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日常の裏側にはいつも


今日は、外資系バルブメーカーに入社し「バルブ」のことを理解するにつれ、いつもそこにあった僕の「日常」の見え方が少しだけ変わったって話。


バルブって?

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バルブとは、液体や気体の配管など、流体が通る系統において設けられる流れの方向・圧力・流量の制御を行う機器の総称。
引用:Wikipedia

上記写真のような所謂製造現場をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。このような製造現場において、「バルブ」が製造工程を流れる流体の制御をしています。制御、つまり、流体の動きを止めたり、流したい方向に流れを変えたり。それが「バルブ」の役割というわけです。


日常の裏側にはいつも「バルブ」

「ふ~ん」と言う声が聞こえてきそうですが(笑)そして、自分たちとは縁もゆかりもない話だと思ったかもしれませんね。

でも実は、僕たちの日常の裏側にはいつも、「バルブ」があるんですよ。

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いつも僕たちの身近にある日用品、
例えば「飲料」、「食品」、「スマホ」、「車」、「エネルギー」等など。
それら全ての物の製造工程に「バルブ」というアイテムが深く関係しています。

とある製造現場の風景がこんな感じ。配管にズラッとバルブが取り付けられています。このようにハンドルがついている手動のものもあれば、空気操作や電動のものもありますが、こうした配管内の流体のコントロールをするのが全て「バルブ」なんです。

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「バルブ」を知ると世界が少しだけ違って見れる

さらに、僕が働くGEMUでは種類豊富で、大小様々なバルブを取り扱っているので、「半導体製造に使われるバルブ小さっ!!」とか、反対に「きのこ製造でこんな大きなバルブを使うの?!(笑)」と、毎日が驚きの連続です。

そうしてバルブを学び日常の裏側を感じる程に、僕は「日常」が少しだけ変わって見えるようになりました。ふと手元に視線を落としてみると、「今着ているシャツの染料も、どこかのバルブを通ってきたのか」と単なるシャツにも、ある種のストーリーを感じるようになりました。或いはふと鞄の中を覗き込んでみても「このいつも持ち歩いてるペットボトル飲料も、バルブによって充填され今に至るのだな」と、当たり前にある「日常」が成り立つまでには、思い掛けなかった世界が広がっていたのだとそこまでの過程を思い描くようになりました。


皆さんの「日常」にもバルブを

そのようにバルブに関する新たな学びを得る程に、僕はこの驚きを是非皆さんとも共有したいと思うようになりました。だから、このnoteを始めたわけです。

とは言え、バルブを実際に見たこともなく馴染みがない方にとっては、「バルブ×日常」と言われても「何のことやら…」で終わってしまうと思います。現物を見ない限りイメージが難しい。

僕の場合も、バルブ業界に入りたての時は、実物を目の前にしているにも関わらずなかなか馴染めませんでした。むしろ縁もゆかりもなかったバルブ業界ですから、僕のバルブに対するファーストインプレッションは「バルブで筋トレ出来るじゃん」だったくらいです(笑)「バルブは結構重たいのだ」という非常に安直な浅はかな感想だったわけですね。

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でも今となって、その当時を振り返ってみると、
「それは非常に純粋で、率直な感想だったのかもしれない」と感じるようになります。

つまり、「重さ」という情報は僕たちが感じ取る感覚の中でも、非常に直感的な情報である。だから、重さという一次情報を理解することで、バルブがどんな物なのかイメージしやすくなるのではないかという考えに至ったのです。


バルブの大きさと重さ

だからここからは、様々な製造現場で使われるバルブの一次情報を少しだけ皆さんと共有したいと思います。

●皆さんお馴染みのコスメ製造でも使われているバルブ

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誰もが一度は耳にしたことがある化粧品ブランドの製造現場で使われているバルブが、この「ダイアフラムバルブ」です。

洗浄性が最も高いバルブのため、化粧品のほか食品や製薬などの製造現場でも大変多く使われています。内部の構造や接液部のゴム素材の改良を重ね、無菌性を追求した一品なんです。一度も見たこともないでしょうが、皆さんも一度は必ずこのバルブを通ってきた何かを食べるなり、飲むなり、顔に塗るなりしてきていますから、よく覚えておいてくださいね(笑)

そしてこの同じ型のダイアフラムバルブでも、大小様々なサイズがあります。


DN10サイズ

DN10~100まであるサイズの中でも最も小さいのがDN10サイズ。
写真上、上部のアクチュエーター(黒い部分)の直径が67mm、重さが0.53kg。バルブ全体の高さが約150mm。

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野球の硬式球の直径が約73mm程なので、上から見ると野球ボールより少し小さいアクチュエーター部分。野球ボールを握るように片手で握るのに丁度良いサイズ感ですかね。
ただ硬式球の重さは約0.14kg程なので、DN10サイズのダイアフラムバルブの方が比較的重たい(3倍以上)ですね。


DN25サイズ

DN10~100の中でも大変多くの製造現場で採用されているのが、このDN25サイズ。
アクチュエーターの直径が128㎜、重さ2㎏。バルブの高さが約200㎜。

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僕の社用携帯 iPhone SE 第2世代の長さが138.4 mmなので、まだまだ掌で鷲掴み出来るくさいの大きさかと。しかし、重さは2㎏なので大きさの割に重みを感じます。


DN40サイズ

このあたりからずっしりとした重みを感じ始めるようになります。
アクチュエーターの直径が158㎜、重さ3.9㎏。バルブの高さが約260㎜。

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皆さんが一度は手に取ったことがある漫画などの単行本の高さが182mmですので、そろそろ片手で持つには難しい大きさになってきました。そして重さは5kg程度のスイカに及びそうな勢い。このあたりからバルブを持つ度に、筋トレだと思いながら荷物を運んでいます(笑)


DN50サイズ

いよいよドイツから送られてくる段ボールが両手で抱えるレベルになります。
アクチュエーターの直径が213㎜、重さ7.0㎏。バルブの高さが約300㎜。

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非常にイメージしやすいサッカーボール(プロ選手が使う5号)の直径が約220㎜。重さ7キロというとイメージしにくいかもしれませんが、是非2リットルのペットボトルを4本抱えてみてください。


DN80サイズ

ここまで大きくなってくると取り扱う僕たちでもそんなに頻繁には見ないです。つまり、大体DN50までのサイズが最も一般的に製造現場で使われているダイアフラムバルブということになります。
アクチュエーターの直径は259㎜、重さ15.0㎏。バルブの高さが約492㎜。

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450㎜程の幅の小学校の机を優に超える高さになってきましたから両手で抱えることはイメージつくと思いますが、如何せん15キロですから。マッチョな男性以外は運ぶのに一苦労です(笑)


DN100サイズ

いよいよやってきました、ラスボス。
アクチュエーターの直径は259㎜、重さ16.1㎏。バルブの高さが約524㎜。

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ここまでくると、バルブで筋トレが出来ます(笑)
それなりに大きい冷蔵庫の幅くらいの高さがあります。
バルブが大きくて写真みたいに片手では持てませんから、しっかり両手で持って本格的な筋トレになります。

ここまで大きくて、尚且つ重さ16キロを超えますから、一般の方では一人で持ち上げるのが困難でしょう。それがある一部の配管に取り付けられていると思うと、製造工程全体の規模は非常に大きいことがイメージ出来ますね。


これからも「バルブ×日常」

最後は少々ボケてしまいましたが、とは言え、片手で掴める程の小さなバルブもあれば、両手で抱えられないほど大きなバルブもあるという事を理解頂けたのではないでしょうか。

これらのバルブがこれからも僕たちの日常の裏側で陰ながら動いてくれているという事を思い出し、今当たり前のように消費している物たちにもそれぞれストーリーがあるという事を思い返してみると、皆さんの「日常」も少し変わってみえるのではないでしょうか。そんなきっかけになれば良いなと思います。


これからも皆さんがバルブについて知る機会になるよう発信を続けていきますね。



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