橋本治「窯変源氏物語」「ひらがな日本美術史」のこと 本を捨てた日
双極性障害の影響で一時期、字を読めなくなったことがあった。
一年ほど続いただろうか。
ある日図書館に行くと、本の背表紙が突然何か得体の知れないものの集団に見えて来て目が眩んだ。
文字を読めなくなっている事に気づいた最初だった。
その場に座り込んで絶望した。
そのうちに、スーパーに行っても商品の賞味期限がわからない、本も新聞も何が書いてあるのかわからない、マンガすら読めない、ということになって、今度は死にたくなった。
うっかりすると本当に死にそうなので何をしたかと言うと、蔵書