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「真空溶媒」声の星座 朗読リレーの旅

総勢56人による宮沢賢治「真空溶媒」朗読リレーがようやくファイナルを迎えました。

今年2月の寒風の中、多摩川の土手で詩人管啓次郎さん、翻訳家の柴田元幸さん、歌手小島ケイタニーラブさんの声の収録からはじまり、神奈川、静岡、岩手、兵庫、大阪、奈良、鳥取、島根、岡山、広島、富山など日本全国13都道府県をめぐり色んな職業や年齢の方々の「声」を現場でフィールドレコーディングしながら旅した日々でした。

ようやく56人におよぶ人びとの声がつながる。

それぞれの人からあずかった「声」はやはりまるで星のよう。

朗読ファイナルは、この本の編集を手伝ってくれている編集者の岡澤浩太郎さんの声を録りに長野県まで。

古い友人だった彼がスタジオボイス編集を経て、宮沢賢治を通して再会することになるなんて夢にも思わなかった。彼も同じように土の上に立ち、丁寧にひとりで本を作っていた。同じものを見てきたのであろう彼の声を最後に入れたかった。

岡澤浩太郎さんによる「農民芸術概論」を通して本屋で再会、
右は制作中のラフ本。


出会った56人のものがたりは語り尽くせない。
それぞれの出会いが驚くべき奇跡に満ちていました。

写し取った生命の断片。
編集も大詰め、
「声」が銀河に星座を描く。

子どもの頃に聴こえた夢が、
また再び聴こえ始めている気がしています。
ことばや声の
かたちを超えて解き放たれるように。

リリースまで、あともう少しです。

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