宮沢賢治、詩と歌の絵本「銀河ノコモリウタ」

もう一度、星や精霊の声が聴きたくて。 宮沢賢治生誕125周年 SOUND&A…

宮沢賢治、詩と歌の絵本「銀河ノコモリウタ」

もう一度、星や精霊の声が聴きたくて。 宮沢賢治生誕125周年 SOUND&ART BOOK "聴くとひらく耳" 銀河ノコモリウタ 音という、ことば。 ことばという、音。 詩人、音楽家、美術家の皆さんとつくる、 おとなとこどものための未来への"音の絵本" 制作プロジェクト。

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  • 宮沢賢治〜銀河ノコモリウタ

    2021年にはじまった音の絵本制作プロジェクト。 宮沢賢治朗読音楽会を軸に、作品制作をしています。 「ことばとおと」に詩人管啓次郎さん、翻訳家柴田元幸さん、朗読リレーには全国各地からさまざまな人々が参加。 「うたとことば」では古い子守歌や世界の民謡をフューチャーしながら、鳥の声や水音をフィールドレコーディング。 ブックは美術家安野谷昌穂さんの絵でつむぎます。 2022年秋リリース予定。

最近の記事

「真空溶媒」声の星座 朗読リレーの旅

総勢56人による宮沢賢治「真空溶媒」朗読リレーがようやくファイナルを迎えました。 今年2月の寒風の中、多摩川の土手で詩人管啓次郎さん、翻訳家の柴田元幸さん、歌手小島ケイタニーラブさんの声の収録からはじまり、神奈川、静岡、岩手、兵庫、大阪、奈良、鳥取、島根、岡山、広島、富山など日本全国13都道府県をめぐり色んな職業や年齢の方々の「声」を現場でフィールドレコーディングしながら旅した日々でした。 ようやく56人におよぶ人びとの声がつながる。 それぞれの人からあずかった「声」は

    • 音楽チームレコーディング終了!

      新月。 先日のレコーディングから 6月13日の記録です。 今年は日本全国飛び回ることが多く目まぐるしい日々ですが、こちらもしっかり進行中。 「どんぐりと山猫」 こちらでほぼ全体の大まかなレコーディングは終了しました。 いちばん大切にしたかったものがたりの朗読のパートは、実は春に六甲山の山の中でたくさんの鳥たちと共にフィールドレコーディングしたものです。 その気配に合わせて皆さんには楽器をのせていただきました。 言葉がはじまると聴こえてくる「音」があり、 それがどこからや

      • 「声の星座」#7

        「声の星座」朗読リレー #24 鈴木潤二さん/美容師 銀河ノコモリウタ「真空溶媒」フィールドレコーディング 本を選びに、ちょっとおしゃべりをしに、物を預けに、ワイン片手に飲みに。この場所をきっかけに知り合った人がたくさんあり、一緒に音楽を楽しんだり、この場所から生まれた歌も。人と人をつなぐ芦屋川駅前の美容師さん。 ピアノが弾けるようになりたいと、店の片隅にピアノが置かれるようになりました。調律されていない小さなピアノは音が外れていることがとても愛おしくて、店のものがたりの

        • 「声の星座」#6

          「声の星座」朗読リレー #20 巽好幸さん/マグマ学者 銀河ノコモリウタ「真空溶媒」フィールドレコーディング 日本におけるマグマ学第一人者の巽さん。 太陽系唯一の水惑星地球の中でも、最も地震と火山が集中している自然災害大国日本の足もとを見つめながら、大地の成り立ちと、避けることのできない変動、そこに暮らす人々の営みについて研究を続けておられます。 「はるかに湛える花紺青の地面」のくだりを読んでいただこうとお願いしたら、それなら六甲山の最東、甲山で録りましょうということで

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        • 宮沢賢治〜銀河ノコモリウタ
          39本

        記事

          「声の星座」#5 山陰編

          岩手からひらりと飛んで山陰へ。 こちらでは「アザリア」を共に編じた河本緑石にゆかりの人に出会いました。予想していなかった出会いだったので音の奇跡と神秘に驚愕した旅。 3月22日 春分の日に大山で開催した「声と植物から知覚をひらく、大山春分の日を歌う」出会った人々の声から。 「声の星座」朗読リレー #18 瀧山雅人さん、中村佳世さん/コーヒー焙煎士、カフェ店主 銀河ノコモリウタ「真空溶媒」フィールドレコーディング 鳥取県南部町の古民家で、コーヒーの焙煎とカフェを営んでお

          「声の星座」#4岩手編

          岩手へつないだ「声の星座」朗読リレー。 「声の星座」朗読リレー #14 宮澤香帆さん/小学校教諭 銀河ノコモリウタ「真空溶媒」フィールドレコーディング 「林風舎」で宮沢賢治グッズの販売に携わってこられましたが、この春から念願だった盛岡の小学校教諭として赴任が決まったそうです。香帆さんは宮沢賢治さんの曾姪孫(戦火の中、原稿を守られた弟の清六さんのひ孫)。 賢治さんに最も近い音の周波数をレイヤーする事ができ、声を収録した瞬間鳥肌が立ちました。どこか面影のある佇まいを感じさせま

          活動報告とお知らせ

          立夏を過ぎ、山々や樹々はさらに青さを増していますが皆さまいかがお過ごしですか? 岩手、鳥取から戻って以来、引き続き「うたとことば」ディスクのレコーディングが続いています。それと並行して「ことばとおと」ディスクの朗読レコーディングも本格的に始まっています。 こちらでかねてよりお知らせしていました朗読リレー「真空溶媒」に参加してくださる方を訪ねてあちこち飛び回る日々を送っていますが、ご参加くださっている方々についてのストーリーも、活動報告と、note「銀河ノコモリウタ」の方に

          岩手〜取材とフィールドレコーディングの旅 盛岡編

          盛岡の旅は、岩手山を臨む小岩井農場から。 3月の中旬といえども東北はまだ雪が降る日も多く、この日も朝から雪混じりの時雨でした。雪深い東北は3月末まで冬季休業している場所も多く、こちらも観光農場は閉鎖中でしたが、おかげでしんとした雪の中をゆっくり散策することができました。 鳥たちの鳴き声が春を呼んでくるように、 森の中で耳をすましていると雨があがり雲が流れて美しく雄大な岩手山が姿を見せてくれました。 じっくり身体を研ぎ澄ませて、小岩井農場の音を収録。 ここでは賢治さんの

          岩手〜取材とフィールドレコーディングの旅 盛岡編

          岩手〜鳥取へ取材とフィールドレコーディングの旅 花巻編

          2022年3月15〜18日岩手県、3月20日〜22日鳥取県の日程で取材とフィールドレコーディングの旅に出かけました。 3月の早春の音を集めにまずは岩手県へ。 行きのフライトでは上弦の月を見ながら眼下に木曽山脈の白と青の美しさに息を呑み。 永らく憧れだった場所、岩手は花巻から出発です。早起きしてイギリス海岸まで歩いて歩いて、はじめての土地ではとにかく歩きまわることにしています。土地の声と音が聞きたくて。 イギリス海岸は青白い凝灰質の泥岩が続く、かつての海だった場所。今で

          岩手〜鳥取へ取材とフィールドレコーディングの旅 花巻編

          パーカッションレコーディングレポ

          「銀河ノコモリウタ」レコーディングレポ#1 2022年3月15日 パーカッションのパートを中心に、クラウドファンディングで朗読参加に手をあげてくださったみなさんとのレコーディング。 まずは渡辺 亮さん。もう、素晴らしい音の数々。 イメージを伝えると、みるみる音に変換されてゆく。 宇宙の中のどこなのか、その気配 銀河、惑星、星々のうた 降り立つ地球の大気圏、夜の空 樹々、山、水音、粒子 精霊、神々、人の匂い 自分の中で見えている、見えない世界を 人とかたちづくる歓びが爆発し

          パーカッションレコーディングレポ

          宮沢賢治朗読音楽会「森ト人ト精霊ト」映像公開

          2020年に開催した宮沢賢治朗読音楽会 「森ト人ト精霊ト」公開しました。 「水仙月の四日」 「狼森と笊森、盗森」 ちょっと他ではあまり聞けないかもしれない 知る人ぞ知る2作品です。 「水仙月の四日」 星の知らせで大雪が降る日に子どもが雪にのまれるお話ですが、雪童子(ゆきわらす)という雪の精霊と雪狼(ゆきおいの)が遊びで投げたある一本の木の枝を拾ったことで、目に見えない守護を受けることになる、というものがたり。 白と灰色ばかりの吹雪、 街の景色と夜明けの色彩との対比が夢の

          宮沢賢治朗読音楽会「森ト人ト精霊ト」映像公開

          「声の星座」#3

          「声の星座」朗読リレー #7 辺口芳典さん/詩人、いちえちゃん/6歳 銀河ノコモリウタ「真空溶媒」フィールドレコーディング 町工場が立ち並ぶ大阪市此花区で詩作をされています。 対話の一部分を親子で読んでほしい、というわたしのオーダーに、いちえちゃんが頑張って読む練習をしてきてくれました。商店街の中の自宅兼ギャラリーにて収録。 「声の星座」朗読リレー #8 #9 片岡秀晁、片岡美津代/父母 土地と共に生きてきた水の道=血脈の周波数の記録として父母の声をレイヤーしました。

          「声の星座」#2

          わたしが住まう街のさまざまな人々へと声を繋ぐ。 「声の星座」朗読リレー #4 中原誠さん/家具職人 銀河ノコモリウタ「真空溶媒」フィールドレコーディング 兵庫県西宮市で家具製作している中原誠さん。 2階に本があると思います、と宮沢賢治の詩集を持って降りて来てくださいました。彼の祖母が目が見えない方々へのボランティアで朗読をされていたそうです。 「声の星座」朗読リレー #5 ミシマショージさん/パン職人 兵庫県西宮市でパン屋を営んでいるアミンさん。 まだ店舗がなく、

          チェロパートのレコーディング

          「銀河ノコモリウタ」記録 チェロパートのレコーディング。 ふわりとやってきた旋律と、 自分の脳内で鳴りわたるその旋律以外の音を 現実化してゆく事の面白さと、難しさに向き合う2ヶ月でした。 図形や線や映像のようなものとして見えてくるのは多分「音」というエネルギーの波で、 方向性を示す特定の音の瞬間には必ず寄り添いたいと願っている要素(多分それは自然界における元素や精霊的な)があり、 そういったものは理屈を超えてくるので、それらと丁寧に対話するような多層多次元の旅でした。

          「声の星座」朗読リレー

          人と人がつくる「声の星座」朗読リレー。 銀河ノコモリウタ「真空溶媒」レコーディングがはじまりました。 旅先で出会った人びとの声を集めています。 スタートは管啓次郎さん、柴田元幸さん、小島ケイタニーラブさんから。 それに続いて旅は神奈川へ。 20年ほど精神科で植物療法に携わって来ておられた 神奈川県茅ヶ崎市の花療法家吉田 地子さんへとリレーを繋ぐ。 そして静岡へ。 伊豆半島の山間に実験的なセルフビルドの小屋を建て建築の新しい可能性を探っている静岡県熱海市のKoji A

          東京朗読フィールドレコーディング

          制作中の音の絵本「銀河ノコモリウタ」 朗読フィールドレコーディング。 東京都大田区多摩川六郷土手 2022年2月17日 詩を寄せてくださった管啓次郎さん、小島ケイタニーラブさん、ディケンズの翻訳抜粋から柴田元幸さん。 それぞれのことばを朗読いただき「声」を記録しました。 瞬間を紡ぐ生活の音のディメンションの中に 肉声が息づく。 渡り鳥の群れ、遠くに工場地帯をのぞむ葦の原、六郷土手〜漁船が停泊する水門〜雑色駅商店街〜路地裏 子どもが走り抜けたり、鳩の溜まり場があったり、遠

          東京朗読フィールドレコーディング