げんまい

北海道十勝出身の谷口と愛知県名古屋出身の小出の2人で創作文章を書いています。 書き出し…

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北海道十勝出身の谷口と愛知県名古屋出身の小出の2人で創作文章を書いています。 書き出し文章を決めて、同じ書き出し文からそれぞれの物語を書きます。 面白い書き出し文を募集します。コメントに残していただければ、その書き出しで文章をかきます。

最近の記事

はじめまして

はじめまして、げんまいの中の人、谷口です。 初めての投稿です。小出に怒られないか怯えています。 Instagramってみんなやってますかね。 私はやってるんですけど、 「いいなあ」って思いながら「いいね!」押す時ありますよね。 でも毎日高そうなもん食べてる人とか見てると もう半額の唐揚げのありがたみとかわからないんだろうなーと思って 「いいなあ」とは思うけど唐揚げのうまさも忘れたくないなーって。 そう考えたら今の自分の生活も そう悪くはないなーと思いますよね

    • 【第四回】書き出し文発表

      こんばんは。げんまいの中の人小出です。 お久しぶりになってしまいました。 #noteの続け方 このタグ必要ですね笑 記事書いてないなーと思いながら 本屋で文庫を2冊買ってしまいました。 私は漫画も小説も 小さい頃は殆ど読まなかったのですが 今では小説をたまーに読んだりします。 飴やガムより長く楽しめる娯楽ですね。 では今回もなんの脈絡もなく 書き出し文の発表をします。笑 第四回の書き出し文は わたしだけ口ずさめない曲が流れているです。 実はまだ執筆を始めていません

      • ちょうど400円、ポケットに入っていた【ビジネスマン part3(完結)】

        「get a phone call from Akemi」 イヤホンの音楽が途切れアナウンスが流れた。アケミから電話だ。 「俺だ、どうした?」 「急にごめんね、今大丈夫?」 声色は明るく落ち着いていた。アケミから昼間に電話をかけてくるのは珍しいから、何かあったのかと思ったじゃないか。 「大丈夫だよ、急ぎ?」 俺は改札からすぐのスペースによけた。少年が一旦駅員のいる窓口から離れてうじうじとリュックやらポケットやらを探っているのがずっと目に入ってくる。 「ううん、ごめん、帰ってき

        • ちょうど400円、ポケットに入っていた【ビジネスマン part2】

          アケミとは取引先の50周年の記念パーティーで出会った。ひと目で俺はこの人に恋をするとわかった。彼女は聡明で、美しく、その程度と言ったら、普通の男の持つ尺では到底図りきれないものだった。付き合ってその感覚は更に増していった。この人を正しく評価できるのは俺しかいないとどんどんわからされた。だからもう、プロポーズするしか他なかった。 プロポーズを受けた時の彼女の笑顔は、今で見たどんな光景よりも美しかった。ウエディングドレスを着た彼女を見た時などは、この景色を見るために今までの人生が

        はじめまして

          ちょうど400円、ポケットに入っていた【ビジネスマンpart1】

          作: 小出 ちょうど400円、ポケットに入っていた。 困った。これが390円なら俺には彼を助けることはできないと思えたし、反対に1000円あれば躊躇なく彼を助ける事ができただろう。しかし俺が今求められているのは400円で、その400円分の400円が今、ちょうどポケットに入っていた。 どうなんだ?どうすればいい?この400円は何のためにある? 「僕、お金なくて、、」 訴える少年を駅員はもはや哀れみの目で見ていた。 「わかるんだけど、君を通してしまったら、他の人もそうしないと

          ちょうど400円、ポケットに入っていた【ビジネスマンpart1】

          ちょうど400円、ポケットに入っていた。【社員食堂 一話完結】

          作:谷口 ちょうど400円、ポケットに入っていた。  社員食堂の鳥からマヨ定食はジャスト400円。今一番食べたいのは間違いなくこいつだ。だが食後、必ず、間違いなく、絶対に甘いものが食べたくなる。お目当てのチョコレートは130円。欲を言えばコーヒーも飲みたい。プラス100円。昼休憩の後の5時間勤務を成し遂げるには、糖は必須だ。定食は諦めてコンビニの菓子パン、あるいはおにぎりにするべきか。しかし仮に菓子パン140円、チョコレート130円、コーヒー100円を買うとする。計370

          ちょうど400円、ポケットに入っていた。【社員食堂 一話完結】

          【第三回】書き出し文発表

          こんにちは。げんまいの中の人小出です! #毎日note というタグを付けて 更新していたのに2日も空いてしまいました。 誰も気にしていないかもしれませんが笑 これからものんびり更新していきます! 第二回の書き出し文は 「帰るたびに実家が縮んでいく」でした。 孤独に実家に帰った女性のお話と それぞれ夢を追う男の友情のお話でしたが 楽しんでいただけたでしょうか。 旧友の主人公とマサハルのやりとりの、 うるせえ女子アナ紹介しろよな! お前こそCA紹介しろ! という台詞が

          【第三回】書き出し文発表

          帰るたびに実家が縮んでいく【旧友Part5(完結)】

          家を出て、朝の空気がつんとする季節になったのだなと思った。実際には始発に乗る必要はなかったが、誰も外に出歩いていない時間を選びたかった。この時間、日曜の駅にはほとんど人がいなかった。少し早めに駅に着くと、変わっていく僕たちを何度も送り出した何も変わっていない駅を、何度もそうしたようにまた見回した。 そこで僕は、反対のホームに僕と同じ引き出物の袋を持っている男が立っているのに気づいた。明日は早くないと、昨日言っていたのに。 「お前、朝早いじゃねえかよ!」 僕と同じ嘘をついたマサ

          帰るたびに実家が縮んでいく【旧友Part5(完結)】

          帰るたびに実家が縮んでいく【旧友 Part4】

          「お前が本当にそう思うなら、そうなんだろ」 僕が思っている事とは裏腹なことを言われて、何故か勝手に腹が立った。まだやれると、言ってくれると思った。僕は黙っていた。 「お前が楽しいと思う事をどんどんやれよ。お前が思うようにしろ」 マサハルは僕が野球をやろうがやらまいが、どっちでもいいという口ぶりだった。そういうところが嫌いだった。僕はずっとマサハルに勝ちたいと思っていたからだ。野球だって、マサハルのほうがうまかったが、最終的には僕がプロになった。だから、僕が勝ったのだと思ってい

          帰るたびに実家が縮んでいく【旧友 Part4】

          帰るたびに実家が縮んでいく【旧友 Part3】

          「やったー鬼まんじゅうもらったぜ」 母さんとの会話が相当盛り上がったのか、部屋に入ってくるなりにこにこして僕に鬼まんじゅうを見せてきた。それがリビングに置かれていたのを僕は知っていたから、そんなテンションでは鬼まんじゅうの話を聞けなかった。 「お前は今なにしてるんだ?」 父親みたいな口をきいてしまった。そういえば俺がプロになってから、マサハルともほとんど連絡を取っていなかった。だから、マサハルが今どんな職業についているのか全く知らなかったし、そもそもプロ野球選手以外にどんな職

          帰るたびに実家が縮んでいく【旧友 Part3】

          帰るたびに実家が縮んでいく【旧友 Part2】

          「お前、明日早いのか」 マサハルが何となくを装って聞いてきた。 「俺は全然早くねぇよ」 明日は始発で大阪に戻るつもりだった。 「寄ってくか?お前がきたら母さんが喜ぶぜ」 マサハルは昔から照れくさい本心を言うときは語尾にぜをつけて茶化す癖があった。マサハルのお母さんに会うのは何年ぶりなのだろうか。懐かしい気持ちになった。けれど、俺はマサハルとはもう少し話したかったが、それ以上の外野には会いたくなかった。今は野球の事をとやかく言われたくない。監督にも会いたくなかった。 「やめとく

          帰るたびに実家が縮んでいく【旧友 Part2】

          帰るたびに実家が縮んでいく【旧友 Part1】

          作:小出 「帰るたび実家が縮んでいくなあ」 しみじみと自らの家を傍観し、マサハルは言った。僕は何と言っていいか分からず黙っていた。 マサハルの家は、僕たちが中学生の頃には、家とは別に、敷地内に大きい庭とはなれがあった。しかし今は、はなれと家のあった土地は売られて別の家が建っていて、マサハルの家と呼べる区画と言えば、あの頃の庭の一画くらいの広さの、こぢんまりとした小綺麗な一軒家だけになった。コンクリートのブロックで積み上げられた玄関先だけが当時のまま残っていて、何となく違和感

          帰るたびに実家が縮んでいく【旧友 Part1】

          帰るたびに実家が縮んでいく【かな part2(完結)】

           スーツケースを置きに8ヶ月ぶりぐらいに自分の部屋へ行くと、またひとまわり、部屋が縮んでいた。あの壁、昔はよくジャンプして届く届かないとしょうもない遊びをしていたっけ。柱には薄くなった身長の跡。埃のかぶった姿見。前に来た時からこの部屋の時間は進んでいないのにサイズは縮んでいた。なんとなく親戚たちとはワンクッション置いてから会話がしたくて、ベッドへ上半身をあずけた。小学生の頃怖くてたまらなかった天井のシミはあの頃の大きさのままだった。  初めて父にぶたれたのはこの部屋だった。高

          帰るたびに実家が縮んでいく【かな part2(完結)】

          帰るたびに実家が縮んでいく【かな Part1】

          作:谷口 帰るたび実家が縮んでいく。私は何一つ大きくなっていないのに。  今年に入って実家を訪れるのは2回目だった。1回目は従姉妹のあけみ姉ちゃんの結婚式に、そして今日が2回目。12時過ぎの便で神戸を出て実家に着いたのは21時。毎回移動だけでくたくたになる。もう少し駅増やしてもらえませんかね、JR北海道さん。実家に帰ると親戚一同が集まっていて、私はこんな時にでも人見知りを発揮してしまった。「かなちゃんかい?大きくなったね!」話しかけてきたおばちゃんはもちろん見覚えがあるし

          帰るたびに実家が縮んでいく【かな Part1】

          【第二回】書き出し文発表

          こんにちは。げんまいです。 第一回書き出し文は 「魚の骨が刺さった、二の腕に。殺される、と思った」 から2つの物語が生まれました。 2作とも若い女性が主人公のお話でしたが いかがでしたでしょうか。 早速ですが第二回の書き出し文の 発表をします! コメントで募集しますと書いたのですが どなたからもコメントがないので笑、 今回も谷口が考えました! 第二回目の書き出し文は 「帰るたびに実家が縮んでいく」です。 先月の頭に谷口は実家のある北海道に 戻りました!(十勝では

          【第二回】書き出し文発表

          魚の骨が刺さった、二の腕に。殺される、と思った。【煮付かれ 完結】

          「ごちそうさま」 さあ、さあ来い。全ての準備は整っている。荷物だって初めから広げずにまとめているんだから。リュックで来なかったのは間違いだったな。しかし今日はトートバッグにさほど荷物を入れ込んでいないから十分に走れるだろう。しかし何よりもこの二の腕に骨を刺すきっかけを与えないことが最も優先されるべきことだ。 「美味しかったありがとう片付けるよ」 全ての危険回避のため、アスカの皿に手を伸ばした。 「いいよ、そこに置いといて」 私の作戦は一瞬で制されてしまった。アスカの顔を見るが

          魚の骨が刺さった、二の腕に。殺される、と思った。【煮付かれ 完結】