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インタビュアー蒲田健の収録後記

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収録後に感じたこと考えたことを語ります!
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2017年11月の記事一覧

蒲田健の収録後記:押井守さん

何かを背負って初めて「自由」となる

押井守さんの最新刊「ひとまず、信じない ~ 情報氾濫社会の生き方」

情報技術の急速な発展に伴い、おびただしいまでの情報が氾濫し、

個別の情報の真贋を見極めるのは簡単なことではなくなってきている。

また真実でない情報の中にも、単純な思い違い、勘違いに起因するものから、

意図的なフェイクニュース、悪意を持ったデマに至るまで、

そのグラデーションは様々であ

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蒲田健の収録後記:宇野常寛さん

遠く離れ、本来はつながらないはずのものをつなげるのが、批評の役割

宇野常寛さんの最新刊「母性のディストピア」

インタビューの冒頭、今日本の置かれている状況をどう捉えてますか?

という問いに「終わってますね」と冷徹に言い切った宇野さん。

抜き差しならない状況であるという現状認識。しかしだからといって全てを

あきらめてしまっているわけではない。ある意味挑発的な振り切った意見を

表明すること

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蒲田健の収録後記:羽賀翔一さん

80年経っても変わらぬ普遍

羽賀翔一さんの最新刊「漫画 君たちはどう生きるか」

1937年に出版された吉野源三郎の名著「君たちはどう生きるか」。

軍靴の音が不気味に響くようになっていた時代、人々が周りの顔色を窺い、

モノを言うのにも躊躇するような風潮の中、リベラル雑誌「世界」の

初代編集長でもあった吉野はそれに一石を投じようとする。

しかし正攻法でいくと検閲に引っ掛かり、世に出ることも

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蒲田健の収録後記:塩田武士さん

最後は“大泉洋”に騙される。

塩田武士さんの最新刊「騙し絵の牙」

今回の舞台は塩田さんが当事者中の当事者である出版業界。

そして主人公は稀代のマルチタレントを最初から想定した、あてがき。

様々な曲者が暗躍する業界内を巧みに軽やかに立ち回る

雑誌編集長・速水輝也=大泉洋。大泉の口調や言い回し、

ものまねレパートリーまでを徹底的にリサーチしたうえで作り上げた人物像は、

活字ながら本人の声

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