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著:月ノ美兎「月ノさんのノート」発売前レビュー

よくYouTubeでライブ中継をおこなっている月ノ美兎さんが、初めての自署をリリースします。日付的にはもう明日発売。

著者本人による発売前レビュー

現段階で最新のストリームでは、ご自身のお宅に既に献本がいくつか届いたことが話されていました。帯を剥がすと普通のCampusみたいになるそうです。帯がない状態で売られることってあるんでしょうか……外観から全くどういう内容なのか汲み切れさそうに思えてしまいます。

そしてご自分では、この本の購買層は自分のYouTubeチャンネルに数時間単位で記録として残っている各種アーカイブを全て観ているような熱心なファンだけでなく、軽く知っている層にも「そうなんだー」的な感じで楽しんでもらえたらとしているそう。アーカイブを全て見て回っている方々へも「ああそういえばそんなこと言ってたね、でもそんなことまで言っちゃっていいの」みたいな楽しみ方をしてもらえるだろうと推定していました。

言うなれば発売直前にご自身が発したその言葉そのものが丁度いい発売前レビューのようなものだと思います。彼女の性格を知っている層であれば、この形容文から自分に合うかどうか推し量れそうです。

発売前レビューを書く理由

このnoteではその発売前レビューをするというのが趣旨です。ただ発売前レビューって割となんのためにあるんだろうと思われてもおかしくなさそうに感じます。

発売後に読書感想文という形式で書かせて頂くのも適切ではあると思えるのですが、中身ばれを気にして買おうか買うまいか迷っている層には少し開くのが躊躇われそうなページになるような気がしており、読み終わった人々が読む用の体になりそうです。

従いまして彼女のパーソナルその他をご存知でない方に訴求するための文があっても良いのかも、という気持ちで気づいた時にあこのページを立ち上げていました。

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ぼくはあまり見たことはないのですが、まだ世に出ていない商品であるにも関わらずECサイトかなにかのレビュー欄が早々に埋められている現象があることを知識として知っています。

発売されていないのに半匿名アカウントを用いてそのレビューを書き加える行為というものは、一般的には(当該商品はともかくとして)そのアカウントの信頼性を大きく左右するのではないかと想像されるので何故そのような文化が存在するのか判然としないのですが、恐らくECサイトによって送料無料の条件だったりチケット割引等が適用されるとかで仕方なくお書きになっているのでしょう。

そのようなレビュー動機を許可することが、当該サイトの信頼性を損なうことに繋がらないのだろうかという余計な杞憂を抱きがちになりますが……日本特有の文化ということなのではなく、web2.0的な文化なのかもしれません。

重ねながらになりますがしたがいまして、きっとこういうご本になるから楽しそう、面白そうですねと本書の価値を損なわない文面として成立させ、興味が無い方へ対しては(生粋のファンであれば恐らくノールックでECサイトの買い物かごボタンを押して、既に買っているように思われます)購読を薦めるための一助となれば良いようにと思いながら手を進めていこうかと考えています。

敢えて発売前レビューという信頼性の少ない題名をつけた以上、そこに特に悪意があるわけではないという説明をする必要があり、このように前置きを長く書くことになってしまったという反省が当段落の要旨です。

商品概要、あるいはバーチャルYouTuberの書籍について

アニメ・ゲームのCDアルバムとかと同じように、各店舗によって異なる特典を揃えているようです。殊(こと)書籍メディアにおいてここまで細かく選別できる店舗オリジナルの付録が設定される例をあまり拝見したことはありません。

※以下20行ぐらいは長い説明なのでスキップde大丈夫です

バーチャルYouTuberとは人間のそれ(普通のYouTuber)とは異なり現実に存在できない生命体です。そのため一般の人々でも認識できるような2Dや3Dの姿をまとってYouTubeを始めとした配信プラットフォームで話したり歌ったりゲームの技能を見せたり……という動きを見せることが多いです。現実世界に顕現するための姿を、2次元イラストレーター等に依頼してデザインしてもらうという例もあるため、趣味のジャンルとしてはアニメ・ゲームに近いものと見做されがちであるのが近年の状況と言えるでしょう。

拙noteでは折に触れてバーチャルYouTuberについて取り上げさせてもらっているため、バーチャルYouTuberの定義について説明する機会も多くなっており、気になられた方はそちらを御覧になって頂ければ幸いです。

※以上スキップ推奨部分

歌を得意とするバーチャルYouTuberであれば、美兎の同僚である樋口楓さんが過去にリリースしたCDではシングル盤・アルバム版ともに各アニメ・ゲーム関連グッズ専門店によって様々な魅力的な特典が付与されていましたが、こちらもファンを大いに悩ませたことと思います。

また同様にバーチャルYouTuberであり、美兎の憧れの存在である電脳少女シロさんや

その後輩であるカルロ・ピノさんが

自著の書籍をリリースしたこともより以前にありました。ぴのらぼは続刊も刊行されていますね。

「バーチャルYouTuberである」、「見た目が可愛い」、「弁が立つ」というような部分ではなく、その専門性が注視されており、出版に至った用に思えます。恐らくそういった個性を活字というメディアでは表現しやすいはず。

店舗特典による差別化

写真集としてであれば、バーチャルタレントの先駆けとして現在も各メディアへの出演を定期的に続けているキズナアイさんや、前段落で触れさせて頂いた方々と所属が異なるときのそらさんなんかも出版していらっしゃった例がある。そちらも確か店舗によって特典が分かれていた記憶があります。

バーチャルYouTuber関連出版黎明期であった当時(2018-2019)はバーチャルYouTuber的な存在がまだそこまで多くなく(あるいは企業所属としてフットワーク軽く動き回れるタイプのタレントが多くなく)、アニメ・ゲーム専門店ではこぞって店舗別の独自コンテンツを付録していた、と書いているうちに記憶が掘り起こされました。当時のぼくは同じ商品を他店でも買うというバイタリティを持ち合わせては居なかった。

二次元メディア特集系雑誌のコンプティークとか、その姉妹誌であるバーチャルYouTuber専門誌Vティークでも、上記知名度の高いバーチャルYouTuberが主力セクションとなった号においては割と軽々しくブロマイドなんかの付録が付随していました。Vティークは半年に一度出版されれば速いと呼べる頻度のリリースですが、コンプティークは月刊誌です。そちらに毎号付録していたとなると、力の入れようから察するに割と注目度が高かったのではないでしょうか。

最近どうなのか、についてはぼくが殆ど買わなくなってしまったためわかりません。データとしてお届けできないことを口惜しく思います。

バーチャルYouTuberという市場がまだそこまで熟成されたといえる時期ではなかったかもしれませんが、それでもきっと多売が見込めると判断されたのでしょう。

あるいは現在の状況では市場という概念よりもバーチャルYouTuber各個人が技能的な意味で先鋭化=タレント(talent)型特化し、月並みな言い方ではありますが波に乗っている、脂が乗っているといえる時期にリリースラッシュがおこなわれるという商品展開がスタンダードとなるのかも知れない。

月ノさんのノートは、商品としてどのような展開が予定されているのでしょうか。

既に芳(かんば)しく精力的なピックアップがされそうな扱いとなる雰囲気が伝わって来、そういった措置が取られるべき主力商品として各メディアから抑えられているようにも捉えられます。

メジャーなパブリッシャから出版されることにより、書籍の販売を生業としている立場の人間(仮想の人間)ではありながら、低価格に抑えられていることも特徴的です。

美兎(敬称略)が所属する企業が自社ECから発売するタレント名鑑のようなファン向け書籍は3300円なため、

その大体1/3の値段というのも一般消費者に訴求するポイントかもしれません。とはいえ同じ値段で漫画3冊ほど買えるため、若年層の掘り起こしにはもう少しラストワンマイルが必要そうにも思えますが、一般YouTuberに比べてもともと視聴層がそこまで低くないかも知れませんね。

(出版元による「月ノさんのノート特別版」は同価格帯のようです)

事前参考リンク

エッセイ自体の予告という点に於いては、最序盤でお話した最新情報以外にも既にご本人が出版社すら伏せられていた2020年当時に自らのプラットフォームにおいてライブ配信という形で済ませています。

したがいまして、彼女のファンであればこちらのライブストリームを見、発売に備えるだけで充分なように思えます。

むしろファンなら、その内容について全くの初見で有りたい、上記ストリームすら見ずにリリースを待ちたいという考えすら適切であるとぼくは思います。知らないグループのCDを買う前ならともかく、好きなグループの新譜を買う前にロッ○ング・オンなんかの最終ページ付近にあるレビューを見るという行為をしないのと同じです。

とはいえ、今回リリースされるメディアは活字媒体であるため、当該商品を活字でレビューすることになんらかの意味を見いだせないこともないように考えました。

話題作りのために常に貪欲な態度で一般人が思いもよらないような体験を自ら浴びに出かけるというのが美兎の特徴であり、さらにそんな彼女自身の手から独自の視点で訳された当該文化や事象について語られる書籍からはオリジナルの体験が得られるように思います。

まして彼女が意欲的にそういった斥候活動のようなことをしていたのは外出自粛なんかが叫ばれるようになる前のことであり、古くからのリスナーも知らない体験情報が得られることでしょう。まさに書籍ひとつで家に居てもどこにいてもカジュアルにバーチャルな文化体験が実現できるはず。物語やエッセイもともとの特徴でもありますね。

少なくともぼくは書籍を2度楽しむために、読み終わってからもう一度上記のアーカイブを見直そうと思います。

既に活字メディアでもPR記事がリリースされていますね。

また出版社による概要は、

【内容情報】(出版社より)
高校の授業や日々のメモなどで使う「なんでもノート」を教室で拾った。
誘惑に耐え切れず開いてみると、授業の板書の合間に書き込まれた日記ともつかない文章の数々を見つけた。
段ボールで運ばれるバーチャルライバー? 山でカンヅメにされる文豪女子高生?
ちょっと知りたいあの子の心のうち…
全編書き下ろし! バーチャルライバーグループ「にじさんじ」を牽引し続けてきた月ノ美兎がつづる衝撃の初エッセイ集。

ということになっており、およそ本人ならば書かないだろうという売り文句が並べられていますが版元を通して出版される書籍を個人誌のように取り扱うわけにもいかないため、職業ライターの方あるいは内製で依頼して文が綴られたのかもしれません(※単なる想像です)。

後記

このnoteはなんとなく1/20頃に下書きを書き終わっていたのですが、どのタイミングで発したら1番当たり障りないかなぁと思案していたら機を逃していました。

早くに書いてしまえば飛ばしニュースみたいで気持ち悪いし、遅くに書いたら発売されてしまう。と思っていたら2月が終わってしまいそうな時期に差し掛かっている。という背景がありました。

お読みくださりありがとうございました。

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