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6月後半のゲンロンカフェイベントの魅力をたっぷり紹介!

みなさんこんにちは!5月からゲンロンのアルバイトとして入社した青山俊之です。

14時間にも及ぶ総会に参加された皆さん、お疲れ様でした。note記事では豊富な写真付きで総会の振り返り、togetterでは参加者の皆さんからのたくさんの反応とともに、総会だからこその「熱」をまとめております。こちらもぜひ、ご覧ください!

そんな総会を終えた6月半ば。新年度がはじまり、お疲れの方もいることでしょう。しかしながら、6月後半にはみなさんに「気合い」を注入するカフェイベントが盛りだくさん!みなさん、「気合い」は人との出会いがあってこそ、思わぬ知との出会いがあってこそみなぎるはず、きっとそうに違いない。

カフェイベントの掛け合いを通してこそ生じる、みなさんにとって思いがけない出会いの一歩を応援すべく、6月後半のイベントを紹介いたします!ゲンロンカフェでは6月より会場観覧の入場料を大幅に値下げしておりますので、ぜひ五反田・ゲンロンカフェへお越しください!

6月後半のカフェ開催イベント

6月20日 (月) 19:00〜22:00
磯野真穂 × 筒井淳也 司会 = 石戸諭
「数」から考える人類学と社会学──『他者と生きる』刊行記念

一つ目のイベントは、『「数」から考える人類学と社会学──『他者と生きる』刊行記念』です。

人類学者の磯野真穂さんの著作『他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学』では、現代社会に特徴的な統計的人間観個人主義的人間観の二つの人間観を問題視しています。ざっくり言えば、統計学的人間観では人や社会を数値化して管理することに重きが置かれ、個人主義的人間観では個々人の自己決定を重視することで「自分らしさ」が促されます。これら二つの人間観は「個人」という単位(≒数値化)を重視するため、表裏一体の関係です。これらの人間観や現代社会の潮流に対して、磯野さんが試みるのが「数値化」できない関係的人間観を人類学的な知見から洞察することです。

『他者と生きる』の試みに対し、応答するのが社会学者の筒井淳也さん。筒井さんは『社会学 「非サイエンス」的な知の居場所』をはじめとした社会学の研究アプローチを紹介・検討する著作も数多く出版されています。そんな筒井さんの専門が計量社会学。まさに「数」を中心とした「社会」の研究です。

人間社会、より正確に言えば統計的人間観と個人主義的人間観を生み出す「近代社会」を異なった角度から研究してきたのが人類学と社会学。これら二つのまなざしが、どのように交叉するのでしょうか?本イベントでは、ジャーナリストとして東日本大震災やコロナ禍における人の生と死を見つめてきた石戸諭さんを司会に迎えます。登壇者の知見と経験が飛び交うイベントとなりそうです。きっとみなさんの考えをめぐらす良い機会になります。ぜひご参加を!

6月22日 (水) 19:00〜22:00
大井昌和 × 大山顕 × 和田唯奈
キャラクターを見かえす──マンガ、写真、アートを横断するシン・キャラクター論

二つ目のイベントは、「キャラクターを見かえす──マンガ、写真、アートを横断するシン・キャラクター論」です。

マンガ家として幾多のキャラクターを描いてきた大井昌和さんの呼びかけで、写真家としての立場から「見ること」とキャラクター表現の問題に向き合ってきた大山顕さん、アーティストとしてさまざまな角度から「キャラクター的な表現」を扱ってきた和田唯奈さんの鼎談が実現!

ところで、キャラクターと言えば何を思い浮かべるでしょうか?例えば、かの有名なシャーロック・ホームズとワトソンといったフィクションの登場人物から、個々の人格から身体的・精神的なコスプレ、!(^^)!といった顔文字まで、実に多様なキャラクター像が考えられます。

こうした既存のキャラクター像に対し、大山さんの視覚論や和田さんの創作活動は異なるとらえ方を切り開く可能性があると大井さんは考えています。例えば、大山さんはキャラクターを認識する際に人間以下の大きさのものを認識する傾向がある「縮小」や、キャラクターそのものを特徴づける「眼」の特徴そのものについて分析しています。他方で、和田さんは記号的なキャラクターを創作することで世界「が」キャラクターに単純化されるのではなく世界「を」拡張しているのでは、と大井さんは見ているそう。

そもそもキャラクターとはなんなのか。彼らはなぜ小さいのか。顔がついているだけでかわいいと感じてしまうのはどうしてなのか。そんな根本的な疑問についてもたっぷり議論することになるはずです。本イベントでは、来場者・シラス視聴者には和田唯奈さんによるオリジナルスマホ壁紙プレゼントいたします! 会場では原画の展示も予定していますので、この機会にぜひ足をお運びください!

6月25日 (土) 19:00〜22:00
島村一平 × 東畑開人 司会 = 上田洋子
シャーマニズムと心理学、あるいは社会主義は呪術なのか?──『憑依と抵抗』刊行記念

三つ目のイベントが、「シャーマニズムと心理学、あるいは社会主義は呪術なのか?──『憑依と抵抗』刊行記念」です。

『憑依と抵抗 現代モンゴルにおける宗教とナショナリズム』を出版した島村一平さん。この「現代モンゴル」とは資本主義化・グローバル化する社会を指しています。民族衣装を着飾るおしゃれの過熱化など、現代モンゴルのリアルが描かれるのが『憑依と抵抗』。一方、それは単なる現代モンゴルに限らない、「日本」や「世界」が見えてくると島村さんは言います。

島村さんとの対談相手となるのが、臨床心理学・精神分析・医療人類学を専門とする東畑開人さん。東畑さんの著作『野の医者は笑う―心の治療とは何か』で描かれる沖縄の野の医者-シャーマン的人物の在りようは、「モンゴルのシャーマンたちと二重写しの写真のよう」だという島村さん(ツイート)。島村さんによる現代モンゴルの呪術性と東畑さんによるシャーマニズムと心理療法の比較研究、さらにゲンロン代表・ロシア文学者である上田洋子が司会となるのが本イベントです。乞うご期待!

6月28日 (火)  19:00〜22:00
青木理 × 辻田真佐憲 × 久田将義
キャンセルカルチャー時代のメディア論──「ゴールデン街」は復活するか

最後の四つ目のイベントは、「キャンセルカルチャー時代のメディア論──「ゴールデン街」は復活するか」です。

かつて夢見られた「いつでも・どこでも・誰でも」が参加するインターネット空間の可能性。SNSが張り巡らされる社会では、現在・過去の発言が瞬く間に炎上し、時には問題視された人物・組織・事業が排他されていきます。

そんなSNSがもたらす「新しい同調圧力」や「プロパガンダ」を問題視するのが近現代史研究者の辻田真佐憲さん。制作者はページビューや動画の再生数を求め、人々は日々の炎上ネタを消費していく。そんな潮流に、メディアやジャーナリズムが果たす可能性を探るべく、ジャーナリストの青木理さんと「TABLO」編集長の久田将義さんと辻田さんによる鼎談が実現します。

青木さんと久田さんは、新宿のゴールデン街でさまざまな業界の人々と交遊し、情報交換を行い、上の世代からジャーナリズムの矜持を学んでいったそうです。殺伐としたネット空間で気に入らない相手を「キャンセル」し続ける時代に、人々が顔を合わせ耳を傾け合う「ゴールデン街」的な営みは復活するのか。「SNS時代」「ゴールデン街時代」を対比しながら、オルタナティブなコミュニケーションを続けるメディアの可能性についてぜひご一緒に考えましょう!

ゲンロンカフェの熱気で梅雨を吹き飛ばそう!

6月後半もゲンロンカフェでは「熱い人々」による「熱い議論」が交わされます。身体ごと動かして、ゲンロンカフェのイベントの熱気をご体感ください!

ゲンロンカフェのイベントは途中入場・退場もできます。会場ではシラスの番組がお得に視聴できるクーポンコード付きのシラスカード、通称「シラカ」などの限定グッズも販売中。

観客のみなさんがいてこそのゲンロンカフェの熱気です。みなさんの会場へのご来場をお待ちしております!

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