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音楽とわたし

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音楽エッセイ(的な何か)。 ひと組のアーティストを取り上げ、そのアーティスト自身や楽曲について、わたしの音楽体験と合わせてご紹介しています。
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2020年10月の記事一覧

たりないふたりの大逆転劇から学んだ、ヒップホップと挑戦する生き様

たりないふたりの大逆転劇から学んだ、ヒップホップと挑戦する生き様

「ヒップホップ」もしくは「ラップ」という音楽ジャンルに、みなさんはどういうイメージをお持ちでしょうか。

やってる人がチャラそう? いかつくて怖い? みんなクスリやってそう?
もしくは、立派な大学を出た頭の良い人しかできないもの?

わたしもそう思っていました。
周りの友達よりもいろいろなジャンルの音楽を聴いてきた自信があったし、ちょっと前から「アメリカのビルボードチャートは、今ほとんどラップミュ

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クリープハイプを聴くとどうしてこんなにしんどくなるの?

クリープハイプを聴くとどうしてこんなにしんどくなるの?

時々、どうしようもなくやりきれなくて、泣きたくて仕方なくなることはありますか。

歳を取ると涙もろくなる、と言います。わたしもそのせいなのか、確かに数年前よりも涙を流してしまうことが増えました。人に投げつけたりできない行き場のない気持ちがいっぱいに溜まったとき、それが溢れる手段が「泣く」ということばかりになってしまって、またその回数もちょっとずつ多くなっているように思うのです。

いい歳なので人前

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わたしが思うに、例えばあれはナンバーガールの衝撃

わたしが思うに、例えばあれはナンバーガールの衝撃

人は、これまで得てきた知識のどこにも当てはまらないものを見たとき、それをどう表現する生き物なのでしょうか。

これまで、わたしの人生において色々な「きっかけ」となってくれたアーティストを1組ずつ、エッセイとしてnoteに書いてきました。思っていた以上に「わたしの人生、大体音楽で語れてしまうんだな」ということがわかってきて、わたしの人生における音楽の存在の大きさに改めて気づいたし、当時の自分の思いを

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世界一仲が悪い兄弟へ、愛と感謝と期待をこめて

世界一仲が悪い兄弟へ、愛と感謝と期待をこめて

1962年10月5日、The Beatlesが「Love Me Do」でデビューしてから、もう58年が経ちます。そこからThe Rolling Stones、The Whoなどイギリス出身のロックバンドが次々とブレイクして〈ブリティッシュ・インヴェイジョン〉という言葉が生まれるまでになり、まさにイギリスはロックミュージックの中心地となりました。その後もLed Zeppelin、Queen、Pink

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「渋谷系の王子様」と、あの日のオリーブ少女に思いをはせて

「渋谷系の王子様」と、あの日のオリーブ少女に思いをはせて

90年代。日本でいちばんCDが売れ、音楽業界に活気があった時代。
現在でもよく用いられる「J-POP」という表現は1988年にラジオ局・J-WAVEがつくったとされていることを踏まえると、この時代はちょうど、日本独自の「ポップミュージック」が成熟した時期といえるのかもしれません。

そんな記念すべき時代の音楽シーンを彩ったひとつに、「渋谷系」と呼ばれるジャンルがあります。90年代の「サブカルチャー

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Mr.Childrenが紡ぐ5分間の物語に、不登校時代をそっと支えてもらっていた話

Mr.Childrenが紡ぐ5分間の物語に、不登校時代をそっと支えてもらっていた話

「歌は3分間のドラマ」と、どこかで聞いたことがあります。
聞いたのは小学校低学年の頃。2000年代にテレビを賑わせていたJ-POPというと、1曲5分程度の長さがほとんどです。当時のわたしは「いや、3分って1曲分でも足りなくない?」と疑問に感じ、それがずっと頭の片隅に引っかかっていました。

わたしの両親は、わたしに自分たちが聴く音楽を聴かせる人たちではなかったので、幼い頃に聴いたポップスといえばテ

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12年ぶりに再会したmihimaru GTは、出会ったときとはまた違う魅力にあふれていた

12年ぶりに再会したmihimaru GTは、出会ったときとはまた違う魅力にあふれていた

いま、わたしの手元には約400枚のCDがあります。
世間一般の24歳がどれくらいCDを持っているものなのかはよくわかりませんが、この話をすると大体珍しがられるので「結構多い方なんやな〜」と思っています。

国内のロック、ポップスがほとんどで、次にアニメ、洋楽ロック、映画のサウンドトラックが少し。
大きなCDラックを置くスペースがないため仕方なく箱に詰めて保管しており、管理のためにNumbersでリ

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