位:徒然草
兼好法師が1330年くらいに書いたとされる随筆(エッセイ)。人生に関する哲学がみっちりと詰まっている点が大好きです。
「古典は原文のまま読むのが一番!」という意見は理解できるのですが、私は楽して現代語訳で読むようにしています(挫折せずに読破するのが大切だと思うので)。
徒然草は1330年に出版されていることもあって、版権がなくインターネット上で無料で読むことが出来ます。私は岩波文庫を購入してしまいましたが、インターネットの現代語訳を読むのも良いと思います。
私が一番好きなのは、188段。「やりたい事があるなら、直ぐにやらないと歳取っちゃうよ」という内容のものです。
現在発行されているビジネス本にも書いてありそうな内容が、1330年に刊行されている「徒然草」に書いてあるのは、なんだか面白いものです。
188段の文章の中で「世間の人は誰でもこんなものだ」と書いてあるのが私は好きで、「あー、人間ってこうも何も変わってないんだな(良い意味でも悪い意味でも)」と感じました。
「あの時代に生まれていれば、もっと上手にやれたのに!」「今の時代は昔と比較して大変・・・」と思ったり、言われたりする事がありますが、結局どの時代に生まれても色々と大変なことも、楽しいことも同じくらいであるんだろうな~と1330年の本が語り掛けてくれます。
約700年前の時代とコミュニケーション取れるって素敵だと思いませんか?
これからも古い本を読んでいきたい
「ノルウェイの森」の中に「30年という時の洗礼を受けていない本を読むなんて時間の無駄だ」というセリフが出てきます。
要は、「30年過ぎ去っても読まれる本は、少なくともまともな本であるはずだ」という意味で村上春樹は書いたのでしょう。
「ノルウェイの森」は1987年なので、30年の時の洗礼を受けている訳で、やはり残っているだけの内容だなと感じます。
日本では1年で約70,000冊も!出版されるらしいので、30年も経てば210万冊も出版されることになる訳です。
限られた時間・限られた人生ですので、私はこれからも出来る限り古い本を読んでいきたいなと思います。
おしまい。
#わたしの本棚
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