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【減薬へのステップ】環境を整え、自分を整える(抑うつ状態の体験から)

投稿:021
【記事の要約】
この記事は私が「適応障害」という心の病を患った時の体験談です。
テーマや切り口ごとに分けて記事にしています。

今回のテーマは減薬へのステップ。
減薬するには症状の改善が必須ですよね。
そこに至るまでにどういう気づきを得たか、
どんな努力や工夫をしたかをまとめました。
体験談が、皆さんの参考になれば嬉しいです。

本記事のポイントは以下の通り。
・減薬のステップは自分から働きかけるもの
・信頼できる主治医、生活リズム、心の切り替えができる環境を整える
・休むことが下手な自分の正直な気持ちを見つける


減薬のステップは自分から申し出る

心療内科を受診していると当然ながら薬を処方されます。
それに人によって処方される薬は異なりますよね。
過去に処方された薬よりも効果と依存性が強い薬に変わることがあれば、
病状の改善に伴って減薬する方向性を見いだすこともできる。
どちらも体験してみて思うことは……
自分の体と相談した上で信頼できる医師に相談できる環境。
運動や規則的な生活を心がけて睡眠のリズムを作ろうとする努力。
もやもやしてどうしようもない時もあるけれど、少しでも「今」に夢中になれることをする意識。
そういうことを大切にできる時間が必要なのかなぁと思います。

信頼できる主治医を見つけることが最優先

別の記事でも触れましたが、適応障害で休職してから8カ月ほどして転院しました。
原因は当時の主治医と治療や復職への方針が合わなかったからです。
主治医も人間ですし、相手にしている患者は私だけではない。
症状がもっと重い患者さんに対応しているかもしれないし、日頃の疲れや負荷も大変なものでしょう。
かといって、自分の気持ちを素直に相談できない関係でメンタルの治療を続けてもらうのはお互いに辛いです。何より自分の心の病が悪化します。

最初にお世話になった主治医から処方された薬は飲んでも、飲んでも症状が改善されず、挙げ句の果てに「もうあなたは治らないんで」とさじを投げられてしまいました。その時の衝撃はかなりのものでした。

それから知り合いの紹介で病院を変え、現在の主治医にお世話になっています。体調の変化だけではなく、気持ちの変化も相談でき、こちらが投げた「ボール」には限られた診察時間のなかで投げ返してくれる。
主治医自身の体験談や、心療内科医だからこそ心を壊さないように自分の心に余裕を持たせる工夫をして過ごしていると教えてもらい、毎回とはいかなくとも話していて発見がある。
一方で「こんな状況がいつまで続くのだろう」という先の見えない気持ちにもなりました。そんなやりとりを重ねるなかで以前よりも体調が改善されたと感じた時に、減薬したいという希望を切り出すことができたのです。

具体的には、勤務中に眠くなりすぎて起きていられなくなったので、昼の薬から減薬することになりました。
こればかりは主治医の判断だけではなく、患者である自分から体調の変化と「変わっていきたい」気持ちを伝えないと状況はいつまでも続くのだと思います。

規則的な運動をするとリズムが整う

家にこもっている時間が長かった私は、ある日、突然襲った背中の痛みをきっかけに運動をするようになりました。家族に勧められて近所のジムで体を動かし始めたのです。
ジムに通っていくつか変化がありました。まずは体を鍛え直すことができたこと。ジムに通って8カ月ほどした頃に元の体重から10キロほど落ち、筋肉もついたし、ほどよく体が疲れて入眠しやすくなりました(寝付けなくて3時間も4時間も目が冴えている状態が辛かった……泣)。

フィジカルのトレーニングも効果があったのですが、メンタルのトレーニングにもなりました。半分セルフトレーニングで必要に応じてスタッフと話ができる環境だったから。
人と話すのって、すごく精神力を消耗するんですよね。いくらありがたいお話でも30分聞いたらお腹いっぱいだし、1時間なんて聞かされたらヘトヘトになって参ってしまいます。
その点、マシンの安全な利用法とか、ちょっとした世間話を通して人慣れしていく意味でも、ジムに通えたことは良かったと思う。最初は家族も一緒に通っていたけれども、今は私だけになりました。
週に2~3回程度、1時間弱と決めて無酸素と有酸素の運動を重ね、半年ぐらいすると習慣化できたのか、体を動かさない方がだるさを感じるようになりました。

「今」を生きていると感じられることを見つける

もやもやした気持ちを忘れられるくらい夢中になれるものを見つけるのも大切ですよね。
少しでいいから「今」という瞬間に没頭できる体験が必要。ジムも良かったんだけど、私の場合は旅でした。と言っても、いつも動いていられるほど元気じゃないから、たまにですけどね。
休職前は本当に旅行する余裕がなかった。以前は、連休を取りたいと申し出た途端に上司の機嫌は悪くなって、謎の説教が始まったし、今考えればパワハラやらおかしなことばかりでした。だから海外に旅行する時間的な余裕が10年以上なかった。社畜というか、奴隷だな、これは。
実際に海外に足を運ぶと、現地の人と関わる機会が何度となくあります。私は往復路の移動やホテルなどがセットになった「パック」は使わないので、宿泊関係や食料の調達、現地でのツアー参加など、必要なことはあえて自分でやらないといけない状況を楽しみます。
不便に感じる方もいるかもしれませんが、日本でのしがらみと無縁の相手と半ば強制的にコミュニケーションを取るには1番だと思います。それに旅程の組み方も自由だし、場合によってはパックより安く済みますし。
事務的な会話もあれば、飛行機の席がたまたま隣になった人と仲良くなって、その時は楽しくその人の話を聴くこともできました。日本で人の話を聞くと30分が限度なのに、どうして海外だと楽しめてしまうのか。それはストレスから離れた環境だからかもしれません。
矛盾しているようだけれど、私にとっては日本の外で刺激を得た時に、今を生きていると感じる瞬間に触れられるんです。

自分の正直な気持ちを再発見できたら王手!

そんな風に右往左往しながら時間をかけて、無理を重ねてきた過去を振り返り、休むこと自体下手くそになってしまった自分に思い出させてやったのです。本当はこうやって過ごすことが好きだったよね、と。

自分の気持ちを認められたことで、「減薬してみたい」と主治医に伝えられるまで気持ちが回復したのだと思います。
今でももやもやすることはしょっちゅうあるし、意味も根拠もない不安や心配で頭がいっぱいになることもあります。
根本的な問題として、部署異動はしたものの職場は変わっていないので、周囲にも気を遣います。そんな環境でいつまで今の状況を維持できるのかは私にもわかりません。ただ、急な舵取りや大きな決断をする時期ではないと認識はしています。
もっと回復するまで、時間をかけて粘り強く待つ。さらなる減薬を目指す。今できることに集中します。

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