見出し画像

#71【これから学校の先生になるあなたへ】『タオル』授業実践

本記事を一言でまとめると、
「若手の先生よ、『タオル』の授業実践を公開します!」
です。


教職9年目、職場では中堅と言われますが、まだまだ若手の気持ちでいたい《たまちゃん》です😄

【これから先生になるあなたへ】では、教育実習生や若手の先生に向けて、お伝えできることをまとめていきたいと考えています。

『タオル』

教科書教材として扱われている『タオル』は重松清さんの作品です。
重松清さんの作品は多数映像化されていますが、今年は『とんび』が映画化されています。

私は初任の頃、先輩の先生に「この本は読みなさい。」と『せんせい』の文庫本をいただきました。
短編集『せんせい』の中の「にんじん」という話を読んで、生徒との付き合い方を考えさせられた記憶があります。

さて、『タオル』は、祖父の死という大きな悲しみを少年が少しずつ受け入れていく話です。

祖父がいつも身に付けていたタオルが、祖父の死や祖父の思いを象徴していると読むことができます。

(導入)

では、実際の授業の流れはどのような感じかをまとめていきます。

「今日から新しい単元に入りますが、その前に前回の『虹の足』を覚えていますか?」

「幸せについて書いてある詩です。」

「では、作者が幸せを感じたのはどのような体験からですか?」

「バスの中から虹を見たからです。」

「幸せのような形のないものを連想させるために虹を使う表現の事を、象徴と言います。例えば、鳩は平和の象徴と言われます。」

このように、前の単元で学習した『虹の足』を復習しながら「象徴」について考えさせます。
『タオル』では、作中の「タオル」が何を表している(象徴している)かを考えさせたいので、導入で「象徴」についてイメージさせます。
ちなみに、「象徴」とは、主に抽象的なものを表すのに役立つ、それと関係が深いまたはそれを連想させやすい、具体的なものを意味します。

「象徴についてもわかったところで、本単元は『タオル』で学習します。題名にもなっている「タオル」がどんなことを象徴しているか考えながら読んでみてください。」

本文を通読させ、初発のイメージとして「タオルが象徴しているもの」は何かを考えて書かせます。

「初発のイメージとして、「タオルが象徴しているもの」は何かを書いてもらいましたが、最終的には、自分が考える「タオルが象徴しているもの」を、本文を引用しながら説明してもらいます。」

(展開)

「ここからは、「タオル」がどんなことを象徴しているかを考えていきます。そのための手掛かりとして、登場人物の描写についてチェックしてみましょう。」

「登場人物の何をチェックすれば良いんですか?」

「登場人物のセリフや行動、様子について書かれている表現をチェックしましょう。初めに自分で考えた「タオルが象徴しているもの」について、本文を引用しながら説明できるように準備します。」

個人で考える(本文から抜き出す)と、まわりのグループで意見交流する時間をそれぞれ30分~1時間ほど確保します。
自分の考えと違う人がいても、「タオル」についての描写のストックが多くなるので、交流するのがおすすめです。

「「タオル」に関連する本文の描写を抜き出せましたか?まわりの人と意見交流して、「タオル」に関連する描写を増やしていきましょう。」

(まとめ)

「最後に、初めに考えた「タオルが象徴しいるもの」について、なぜそう思ったのかを本文を引用しながら説明する文章を書きます。」

「どれくらい書けばいいですか?」

「文章の長さに指定はないですが、
 ・根拠となる本文の引用がある
 ・自分の考えが明確に書いてある
 この2つに注意して書いてください。」

単元の終末では、自分が初めに考えた「タオルが象徴しているもの」についての説明を文章にまとめさせます。

例)「タオルが象徴しているもの=祖父からのバトン」(理由は、祖父がいつもつけていたタオルを少年が頭につける描写があったから。)


アドバイス(まとめ)

本記事を一言でまとめると、
「若手の先生よ、『タオル』の授業実践を公開します!」
です。

『タオル』は少年の気持ちの変化を読み取れる物語文ですが、少年の気持ちの変化を読み取りながら、「象徴」という新しい言葉についても考える機会が作れる単元だと思います。


いつも記事を読んでくださりありがとうございます。
「面白い」「わかる」と思ってくださった方はぜひ「♡(スキ)」を押してください(ログインしなくてもできます)。
またコメントやフォローしていただけたら、記事も読ませていただきに行きます!

これからも毎日投稿を続けていきますので、どうぞよろしくお願いします。

この記事が参加している募集

業界あるある

探究学習がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?