*4 ストレイシープ
忽然と夏は終わった。日曜日に目覚めた時はまだ空気が微熱を帯びていた筈が、翌月曜日の同刻の空気はすっかり冷えていて、思わず体を震わした。体を震わすと、それから鼻水が止め処なく垂れた。いやはや季節の変わり目というものはこれ程までに判然と訪れるとは思いもしなかった。まるでグラデーションに頼らなかった。御陰で季節の変わり目は風邪を引き易いと言う謂れを解明するに至ったが、幸い私は連日鼻を垂らすばかりでついぞ風邪には到達しなかった。日曜日の出店を終えて帰宅し、この文章を綴らんとした時な