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青山美智子さん

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【読書】『赤と青とエスキース』青山美智子【2022年本屋大賞ノミネート】

【読書】『赤と青とエスキース』青山美智子【2022年本屋大賞ノミネート】

2022年本屋大賞ノミネート作品、4冊目に読んだのは、『赤と青とエスキース』(青山美智子 著)です。

私が青山美智子さんの作品と初めて出会ったのは、2021年本屋大賞ノミネート作品を順番に読んでいたときだったことを思い出しました。

日々の疲れを癒やしてくれるような作風に惹かれ、それから1年間、次々と青山さんの作品を手に取ってきました。ドラマノベライズや雑誌掲載のみの作品を除き、いわゆる小説は、

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【読書】『ただいま神様当番』青山美智子【私を楽しませるのは私】

【読書】『ただいま神様当番』青山美智子【私を楽しませるのは私】

癒やされたい気分のときは、青山美智子さんの作品を読むに限ります。

今回は、『ただいま神様当番』(青山美智子 著)について書いていきます。

毎朝バス停で一緒になる5人

毎朝使うバス停に、突如、自分が欲しかったものが落とし物として置かれています。それを拾って持って帰ると、翌日、腕に「神様当番」という文字が書かれているのに加え、神様と名乗るお爺さんが現れ、願い事を聞いてほしいと話します。

願い事

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【読書】『猫のお告げは樹の下で』青山美智子【お話の世界のことだから、で終わらない魅力】

【読書】『猫のお告げは樹の下で』青山美智子【お話の世界のことだから、で終わらない魅力】

『猫のお告げは樹の下で』(青山美智子 著)を読みました。本屋大賞ノミネート作品である『お探し物は図書室まで』で青山さんの作品と出会い、その優しさの虜になり、他の作品も読んできましたが、こちらで5冊目です。

普段、なんとかごまかして自分の中で処理しているもやもやを取り出して、丁寧に解きほぐしてくれるような温かさがありました。

タラヨウの葉に書かれた猫のお告げ

細い道の奥にあるその神社には、ひっ

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【読書】『鎌倉うずまき案内所』青山美智子【自分を見失いそうなときに】

【読書】『鎌倉うずまき案内所』青山美智子【自分を見失いそうなときに】

必死に目の前の作業をこなしたり、上司や部下に気を遣ったり、大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをしたり。

少し無理をして友達に合わせたり、周りにすすめられるがままに進学先を選んだり、やりたいことがわからなくなったり。

「私、何をしているんだっけ、何がしたいんだっけ」と自分を見失いそうなときにおすすめの一冊を紹介します。

『鎌倉うずまき案内所』(青山美智子 著)です。

「はぐれましたか?」

迷っ

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【読書】『月曜日の抹茶カフェ』青山美智子【人と人との繋がりの温かさ】

【読書】『月曜日の抹茶カフェ』青山美智子【人と人との繋がりの温かさ】

先日読んだ『木曜日にはココアを』の続編が発売されたと知り、早速読んでみました。今回は、『月曜日の抹茶カフェ』(青山美智子 著)についてです。

人と人との繋がりの温かさが、ストレートに表現されています。現実はこんなに甘くないよ、と言う人もいるかもしれませんが、そんな、現実世界の人間関係にお疲れ気味の方にこそ、届いてほしい一冊です。

人との繋がりが感じられる連作短編集

美保は、何をしてもうまくい

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【読書】『木曜日にはココアを』青山美智子【優しいお話】

【読書】『木曜日にはココアを』青山美智子【優しいお話】

2021年本屋大賞第2位の『お探し物は図書室まで』が本当に素敵なお話だったので、青山美智子さんの他の著作も読んでみたいなと『木曜日にはココアを』(青山美智子 著)を手に取りました。

読みやすく、とても優しいお話でしたので、嫌なことがあったとき、疲れてしまったとき、こちらの本を読んで癒やされることをおすすめしたいです。

「マーブル・カフェ」と「オーストラリア」の輪

川沿いの小さなお店、「マーブ

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【2021年本屋大賞ノミネート作品#5】『お探し物は図書室まで』青山美智子

【2021年本屋大賞ノミネート作品#5】『お探し物は図書室まで』青山美智子

本屋大賞ノミネート作品5作目。これを書いている今は7作目を読んでいる途中なのだが(14日の発表までにすべて読めるか不安である)、感想としては、「みんな疲れているんだろうな」というものだ。

まだ全作品読んだわけではないが、優しくて温かいお話が多くランクインしている印象が強い。その最たるものが本作だと思う。

みんなの相談役、司書の小町さん小学校に併設されたコミュニティハウスにある図書室には、司書の

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