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レクサプロ・デパス・ブロチゾラム 【呼吸が乱れて、汗が止まらなくなったら その⑥】

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前回までは
精神科の待合室で浮かぶ、脳内映像を生き抜いて! 2016 【呼吸が乱れて、汗が止まらなくなったら その⑤】

1話目
・陸上部1997~1998.⑴ 【呼吸が乱れて、汗が止まらなくなったら その①】

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・長編note 内にまとめてあります。


前回までのあらすじ

中学時代に社会不安障害を発病?したまま放置。
15年後、岡山に住んでいた俺を元カノが精神科へ連れて行ってくれるが、元カノはそのまま去っていく。

大阪の実家へ戻り、新しい病院として辿りついた先で人生は蠢いていく...


イケメン男子学生


問診前のマークシートを終えたことを受付に伝え待っていた。
すると、小さな密室(建物内のプレハブ部屋?)に通され、どう見ても学生の男性との問診が始まった。

「このあと先生に診てもらいますが、その前に聞き取りをして、症状をまとめさせてください。15分ほどで終わりますからね」

なるほど、新規の患者もたくさん来るからスムーズに受け付けられるよう分担にしてるのか。
精神科に特化した病院の初診対応に納得していた。

ここで急にスイッチが入り、楽しくなってきて超ハイテンションで過去の話をしていた。

今までの人生は他人に話してもらって、他人の話を聞いてきた。

俺は自己開示ができない。相性がいいのかマニュアル通りで癖がないのか、イケメン男子学生自己開示しやすい男性だった。

言葉がスルスルと出てくる。

この人が先生であってくれよ~。と期待するほど話しやすかった。

爽やかでイケメンで清潔感もあった。愛してる。殴ってくれ。
この日二度目になる告白をし終えた俺は部屋の外で待っててくださいと言われ、再び永遠の上に座って大人しく待った。

わたしの主治医

しばし待つと、再び小さな部屋に通された。
さっきまでいなかった40~50代ほどの細い男性がいた。

細長い通路に当てはめたい。当てはめたいと言いたい。という考えが渦巻くのを必死に抑えていた。

過去の流れをさらったまとめ情報を手元で見ながら、同じような質問をしてきた。
人が良さそうで穏やかな口調の精神科医だった。

お互いの感情が揺れないという印象。
さっきの若い男性ではこっちの感情をも揺らしてしまっていた。それではうまく診察は進まないのかもな...と、自分なりに分析しながら診察を受けていた。

「岡山でついた社会不安障害の症状が確かに見れますね。しばらく様子見ながら改めて見ていきたいです。わたしが主治医でどうでしょう?木曜日に通えますか?自分の気持ちで決めていいですからね」

直感では俺に合っていないと思ったが、小さな部屋で断り方もわからず。

「はい。木曜日に来ます。次回どうすれば...」

そう答えて、この病院へ通うことになった。



「直前に総合病院にも行かれてますが、薬はどれくらい余ってますか?」

「じゃあ薬の残りも考えて1週間後の木曜日にしましょう。今日は薬ださないでおきますね。11時あたりに予約入れれますので、木曜日来てくださいね。お待ちしてます」

そう言って、少し微笑み去っていった。

俺はこの頃、男性が怖くて苦手だった。
男性の俺が女医さんがいいと言うのはいけない気がして、話を聞いてくれた若い男子学生、いま話した精神科医にも悪い気がして言い出せなかった。

帰りしな、受付の人に精算、院内処方、院内薬局、ATMの場所、次回からの受付機械の使い方を教えてもらった。

外に出ると、自転車の停めた場所が変わっていた。
警備員が見ていた。

それでも病院へ着いた時よりは何も思わなかったな。1つやり遂げて清々しい気持ちだったのかもしれない。

しかし、
その気持ちは持続せず。


それから納得のいかない、苦悩する日々が続く。

通院1度目

10時30分。病院へ。
自転車もちゃんと停め、難解なシステムの受付機器を済ますが、新たな謎が不安を与えてきた。

受付あたりを見渡しても、入口近くの大型モニターを見ても、それらが何を意味しているのかがわからなかった。

俺はどの診察室へいって、何分待つのか。

受付に尋ねると、今度は細長い通路を少し進んだイスに座っていてとの指示。
モニターの見方を説明されたが、何度来ても、今でもよくわからないままだ...。

予約していた11時を過ぎても、呼ばれる気配はない。
人は多いし、このイス周辺には狂気が集まりすぎている。

不安が募る。

汗だ。


汗だくで吐きそうだ。
2016年1~2月の冬なのに

あの頃みたいだ。
陸上部を辞めて汗だくになりやすくなった冬のよう。

怖い。狭い。近い。暑い。
いつかもわからない。どの診察室かもわからない。

耳につけたイヤホンのボリュームを下げた。どんどん下げて消した。

呼吸音を自分で聞かないと、息ができない。
イヤホンを外すと悪意が耳に入る。

イヤホンをつけて音楽を聞いてるフリ。
平気ですよ。汗かいてませんよ。呼吸ちゃんと正常にできてますよアピール。

もうダメだった。帰りたかった。
自分の診察カードを手のひらで強く握りしめた瞬間

「画伯さん。どうぞ」


名前が呼ばれた。

えぇ!どの診察室!?
1~9番あたりまであるぞ。

一か八かでは扉を開けられない。

慌てながらも慌ててませんよ?感で立ち尽くしていると、7番が開いて看護師さんが呼び込んでくれた。

大型モニターの仕組みはわからないが、呼ばれたら7番の診察室に主治医がいることがわかった。

診察は

5~10分しか話せないらしく、現在の体調だけを話した

「うーん。やっぱり社会不安障害が強いですね。じゃあこういうことは...」

今思えば、他の病気や障害を疑ってくれていたのかもしれない。
でもこの時の俺は、発達障害の検査、外に出れるようにしてほしいしか頭に無かった。

"こういうとき大事なのは、自分が一番最低な状況を思い出して話すこと"

前に自分で思った気持ちをすでに忘れていた。
他の症状とか無いから、発達障害の検査してくれ!とばかり懇願していた。

自分のすべての原因は発達障害だと思っていたから。

どうしても発達障害の検査に納得いかない様子の主治医は妥協案なのか、初回は絶対なのか忘れたが、CTスキャン撮ってから考えましょう!

とうまく交わしていた。

そして先生は最後に

「ちなみに岡山のどこ住んでました?あっ近いですね。わたしも岡山出身なんですよ。これも縁ですね」

そう言って初回は終わった。

CTスキャンの結果も診断名も変わらないまま、
ずっと"レクサプロ、デパス、ブロチゾラム"

3種類の薬も変わらず。診察は回数を重ねていく。


どうしよう...
どうすれば...


判断は正しかったのかな...


次回

10ヶ月の中で躁鬱の気配が強まっていく。変わらない診断。受けられない発達検査。すぐやめたバイト。すぐ終わったバンドメンバー集め。このままじゃ俺は死んで終わる...しかし出会いは不思議な人生を彩らせる...


呼吸が乱れて、汗が止まらなくなったら その⑦に


つづく

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それじゃ次のリハビリでお会いしましょう。


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