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便宜上あっちむいて

「昔は良かった」だの、「俺たちの頃はそんなん普通だった」ということばとは、「時代といううねりに自己をチューニングできなかった時代錯誤なばかの負け惜しみ」でしかないということに気がついた事件があった。ヘッダ画像をお借りしています。

特に名を秘すが、あるメディアに映画作者の話が載っていた。あろうことかその男は自分が作ったキャラクタだいう車寅次郎だのいう奴に自分の時代錯誤な無謬性にまみれた偏見を話させたのだった。これだけでも物作り的な業界を小馬鹿にしているどころか侮辱していることがわかる。作者のろくでもない意見を自分で言うのが怖いから、既存のキャラクタに言わせ、そのヒーロー性を陵辱した。

ある時この老人は現代の恋愛がアプリで始まることに驚いたという。

さらにそれを周りに撒き散らしたところ、その老人の抱えるアルバイトだか何だか知らないが、その人がまさに使っており、悲しげな顔をしたらしい。不服だったか。いずれにせよ苔にした事実があればどうでもいい。

そしてこの後の態度だ。アプリで出会いをすることが相当受け入れられなかったと見える。俺が作ったみんなの人気者である寅次郎ならどういうかな、などと前置きした上で、やれ病気だの気が狂っているだの好き放題言わせていた。ぼくは目を疑った。よくこの原稿を載せたな?と、このメディアはこの老人のコラムを擁していながら、いつしか厄介になって来、その払いをするためにもしくは引導を渡すためにこのモラルの欠片もない、品性の下劣な原稿を載せたのだろうかとさえ捉えてしまった。

そしてそれはあながち穿った見方であるとは思えなくなってきた。いわゆる老害だと、読者の手でわからせてやってくれとでも言うために、この情けない原稿に校閲を設けずリリースしたのかも知れないと。じゃなかったらこんな文面がマスメディアに掲載される世界であることを認めることになってしまう。

ぼくの周りにもこの青年だか少女だか(性別という個人情報を明かさなかったことはこの老人の意外なデリカシーである。しかし可視化されたデリカシーとはそれだけだ)のような人がいたので話を聞いたことがある。

彼らの話を聞くと、極めて消極的にその方法で男女のそれをやっているという図が見えてきた。そんなネットナンパなんてしたくない。でも町中や職場でそんなことしたら奇人のレッテルをはられ、それまでの平穏な生活など保証されなくなると。仕方なくアプリを使うのだと。

だから冒頭の青年だか淑女にしても、満々の恋愛脳で当該行為に及んだかどうかもわからないのに、この老人に言わせれば病気なんだとさ……狂っているんだって。しかも自分の言葉で言おうとしない責任逃れまでやってのけている。

パワハラ……いやセクハラ?性に近い現象を扱っていると考えればセクハラか。当該利用者が女だった場合、この老人の悪行は三千世界に響き渡る。

そもそもそのようなことを思いつくどころか口に出した時点でモラルが異常に欠けているともいえ、モラハラなんだろうか。ともあれ、負け犬の言葉とは響くわけもなく、価値がないのだ。

しかし映画産業とはエンタメ業界のくせにやたら硬派だとか扱ってやらねえとキレ始める情けない老人が未だ上の方に集まって残っており、さらに情けない時代錯誤でカス以下の労働環境を形成していることが判明しているので、

今更情けない情けない言っても連中が心を入れ替える時間を保ってやるには遅いんだろうけど。

このような連中が残っている業界で生きていく人々を思う。地獄のような道のりなのだろうと。

このような「自分が背負った苦行」をいつの間にか脳内で武勇伝に変換し、後世の時代に押し付けてくるような復習バイアスに脳が侵食されて欠陥品と鳴ってしまった連中を思う。

Mr.Childrenの櫻井もかつて、時代錯誤だって寅次郎は歌うと歌っていた。

その寅次郎とは人生ってやつがなんたるか、愛情ってやつがなんたるかを指導する立場だったそうだ。その寅次郎の姿とは作者によって永遠に失われてしまったのだろう。櫻井が憧れていた寅次郎とやらも消されてしまったのだ。

でもよく考えるとこの寅次郎とやらも、古き良き時代を消去したあとの文脈で登場するため、あながち昔は良かった系のやつなのだったらもう救いようもないのだけど。

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