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町中華のデザートで柿が出てきた話

昼に役所に行く用事があり、帰りにたまたま入った町中華。
ガラガラとスライド式のドアを開けると、常連と思われる客がちょうど出られるところで、席に座った時には貸し切り状態になっていた。

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とりあえず看板に出ていたサービスのラーメン+餃子を注文し、セルフで水をついで席で待つ。

どうやら、このお店は老夫婦が2人で切り盛りされている店らしい。キッチンでは仲良く日常的な会話をこなしつつ、準備を進めている。

背中越しには、お客さんから描かれた似顔絵の色紙が飾られていた。

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昨年が米寿とのことだから89〜90歳くらいか。スマホでお店のことを調べてみると、55年以上も営業されているとのこと。

少年ジャンプが10冊ほど、きれいに並べられていたので、「お、最新号でも読もうかな」と手を伸ばしたら1年前(2019年)のやつだった。まだ『鬼滅の刃』連載してる……。そんなゆるさがなんかいい。

そんなこんなで時間を潰していると、店主のおじいさんがラーメンと餃子を運んできてくれた。

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これで600円は安い!
他のラーメン+チャーハンセットでも同じ値段とのこと。

早速いただくと、「ザ・支那そば」という感じの、昔ながらの安心できる素朴な味。餃子も大ぶりの具材にニンニクが効いていたりして美味しかった。
それぞれの味を交互に楽しんでいると、おばあちゃんが「庭でとれたから食べてね」と柿をテーブルに置いてくれた。

「柿の季節かぁ」と思いながら、食後になんの気無しに食べてたら、びっくり。千疋屋か新宿高野かってぐらい甘くて瑞々しさもあって美味しかった!

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ちょうど食べ終わる頃にまた別の常連さんが入ってきたので、お会計を済ませ、帰りに「柿もおいしかったです」と告げると、おばあちゃんが「あら!そう?嬉しい!」と笑顔になった。
外に出る僕を見送る時に、「また来てね」と大きく手をふる姿は可愛らしかった。

帰り道。妙にほっこりした気持ちになって、「理想の夫婦」ってこんな感じなのかなとも思ったり。
地元に愛されている理由が分かった気がした。

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