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展覧会の図録 買うか・買わないか問題 part1

美術館や展覧会のミュージアムショップで、様々なグッズとともに販売されているのが、大きめで分厚くて重い、お値段もそこそこする紙の本・図録です。皆さまは購入されたことってありますか?

美術館・博物館という”非日常”の場で、本物の作品や資料を目の前にした後、その高揚感や余韻、”いま買わなかったらもう買えないかも” っていう限定感から買ってみたはいいけれど・・・

自宅の本棚では場所をとるし、なんだか書いてある文章はちょっと難しいし、思ってたよりも普段は手に取らないし、結局しまい込んだらそのまんま、なーんてこと、ありませんか?

通信制とはいえ、わざわざ大学でアートと文章を学んでいる私でも、あります、そういうこと。なので ”図録、買っても読まないからいらない” となる方々のお気持ち、とってもよく分かります。

それでもここ数年、もちろん展覧会そのものが素晴らしかったことが大前提ですが、熟慮の上で”自分の判断基準”に当てはまる図録はできるだけ購入するようになり、買って良かった!と思うことが増えてきました。

なので今回は、私の独断と偏見による図録を買う・買わないの判断基準や、図録を買う理由をご紹介し、皆さまの”展覧会の図録 買うか・買わないか問題”の参考にしていただけたら幸いです。



そもそも、図録って何?

”展覧会カタログ”って呼ばれることもある図録。
カタログ、というとちょっとカジュアルな印象になりますが、展覧会に関するありとあらゆる情報が、体系的につめこまれた本のことです。

・展覧会の主催者の言葉や開催意図
・展覧会に展示された全ての作品や資料の写真
・タイトルや制作年等の詳細情報、作品解説
・監修者や企画した学芸員、キュレーターらの解説文
・展覧会に関連した図表
・作家の年表や取り上げた時代の年表…などなど盛りだくさん。

なので、見た目もお値段も、なかなかのボリュームなのです。

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誰が作っているの?

編集の実務をされているのはプロの編集者らかと思いますが、作品解説などの大部分の文章は、展覧会の監修者や企画した学芸員、キュレーターの方々が執筆されてます。
そうです、文章を書いてるんです!しかもだいたい書き下ろし!!!展覧会会場の準備も進めながらの編集・執筆、本当に相当な業務量だと思います・・・

また、その展覧会の主催者が誰か、によって、図録の発行元がどこなのか、が変わってきます。主催者の名前は、展覧会の概要情報にあるスタッフクレジットを見ると分かります。

大まかに言うと、下記の通りでしょうか。

①展覧会の開催場所の美術館・博物館
東京国立博物館・東京国立近代美術館・東京都写真美術館等の公立館(特に国立)が多いですが、根津美術館やサントリー美術館などの私設館でも、自ら出版している館があります。

②美術書を専門としたり、得意としている出版社
「美術出版社」や「東京美術」、写真集を多く出している「青幻舎」など

③展覧会を企画したり主催したりしている組織
NHK・TBS・日本テレビ等の在京キー局、朝日新聞・読売新聞・日経新聞等の大手新聞社、大手出版社、ブルーシープのような展覧会の企画運営&出版社など

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”発行元”が、買って帰る判断基準の一つになる

なぜ、図録の発行元がどこか、なんてこと言い出したかというと、その図録を美術館・博物館以外の場所で、後日でも買えるかどうか、と密接に関係しているからなのです。

上記の ②美術書を専門としたり、得意としている出版社から出ている図録は、割とAmazonなどのオンラインショップや、普通の書店でも取り寄せて購入できます。

③展覧会を企画したり主催したりしている組織も、特に新聞社は、それぞれ運営している公式オンラインショップでだいたい通販できます。

ということで、発行元が②③の場合、迷ったら一旦買わずに帰っても大丈夫。だいたい後日でも買えます。

ちなみに、①展覧会の開催場所の美術館・博物館の場合は、通常はあまりオンライン販売されていません。でも美術館・博物館に直接行けば、展覧会の会期終了後であっても在庫がある限り購入できます。ただし「若冲展」のような超人気の展覧会だと完売してしまう、なんて可能性もあるのでご注意を・・・

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今、オンラインで買える図録が増加中!

美術館・博物館の再開を首を長ーくして待っている方、非常に多いと思います。わたしもその一人です。

そんな中、ありがたいことに先月末頃から、発行元に関係なくオンラインで購入できる図録が増えています。
開幕延期、開幕中だったのに中断、そもそも開幕すらできずに中止になってしまった展覧会も(涙)図録が買えます。例えば、美術手帖のECとか。

さらに!
ほぼ日では、会場でしか買えなかった公式グッズまで、通販してくれている展覧会も!!!嬉しすぎます!!!

気になる展覧会の図録や欲しいアイテムがあれば、この機会にぜひ!!!

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私が図録を買う理由

私は基本的に、買う!と決めた図録は、大抵、展覧会を見終わった直後、ミュージアムショップ等で購入して帰っています。

どうやって買う・買わないを決めてるか、そもそもどうして図録を買い、どう活用しているのか。

そんなことを書き始めたら、なんだかだいぶ長くなってしまったので、
続きはこちらから!


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【おまけ】今回のヘッダー画像は・・・

部屋にある図録を集めて撮ってみたものです。

たぶん今のところ一番古いものは、右手前の女性モデルのもの。今でも好きなファッションデザイナー・ヴィクター&ロルフの書籍です。
厳密には図録ではないですが、眺めていると、展示を目の当たりにして感激したことを思い出します。

これはファッションを学ぶ学生だった2003年、海外研修でパリに滞在したとき、たまたまパリ装飾芸術美術館で開催されていた回顧展で購入したものです。


当時、どうしても観に行きたくて、初海外・初パリなのに、果敢にも一人、ガイドブック片手にメトロを乗り継いで出かけ、同級生と先生にものすごい驚かれました。そんなこともまるっと含めて良い思い出です。ヴィクター&ロルフのことも、いずれnoteで書きたいなぁと思っています。


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