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「存在する」ことの複雑な連鎖 -奇跡の人とは誰か??-

おはようございます!
6月が始まってもう3日目というのに、全く持って何一つ仕事が終わらない状況をあえて笑ってみる今日この頃です。
#仕事しろ
#行動が先
#感情は後

さて、今日も読書メモの回です。

『歴史思考 (著:深井龍之介)』

前回まで、イエス・キリストや孔子、ガンディー、カーネル・サンダースを学んできましたが、共通するのは人生はうまくいかなかったけれども、結果として、世界を変えた偉人となっているところです。
そう思うと、「結局、彼らは非凡であった!」とも捉えられがちですが、歴史的視点からは「どうでも良いこと」とと著者は述べています。
今、生まれた世に生きること、存在することが重要であり、「何をするか」ではないのです。

今回は、ヘレンケラーとサリヴァン先生から学びを得ましょう。

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ヘレンを支えた、サリヴァン

ヘレンケラーといえば、障害者福祉を育み続けた存在として、とても大きな影響を与えた偉人でしょう。
1880年に生まれたヘレンは、すごく豊かで良い家に両親と共にすくすくと育ちます。1歳7カ月のときに、感染症にかかり、当時は致命傷でもあったのですが、命は助かりました。その後遺症として、視覚と聴覚を失ったのです。
この頃、視覚と聴覚を失ったことにより、社会における概念の理解がまだ存在していませんでした。元気いっぱいで、丈夫な体を持つ少女は触覚や嗅覚を主に身振りや手ぶりで伝えてきます。

ですが、一定の時から、溢れるものを表現が出来なくなり、そのストレスで癇癪を起すようになります。妹が生まれてからはそれがエスカレートをし、両親も一緒に暮らすことが難しいのではと考えるほどでした。

とある日、母親が読んでいた本に、ヘレンと似た境遇のローラ・ブリッジマンのことを見つけます。盲人教育の先駆者でもあるハウ博士による教育を受け、生活を営んでいたのです。
ハウ博士は既に他界していましたが、両親が希望の光を見出しました。

ろうあ者への教育の先駆者として、もう一人重要人物がいます。
グラハム・ベルです。日本では電話機の発明として有名ですが、音に関心を持ったベルは教育にも熱心に取り組んでいたのです。

ヘレンにあったベルは、パーキンス盲学校を紹介します。
そこで働いていたのが、アン・サリヴァンです。サリヴァンも視覚に障害をもっていたことから、仕事をなかなか受けることが難しく、生活のためにもヘレンの家庭教師を受けました。

「甘やかしは本人のためにならない」と盲学校からの教えを受け、サリヴァン先生の教育方針となります。

サリヴァン先生、20歳の時にヘレンと出会います。
両親のもと、自由に活発に育ったヘレンのことをサリヴァンは、「じゃじゃ馬」と評しています。概念が存在しない少女に、指文字から教え始めたものの、教育というよりも闘いであったとサリヴァン自身も振り返っています。
両親との隔離生活を2週間行うことを提案し、しぶしぶ納得をさせ、庭にある小屋に二人での生活を始めます。数日は格闘の連続でしたが、徐々に変化が訪れます。

そして、4月5日。
水を差したヘレンに、指文字で「Water」と書きます。
ここで初めて、ヘレンはあらゆるものに「名」が付いていることを理解します。その後のヘレンは、好奇心の鬼になったかのように、質問を続け、サリヴァンはそれに答え続けます。

16歳のときに、ケンブリッジ女学院に入学し、隣の席にサリヴァンが座り指文字で翻訳するという形でヘレンは知識を吸収していきました。
その後、ラドクリフ・カレッジ(後のハーバード大学)に入学し、デカルトやカントなどにも精通。徐々に角が取れ、卒業後はサリヴァンと共に、講演や執筆活動を行います。

サリヴァンが50歳、ヘレン40歳の頃に、123の都市、250回を超える講演を行っていました。この頃になると、サリヴァンの視覚障害が悪化したり、様々な主張によるアンチテーゼが起きたりなど、全てがうまくいくわけではありませんでした。
また、寄付の連続により生活が苦しくなった影響もあり、「芸人」へ転身(4-5年)を図りました。

サリヴァンが60歳の時、ついに失明をし、今度は点字をヘレンが教えていました。そして、1936年、70歳で生涯を終えます。
この時、ヘレンは56歳でしたので、半世紀近く一緒にいたのです。

その後、ヘレンはサリヴァンの意思を継いだポリー・トムソンという女性と共に、戦後だけでも35か国を回りました。
1968年、87歳にて、その生涯を終えます。

ヘレンとサリヴァンの墓碑には点字があるのですが、その部分だけ色が変わっていることを考えても、大きな功績を残したのは間違いないでしょう。

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「奇跡の人」は誰か??

【The Miracle Worker】という戯曲は、ヘレンとサリヴァンを基に創られたものであり、日本では一般的にヘレンを指します。
もちろん、ヘレンもミラクルではあるのですが、この戯曲ではヘレンのミラクルを起こしたサリヴァンのことを指しています。

もう一段階考えてみると、サリヴァンに繋がるためには、学校を紹介したベルの存在無くして起こり得ず、ベルが音に興味を持つことが許容したベルの母の存在も大きいのです。
また、ヘレンの母が本の中で出会ったローラ・ブリッジマンは、ハウ博士に出会う前、エイサ・テニーというネイティブアメリカンの障害者から手話を教わっています。
ちなみに、この時代のネイティブアメリカンにおける障害者の地位は社会的にも下層でした。

ヘレンのミラクルにつながった人たちもそれぞれ偉業を成し遂げていますが、自覚はなかったはずです。ただ、生きていただけ。

‟「存在」が複雑な連鎖を生み、ヘレンケラーに繋がった”

もしかしたら、何気なくサポートした人が、手がすけした人が、巡り巡って奇跡を起こしている可能性もあります。自分の価値を信じて生きる、ただそれだけで、毎日が楽しくなるかもしれません。



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改めて、偉業とは何だろうかと思いました。
「一旗揚げたい」や「名前を残したい」、「時代を変えたい」など様々聞く機会が増えているのですが、全く僕は思わない。
そこに対しての欲求がないので、もちろんあることを否定するつもりはないです。無数の価値観があって良きものなので。

偉業とは100年後、1000年後に、歴史的視点でみたときにはじめてわかるものであるのだろうなぁと思います。
だからこそ、「今生きる」、存在するだけで十分であり、時代は変えられないけれども、自分の「ビジョン」に則り生きるだけで良いのだろうと改めて感じました。


今日も学んだー!!
ではでは、今日もワクワクするような最高の笑顔で、いってらっしゃい!!

アクティホーム
講内 源太

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