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事実、展覧会図録は10人に1人も買いません。わざわざ購入しているあなたは相当なツワモノです。

あなたは、美術館で展覧会を観た後、展覧会図録を買いますか?

いや、わかっています。わざわざ展覧会まで足を運んでくれる人の、さらにごく一部の人だけしか図録を購入してくれないということは。
来館者10人のうち1人が買ってくれたら御の字と言われる世界です。

よほど心を動かされた展覧会でなければ、入館料をすでに払っているのに、わざわざ1,000円〜3,000円もするものを追加で買ったりしませんよね。学芸員の私だって、プライベートで観に行った展覧会の図録をすべて買うわけではありませんから。

大抵の人は、ミュージアムショップに立ち寄って、お気に入りの作品のポストカードがあれば買う、といった感じではないでしょうか。お気軽に思い出を持ち帰れますからね。

さて、逆に言えば、わざわざ展覧会図録を購入するという人は、相当なツワモノということになります。たくさんの展覧会を観ているし、知識もある、そんな人だと思います。

今まで私は、正直買ってくれる人のことなんて考えずに、図録を作ってきました。どんな人が図録を買って帰って、どんな風に読むんだろう、と考えたことがなかったんです。

言い訳するわけじゃないんですけど、これは無理からぬところで、学芸員は、ミュージアムショップのレジに入って図録やグッズを手売りするわけではないので、実際にお買い上げになる人との接点がないわけです。

いやぁ、それが変わったんですよ。
なぜって、このnoteを始めたからです。

noteのアルゴリズムって面白いですね。必ずしも最新記事ばかりがレコメンドされるわけでもなく、2年前、3年前の記事や、スキの数が少ない記事でも、ひょっこりオススメ記事として表示されます。

そんなわけで、美術館にまつわる話ばかり投稿している私には、展覧会を観に行った話や、図録を買った人の話が頻繁に表示されるのです(おそらくこの投稿記事の下の方にも「こちらもおすすめ」として、展覧会や図録にまつわる色々な人の投稿が表示されているはず)。

noteの中には「わざわざ展覧会図録を購入する相当なツワモノ」が何人もいて、忖度なしの感想文やオススメの図録について執筆してくれているではありませんか。

正直な本音を語っていいですか。

やばいです。勝手に私の中でハードルが上がりまくりです。

図録がこんなに期待を込めて購入されていたなんて…。
そんなことを知ってしまったら、生半可なものが作れないじゃないですか。いや、今までも生半可なものを作ろうとしたことはありませんが、自己満足に近い文章書いていたこともあります、はい。

さて、こころして次の図録を作るとしましょうか。
では、いざ図録を作るとなったら、どんな工程があるのか。そんな展覧会図録の作り方についてはまた次回


バックナンバーはここで一覧できます(我ながら結構たくさん書いてるなぁ)。


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