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自己肯定感の根っこがないって話

五彩緋夏さんの訃報

美容系YouTuberの“五彩 緋夏さん”が亡くなられましたね。
“ガールズちゃんねる”、がるちゃんにて(またがるちゃんかい)、
「よく動画みてたのに!なんで!?」てコメント散見されましたけど、
いやいや、よく動画を観てたのなら、なんでもクソもないだろうよと。
あんな寸でのところでギリギリ踏ん張って生きてそうな子。

特別にファンと言えるほど詳しく見ていたわけではないですけど、
それでも人気のYouTuberさんなんで、自然とタイムラインにも上がってきますし、
元来病んでるのがデフォルトぐらいな自分としては、
美容系・メイク系の動画なんかより、
そういう、いわゆる“病み期”の語り動画なんかは、たまに観たりしてましたね。

自己肯定感と承認欲求とのギャップ

いつのことかは分かりませんが、緋夏さんご本人が過去にツイッターで、
「自己肯定感が地底にあるのに、承認欲求が大気圏突入してる人間は、
 友達や恋人がいようが、何万人フォロワーがいようが、最終的には変わらない」
的なことをつぶやかれてたそうですが、
うんうん……これに関しては、本当にその通りだよなぁと思います。

でも、緋夏さんはそういう風に、
“自己肯定感と承認欲求とのギャップ”に苦しんでいるように言われてますが、
動画なりで多少なりとも彼女の人柄に触れたことのある身としては、
その“ギャップ”そのものに苦しんでいたわけじゃぁないんじゃないかなと。

だって、この表現の仕方だと、
「現実の低い自己レベルを、率直に受け容れることが出来ない」
「分不相応な承認を求めてしまっている」みたいな風に聞こえるじゃないですか。
でも緋夏さんは、そんな“貪欲”というのか……、
はたまた、“現実が見えていない”ような人には到底思えなかったので。

自己肯定感の“根っこ”がないという話

思うに、そこの“ギャップ”に苦しんでいたというよりも、
根っこ、ベースとなる自己肯定感が全く醸成されていなかったんじゃないかなと。
根っこの部分が全然きちんと植わっていない、グラングランの状態、
なもんで、その上にどんなものが上乗せされようが何の意味もないんですよね。
いつも不安定だし、いつでも簡単に崩れるしっていう。

実際、自分自身がこういった精神構造の人間であって、
それゆえの、勝手なシンパシーからの勝手な推測でしかないですけどね。
本当のところは本人にしか分かりません。


でも、もしも緋夏さんもそういう精神構造、
根っこの自己肯定感がない状態であったのだとしたら、
それはそれはしんどかったろうなぁと思います。

根っこの部分がマトモに育ってないので、
“自分は生きているだけで尊い存在なんだ”とか、
“ありのままでいても愛されうる存在なんだ”とか、一切思えないんですよね。
(もちろん常にそんなこと実感してる人なんていないでしょうけど。
 あくまで深層心理というか、無意識下での認識の話です。)
常に何か“頑張っている”、もっと極端なことをいえば、
“苦しい”実感がないと、自分に存在価値がないように思えるというか。

フツーに生きて、自活して、誰にも迷惑なんて掛けてない、
だから特別に何か“苦しい”“大変”だと感じることをしていなくても、
なんらダメなことはないはずなんだけれども、頭では分かっていても、
何かしら“苦しい”状態でいないと、自分が物凄くダメ人間に思えるというか。

といって何かを努力して成し遂げたところで、
一瞬「ああ、自分頑張ったじゃん」て満たされるものの、
すぐにまた次の何かに取り掛からないと、
またすぐ勝手な“ダメ人間”認定が襲ってくるっていう。
常に息切れしながら走っていないと、自分がゴミクズみたいに思えてくるっていう。

結局、親の愛情が最強

で、じゃぁそんな不健全で異常な精神構造はどうやったら抜け出せるのかって、
別に専門家でも何でもないですけど、
ぶっちゃけこれはもう大人になってから矯正するのは、ほぼほぼ不可能だと思っていて。
(仮に完全に克服できたとして、むちゃくちゃ難しいし、極々稀なケースかと)

さっきから何回も言っている“根っこ”の部分というのはもう、
“親子関係”でしか醸成できないものだと思ってます。
なんで、巻き戻し不可能、大人になってからじゃぁどうしようもないという。

だってね、“生きてるだけで素晴らしい存在です”とか、
“ありのままでも愛される~”なんて、
そこまでの万能感を与えてあげられるのなんて、親しかいないじゃないですか。

例えば、職も失い、お金もなくなって、周囲からの信頼も失った、
むっちゃ太って性的魅力にも欠けましたって、
そこまでなっても、まだ気に掛けてくれる、関わりを持とうとしてくれるのなんて、
良くて親ぐらいですから。
(あくまで“良くて”、そうでない親ももちろんいます。
 というか、だからこそ、根っこの安定していない人間が生まれるわけで。)

そういう「自分には絶対的な味方がいる」っていう安心感こそ、
しっかりとした根っことなり、
それこそ健全な人生のために最も必要な要素だと思います。


まぁ、まとめると、
“親からの無条件の愛”こそ、自己肯定感の根幹であって、
それが不足したまま大人になると、後から何を乗せても不安定さは拭えないと、そういう話です。
絶対的な味方がいる、仮に躓いたとしても還れる場所があるって、
本当に何より大きな支えですよね~。

取り敢えず、緋夏さんが少しでも楽な気持ちになれていたらいいなと思います。

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