kana

趣味も特技もない、ただの新社会人になりました。

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可愛くなれないことを責めないで

  いつからだろう、自分がそんなに可愛くない方だっていうのを自覚するようになったのは。小さい頃は可愛いねって言われて育ってきたし、きっとそのことに疑問も抱いていなかった。でもいつの間にか自分がそうでないことに気づかされて、「勘違いブス」にならないよう、自分のことをかわいいなんて思ってないですよ、という振る舞いを強いられるようになる。  自分の顔に対するコンプレックスが酷くなったのは大学一年生のときだった。大学生ってちょっと、残酷だと思う。キラキラしたサークルには大体抽選とい

    • ないものねだりばかり

      小学生の頃、お姉ちゃんがいる友達が羨ましかった。 お姉ちゃんがいる子は流行りに詳しくて、学校の先生にも気に入られている、そしてお姉ちゃんの人生を後追いして要領よく生きているように見えた。私はというと要領は悪いし、忘れ物も多くて、どちらかというと先生からどちらかというと目をつけられている生徒だった。 小学校3年生のときの担任が苦手だった。可愛らしい女性の先生で、消しゴムハンコ作りを得意としていた。その先生は素直で頭が良くてピアノも弾けるような、いわゆる優等生を贔屓するタイプで

      • やりたかったこと

        居酒屋で飲んだ後にムーンウォークに行って安いカクテルを飲みすぎちゃうこと ストロング缶とたばこを持って友達と街を彷徨って、結局公園に行き着くこと 終電逃してそのままカラオケまねきねこ行ってオケオールしちゃうこと 二日酔いの怠い体を引きずって大学で授業を受けること 空きコマで図書館で突っ伏して爆睡すること そのままめんどくさくなって授業を切っちゃうこと サークルに行って、アフターでラーメン屋に行くこと あんまり褒められたことじゃないものばっかりだけど、学生でいられ

        • 江ノ島と猫

           2年前の夏、江ノ島に行った。まだ海開きはしていなくて、でも十分にジリジリと焦げ付くような暑さが夏を実感させた。  「どこか行きたい場所ない?」と聞かれて咄嗟に江ノ島、と答えた。どうして江ノ島と答えたのかは覚えていない。家から無理なく行ける距離だし、お金もかからないし、夏だし。多分そんな理由だったのだろう。  江ノ島は猫の島。島猫と呼ばれる猫がたくさん生息しているから、そう呼ばれているらしい。島を歩く中でも、路地裏で猫を見かけた。江ノ島で、島の人からごはんをもらって、のん

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        可愛くなれないことを責めないで

          よるの家出

           最近、毎晩よるに外を歩いている。  大体18時くらいに家を出て、遅くとも22時までには帰ってくる。さんぽにしては少し長いかもしれない。行く場所は毎回バラバラで、交通機関を使わないこととご飯を食べないことがルール。でも本当に疲れて歩けなくなっちゃったら怖いから、沿線を歩くことが多い。ただ歩くだけの日もあるし、パソコンを持って出かけてベンチで作業する日もある。ラジオで野球中継を聞く日もある。神社とかお寺を目指して歩くことが多いかも。  話は変わるけど、私は親不孝者で、母親が

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          すきなもの

           すきなものをすきって堂々と言える人が羨ましい。オタクに寛容じゃないって昔はよく言われていたけれど、最近は非オタクに対しての方が不寛容なんじゃない?と思ってしまう。これは私のいる環境の問題なのかもしれないけど。  私だってすきなものがないわけではない。そしてそれが言えないようなものでもない。小説、野球観戦、お酒、深夜ラジオ、アイドル、日本語ラップ、グラフィックデザイン、トランペット、こんな感じに文章を書くこと。最近一番ハマっているのは野球観戦で、ベイスターズを応援している。

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          煙草

           二十歳になってすぐ、バイトをクビになった。プロジェクトの業績不振で多くのアルバイトが解雇された。当時そこに好きな人がいて、でも7つも年上で、ものすごくモテる人で、だからこそ女性から恋愛対象として見られることを嫌悪する人だった。同い年の友達と2人で、「イケメンは遠くから見ているくらいがちょうどいいね」って話して、あたかも全く恋愛対象として見てませんよ、という態度で働いた。  その人は昔煙草を吸っていたらしい。好きだった銘柄はピース。たばこのことなんて全然詳しくなくてなんの感

          煙草

          YouTubeに流れるコンプレックス広告を作る仕事をしていたはなし

           大学ではいろんなアルバイトをしてきましたが、最もインパクトのあったお仕事の一つがコンプレックス商材を販売するための広告を運用する、というものです。厳密には長期インターン生として採用されていました。やめた理由の詳細は伏せますが、端的に言うと「マジで最悪な仕事だな」と思い、会社への信用がなくなったからです。私が辞めてしばらくして、会社はなくなったみたいです。先に言っておくと、コンプレックス商材は効果がないことがほとんどです。というのも、効果がなかったところで会社側にダメージがな

          YouTubeに流れるコンプレックス広告を作る仕事をしていたはなし

          リズと青い鳥から考えるジェンダー観

           あまり映画を見る方ではないけれど、日本のアニメ映画はたまに観る。中でも五本の指に入るお気に入りの作品が『リズと青い鳥』。激しい展開はないけれど、静かに、しっかりと感情を揺さぶられる作品だと思う。  ある日大学の授業で「好きな作品を一つ取り上げて、そこに描かれるジェンダーについて分析し、発表し、レポートにする」という課題が出された。その時に提出した期末レポートは私としては結構気合いを入れて書いた(無事評価もA +をもらうことができた)ので、記録の意味を込めてここに残そうと思

          リズと青い鳥から考えるジェンダー観

          私たちはだれに向けて言葉を紡いでいるの?

          自粛生活が長引いて、大学は9月までオンラインで授業をやることが決定した。就活とタイミングが重なったこともあり、バイトもしていない。オフラインで人と会う機会が本当にないから、人と交わる唯一の手段がTwitterと言っても過言じゃない。でも、疲れた。ずっとみんなうっすらと、あるいは猛烈に何かに対して怒っている。 中学1年生の時にTwitterを始めて、もう10年目になる。大学受験の前は中断していたこともあったけど、ほぼずっと何かしらのアカウントを持っていた。昔の私は今よりもっと

          私たちはだれに向けて言葉を紡いでいるの?

          一人で生きていけたらいいのに

          大学に入って2回目の期末試験を迎え、気がついたら4年間ある大学生活の半分を終えようとしていた。大学院に進学する予定は今のところないし、単位も順調に取得している。このまま大きなアクシデントが起こらない限りはきっと私はあと2年と数ヶ月で学生生活を終えることになるだろう。 大学生といえば、というステレオタイプな生活を送っている自覚はある。大学で授業を受け、希望のゼミに入り、バイトをし、サークルに二つ所属し、友人とご飯を食べたり飲み会をしたりして、恋人もできた。難点といえばちょっと

          一人で生きていけたらいいのに

          大人にサンタは来ないから

          自分で自分を甘やかしてもいいんじゃない?という言い訳。 数ヶ月前に二十歳になった。わかっていたことだけど、別に二十歳になったからといって急に大人になるわけではないし、劇的に何かが変わったわけでもない。変わったことは合法的にお酒を飲めて、タバコを吸えて、親の許可なしにクレジットカードを作れて、もし罪を犯せば実名報道されるようになったくらいだろうか。形式上「成人」になったとしても、やっぱり私は「大人」になったという実感はわかない。 もう一つ、変わったことがあった。12月25

          大人にサンタは来ないから

          外面のいい家庭とよそよそしい家族

          側から見ると、幸せを絵に描いたような家庭で育ってきたと思う。 サラリーマンの父と専業主婦の母と二人の娘。首都圏のベッドタウンの庭付き戸建てに住み、家族仲はそこそこ良好。両親ともに特に趣味はなく、貯めたお金で長期休みごとに家族旅行。誕生日、母の日、父の日、結婚記念日など節目の日は必ずプレゼントと、お花と、ケーキを買ってきて家族で簡単なお祝いをする。 傲慢かもしれないけど、きっとドラマで描かれるような幸せな家庭なんだと思う。 今日(12/23)も例に漏れず、お祝いをした。クリス

          外面のいい家庭とよそよそしい家族