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鼻で笑うのやめよ?ーナナメの夕暮れ(若林正恭著)を読んで

2024年6月もあっという間に明日で最終営業日。皆さまお仕事お疲れ様です。私は3月頃から重荷に感じていた業務にそろそろ終わりが見えてきたため、少しホッとしてます。。

6月のど真ん中の休日、友人と別れた後、表参道のスタバで本を読み終え、その足で渋谷の大盛堂書店に向かう。書棚を眺めている内にエッセイが読みたい気分になり、オードリーの若林さんの本を手に取ってみました。


あらすじ

恥ずかしくてスタバで「グランデ」を頼めない。ゴルフに興じるおっさんはクソだ!ー世の中を常に”ナナメ”に見てきた若者にも、四十を前にしてついに変化が。体力の衰えを自覚し、没頭できる趣味や気の合う仲間との出会いを経て、いかにして世界を肯定できるようになったか。「人見知り芸人」の集大成エッセイ。

感想

この本を読むまで、若林さんってもっと、捻くれている人だと思っていたけど、普通に熱いものが好きな人なんだと知った。思春期辺りから物事に対して冷笑・揶揄する姿勢を多少なりとも持つようになると思うのですが、30代半ばからこの姿勢を卒業しないといけないと思い始めたそうで、その理由が少し刺さる。

冷笑が強い時代だし(それはどの時代もそうかもしれないけど)、熱さは冷笑主義者の標的になりやすい。そして、自分だってそういった側面を持っている。冷笑主義者が、なぜ冷笑し続けるかというと自分が冷笑されることに怯えているからだ。冷笑は竜宮城だ。温度の高いものに、外野から冷や水をかけ続けて自分では何もしない。そして、ふと気づいた時には白髪だらけが成れの果てだ。

昔から言っているのだが、他人の目を気にする人は”おとなしくて奥手な人”などでは絶対にない。心の中で他人をバカにしまっくている、正真正銘のクソ野郎なのである。

誰かに”みっともない”と思われることが、怖くて仕方がないのである。そうなると自分の好きなことも、他人の目が気になっておもいきって楽しむことができなくなってしまう。それが行き着く先は「あれ?生きてて全然楽しくない」である。他人への否定的な視線は、時間差で必ず自分に返ってきて、人生の楽しみを奪う。

こんな様子で冷笑主義者の成れの果てについて書かれている。「うわー!私にもこのふしある!」って思うし、この見方を今知れて良かったなと思う。

「揶揄の傾向がある」「内向的人間だ」と思う人は、エッセイの中の”ナナメの殺し方”だけでも読むと、ハッとすると思う。若林さん流の世界の肯定の仕方を学べる。またこの心をなくしそうになったら、読み返すようにしたい。

その他のエッセイにも若林さんの考えすぎてしまう性格から生まれるお話が沢山書かれていて、おもしろい。他人が日常で何を感じているのか知れる。また気になるエッセイあったら読んでみよっと。

自分を愛そう!は綺麗事じゃない!改めて大事なことだね!

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