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北の旅人 2022春 DAY2-3 サウダージな白糠・音別・昆布刈石

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恋問の豚丼

霧多布岬からは国道44号線に戻り厚岸尾幌までは道なり。
尾幌からは難読地名が続く道道「北太平洋シーサイドライン」を
進み、釧路町別保から外環状道路を経て一気に大楽毛、白糠へワープ。
道道は丘陵の上のかなり高いところを走り、道沿いにいくつか分岐している急坂を下るとそれぞれ海岸沿いに点在する集落にたどり着きます。
北海道の難読地名の代表格「知方学(ちっぽまない)」もこの沿線です。

集落の入り口には難読地名を示す看板が立っている


16時半に道の駅「しらぬか恋問」着。ラストオーダー直前に名物の豚丼を頂いてきました。白糠に来たら毎回食べている豚丼、豚肉の分厚さと炭火の香ばしさがたまらない。今回も安定の美味しさでした。


恋問の豚丼
恋問海岸

音別にて


釧路から浦幌に抜けるこの沿線を通るのは今回が2度目。
前回は高校3年の夏。当時、大学受験を前に現実と理想のギャップに打ちのめされて心を病み、不登校気味になっていた僕をみかねた父親が気分転換に連れ出したのがこのエリアでした。(ちょうど道東道が阿寒まで開通した頃)。豚丼を食べ、音別の原野を走っていると自然と当時のことが思い起こされてきました。
時を経て今となってはいい経験ですが、浪人、地元への逆戻り、大学生活、コロナ…とここ数年間のいろいろなことを振り返っていました。
音別の街を過ぎた頃、駅に貨物列車(通称:レッドベア)が停まっているのを発見。これはもしかすると?と思い、予めgooglemapで目星をつけてあった「尺別の丘」という高台へ向かいます。
すると…

おおおおーーーー
原野を駆ける貨物列車

ちょうどいいタイミングでレッドベアが駆け抜けていきました。
空気も澄んでおり、夕日が沈む幻想的な原野の風景にレールの音が響き渡ってきます。

通り抜けた後の風景

情報量が少なくもの寂しい原野の風景は人を感傷的にさせがちですが、一般の人が時刻を読めるはずもないレッドベアと対面する僥倖に恵まれた僕は
とても満ち足りた気分になっていました。
高校3年時、心を病んでいて今後の見通しが真っ暗だった頃、暗い現実へ戻るだけの道であった国道38号線は、時を経て希望の道へと変わっていたのでした。
ありがたいことに大学入学以降、山や地域繋がりで多方面の知り合いも増え忙しい毎日を過ごさせていただいております。心の病や浪人を経験したからこそ、忙しい毎日のありがたさを身に沁みて感じています。
戻りたい日常があること、心から会いたい人がたくさんいること、やるべき仕事や勉強に囲まれていることに改めて気づかせてくれた道東。
また今後人生に迷うことがあったら自分の背中を押してもらうために訪れたい場所です。

昆布刈石展望台

音別を抜け浦幌町厚内からは国道を離れ海沿いの道道。
ハハハホステルでヘルパーをしている友人が大絶賛していた「昆布刈石展望台」へ向かいます。

朝は霧で何も見えなかったけど…


道中の景色は最高

道道から砂利道の旧道を登ると…

旧道を登っていく
奥のトンネルが今来た道

「昆布刈石チャレンジ」大成功!室蘭の観光道路をもっとワイルドにしたような太平洋の絶景が広がります。

打ちつける太平洋の荒波
畑に沈む夕日
展望台出口付近

絶景に息を飲んだ昆布刈石。
戻るべき場所に、会いたい人に会うために。
旅していることを最大限に肯定させてくれて、今後の人生に背中を押してくれる、道東の海岸沿いの風景でした。
今は、地元で駆けずり回っていたここ数年間を心から肯定したいと思っています。

次は2泊した浦幌についていろいろ書いてみます!





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