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炭酸刺繍マガジン

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架空の詩集「炭酸刺繡」をテーマに詩を募り、まとめています
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#詩のようなもの

詩の募集終了しました 炭酸刺繡|盛夏編 多くのご投稿感謝いたします

架空の詩集「炭酸刺繡」を編さんする名目で、詩を募ります 炭酸刺繡という言葉から連想した詩を、作ってみませんか? 「炭酸刺繡」とは… 架空の詩集の表題です 字面と音が、気に入っております 参加のしおり ・「炭酸刺繡」というワードから連想した詩を、ご投稿ください ・「炭酸」「刺繍」それぞれをテーマにしてもOK ・新作・無料記事限定 ・できれば500字以内でお願いします 短くても、もちろん可 ・しめきりは 8/8(木)23:59まで ・形式は自由  ・この記事を、あなたの

朝日の向こうの国へ

海で亡くなった魂は 炭酸刺繍になって 波間を漂うの あなたもそうだった 炭酸刺繍になって 夜明けの海に漂っていた あなたを追おうとした  私を案じて なかなか行くことができなかった  でもこのままでは あなたは 海の泡になって消えてしまう 魂は永遠に 暗い海の底を彷徨うだろう あなたは私に ついてくるな! 生きろ! と言っているかのようだ 朝日が昇り切る前に 行かなければ あなたはそのまま 海の泡になってしまう そんなのはいやだ 一人で生きてはいけない でもあなた

夜空に泡々

曹達に浮かんでは消える星々 次の星が消えたなら それから何度見送ったのか この店にはふたりきり 夜空の奥にきみが見える わたしより本が大事みたい こっち見てよ、話したいの また星が浮かんで消えた しゅわしゅわと消える星たちが この想いまで連れて行きそうで 今日言わなきゃ、その何度目かの今日に そ知らぬ顔ではじける曹達 曖昧なまま夏が終わりそう 蝉時雨と祭り囃子、壁に向日葵の刺繍 降り出しそうな夕立の前に 次の星がはじけて消えたなら ふたりの恋を、今はじめたいよ はじけ

紡がれるものは / 炭酸刺繍 盛夏編

 伝わるものは なんだろう  何が 伝わった のだろう  届いたものは 何?  届いたものは ある?  想いを 募り 時間を かけて  紡がれていく 想いが あるのなら  紡がれていく 言葉が あるのなら  あなたの 心に 描いた 糸は  どんな 色を 灯すの だろう  それが もしも  うたかたに 溶けて しまうなら  儚く 消えてしまう くらいなら  勢いよく フレッシュに  弾けて 飛んで しまえ  その 純なる 力強さに  その 無垢なる 快

「炭酸刺繍」に寄せて

目の前のあなたに 手渡せないのはソーダ 次から次へと あなたへのスキが 音をたてて生まれてしまう 気づかれないように氷の影にそっと隠して 何食わぬ顔してメロン色で誤魔化して あなたのこと何も知らないフリをして いっそ弾けて消えてしまえば いいのにな 今日もソーダを渡せない 笑わないで そんな風に あーあ きっともう バレている 夏です。 夏と言えば恋。 いえ、1年じゅう何かにきゅん、していたいpoteです。 そんな私のきゅん(=おセンチフィルター)を 喉越し

『詩/炭酸刺繍のために』ドイリーとフルーツポンチ

ばあばの家では冷蔵庫に きまってフルーツポンチが冷えている スイカにオレンジ、マスカット、 白桃だって沈んでる 透明のボールにたっぷりの フルーツポンチとグラスを二つ あと忘れてならないのは パチパチと弾けるサイダー、それにね なぜだか真っ白な丸いお皿 これが大事なんだって グラスにフルーツポンチを取り分けて ばあばは自分にだけ たっぷりのサイダーを注ぎ込む (実はわたしは炭酸がきらい) わたしが食べ始めると ばあばはいたずらっぽくウィンクをして 左手にお皿、そして右手で

【企画:炭酸刺繍】詩:炭酸糸

チェリーコークで あなたを割って 気泡で わたしを縫う 縫うはしから 消えてゆくのは わたしの 振りをした あなたかも ・ ごめんなさい どうしても つかめないのです 口の中で しゅわしゅわと 並縫いより 早く 踊って 消える あなたの ような わたし ・ さようなら もう 疲れたわ 縫うことすら できない 泡 なんて ・ 大丈夫 ソーダストリーム 買っといたから 幾億 幾千もの バブルたち なかには いるはず 割っても 薄まらず

乱反射

空色の瓶ラムネを 晴天に引き合わせる 乱反射する陽光が きみの笑顔に触れる 何年経っても夏は暑いまま ふたりは離れずにいるね 少しだけ微睡んできた恋心 それでも一緒がいい 登り坂、駆け上がる アオハルなんて言葉じゃ足りない ふたりが一緒にいるならば それだけが全ての日々 空色の瓶ラムネ 晴天に引き合わされて 乱反射した陽光と きみの笑顔に触れた どんな夏も冬も一緒にいよう 季節の果ての愛があるはず 少し微睡んできた恋心 それでも、ずっと一緒 空色の瓶ラムネ 心の温度を

[誌:炭酸刺繍] 十五歳

十五歳弾けるような君の笑い声が炭酸の泡に消えてエコー 臆病な僕は日陰に座ってひらひら揺れるスカートの裾を見ていた どこまでも青い夏の空と僕の芯にねっとり絡みつく粘液 ああ、このまま君の中に溶けてしまいたい 君の足元に落ちる影に僕の想いは縫い付けられて 耳の奥で鳴り止まない反響にそっとフタをする 君のうなじに伝う汗はソーダー水 舌先で触れてみたい 僕の邪念は床にこぼれたメロンサイダー 靴底にべっとり張り付くこぼれた炭酸水 藤家 秋さんの『炭酸刺繡|盛夏編』に参加します☆

月に麦酒

欠けていく月を ぼくたちは見ていた 少し昔、泣いているきみの隣 きみは大好きな彼に さよならを告げられていた 葡萄味のサイダーを飲んで 「大好きだったんだ」って笑う それがあんまり哀しいから ぼくが守るって言ったんだ パッチワークのシャツに 海風が残るくらい ぼくたちはそこにいたね、覚えてる? あれからの色んなことは 言葉にしたら泡になりそうで 言わないよ、だけど ふたりこうして今も 苦い麦酒を飲みながら 満ちていく月を見ている きっと、それがすべて パッチワークのシ

続けて、炭酸の恋〜Love Wizard|#炭酸刺繍

藤家 秋様のnoteを拝読。 ↓ ↓ ↓ 待ち合わせで 貴方 文庫本 読んでいるね 本に夢中かと思えば 近付くと すぐページ閉じるね ―――どうして私と分かるの? ―――ヒールの音で 分かるよ まるで・・・恋の魔法使いね ―――映画を観ようか? スケジュール 調べる ―――これはどうかな? 見ると 私の好み ぴったりなの 本当は 違う映画 観たいのかも だけど・・・恋の魔法使いね スクリーン観ながら そっと 手を繋ぐの 鼓動 聴こえるくらい

泡を繕う

夏らしいことしたいね きみがそんなことを言うから わたしは泡を繕いはじめる サイダーの涼しさを 手の中でかたちにする 暑さを増していくばかりの夏に もういや!って言うよりも わたしたちは涼しいのよって 手の中の泡に触れる 一瞬の花火、サイダーの泡、蝉時雨 カメラよりもポップに残せたらいいと思わない? 喉を涼しくする、サイダーは通り雨 駆け抜けて、夏になる 夏らしいことしたいね ふたりエアコンの効いた部屋 私は泡を繕いはじめる サイダーの涼しさも ふたり生きていくこれからも

コースター

曹達水の向こう側 笑ったきみの名残 海風にすべてを奪われて わたしの心は空っぽになる ハンドメイドのコースター、雫で濡れて いつまでここにいたら きみは迎えに来るのでしょうか 曹達水、反射光、泡 笑ったきみの残滓 海風にのってミントの香り わたしの心は透明になる ハンドメイドのコースター、影がのびる いつまでここにいれば きみは探しに来るのでしょうか たくさんの列車が行く、このリアスの景色 きみは馬鹿みたいにはしゃいでた 待たせるのは嫌いって、そう言ったじゃない いつだっ

ハードボイルド

じわじわ、じわじわ やられてる シュワシュワ、シュワシュワ やってきた わたしの中の炭酸が弾け出す 怖い、怖い、気持ち悪い 胸の中で何かが音をたてている この気持ちなんだろう どんどん、どんどん引き摺られてゆく そうミステリー小説をわたしはほとんど読まない こんな気持ちになるものなのか あゝ、クセになりそう 藤家 秋さんの炭酸刺繍「盛夏編」に参加させて頂きます。 よろしくお願いします🙇