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盛者は必衰の世である。栄枯に盛衰を重ねたる世である。諸行の無常であるこの世において未来…
もうずっと前の事である。見習い宮大工として日夜汗水垂らしていた私は、二年目だかの頃に広…
「なんとなく、これから良い運の流れとなっていきそうだ」と先週末頃に漠然と心の内にぽんと…
四月末頃の話である。市役所の職員からふるさと納税の返礼品としてパンを使わせて頂けないか…
※最後にお知らせがあります※ 発酵が上手くいかず、納得のいかぬ焼き上がりで窯から出て来…
日本へ移住して間も無く一年が経とうとしている、と考えた時、果たして一年前は何をしていた…
稲の植わった田の鏡面に風光明媚の語を投げて彼是どれほど経ったか、気が付けば育った苗が水面をすっかり隠すまでになっていた。大変青々しい。夏の青には二種類ある。空の青がウルトラマリンブルーとすれば草木の碧はフタロシアニンブルー、細かくはグリーンシェード、とでも当てられそうである。画家でも無い私がこう細密に言い表すは紛れもなく借りて来た情報によるものであるが、もし風景を描くとなれば画家先生の御話を鵜呑みにして一度試してみたいと考えるは紛れもなく私の好奇心によるものである。
カフェを開けてから小一時間、人影の出入りもなく私は椅子に腰掛けて壁中に敷き詰められた本…
猛暑、酷暑という熟語もすっかり目に耳に馴染んだものである。私個人の場合を言えば、どうに…
「こちら酸塊のタルトでして、世界最古のケーキ、あらゆるケーキの元祖であると、いう風に言…
人生には何が起こるか分からぬ。いやこれを人生という枠組の中での観察結果とするのは人間の…
昔あるロックバンドが歌の中で船を武器と表現していた事があった。その歌を私は好きであった…
織田信長は新しい物好きであったという逸話を耳にした事があった。鉄砲もカステラも、南蛮か…
パンの起源を追い掛け、古代エジプトの世界を一頻り駆け巡った後、現代と古代とを繋ぐ扉である本をぱたんと閉じた途端に、何とも言い得られぬ猛烈な虚無感に襲われた。本を閉じるという一つの行為で数千年という歳月が瞬く間に経過するわけであるから、暫し思考がついて行かれぬ事によるものかとも思ったが、直ちにどうもそれだけでは無さそうだと思ったのは週末に咀嚼し尽くしたかに思われていた“現実”がまだ歯間に舌裏に挟まり残っていたからである。 超未来志向社会の日本において古代へ思いを馳せ