スキしてみて…

「どれどれ。
　今日はフォロワーさん…
　どんな記事書いてるんだろう…。
　……
　これは昨日の続きね…
　……
　……
　なるほど～
　そういうことだったのね～」
 
ポチッスキ！
 
「次は…
　わあ～キレイな場所～。
　ここどこ？
　……
　……
　へえ～
　こんな観光名所があるんだ～。
　……
　……
　いいなあ～
　行ってみたいなあ～」
 
ポチッスキ！
 
「え～と…
　猫ちゃ～んカワイイ～！
　今日は毛布にくるまってるの？
　……
　……
　そんな無防備むぼうびな格好かっこうで～。
　……
　……
　たくさん遊んでもらって…
　良かったね～」
 
ポチッスキ！
 
「あ～
　そんなことに～。
　……
　……
　そういうことってあるんだ～。
　……
　……
　貴重な体験…
　……
　……
　みんな家庭によって…
　事情が違うんだぁ…」
 
ポチッスキ！
 
「このフォロワーさん…
　更新…
　しばらく止まってる…。
　……
　こういうのって…
　どうすればいいんだろう？
　……
　どう解釈かいしゃくすればいいのかなぁ…。
　……
　実生活が立て込んでて、
　ｎｏｔｅに関われない？
　……
　それとも…
　もうｎｏｔｅの記事を、
　書くことに疲れちゃった？
　……
　……
　まだ読んでない記事に、
　スキを押したらダメかなぁ…。
　……
　……
　スキを押したら思い出して、
　戻ってきてくれないかなぁ…。
　……
　この人の記事…
　また読みたいのに…。
　……
　……
　でも…
　迷惑だったりするかなぁ…。
　……
　……
　でも…
　やっぱり読みたいなあ…
　……
　……
　きっと、大丈夫♪
　……
　え～～い♪
　押しちゃえ～～～♪♪」
 
ポチッスキ！

 
とあるｎｏｔｅｒの部屋。
 
♪テッテレテッテテレテッテトテトテトン
 
「ちょっと！
　スマホ鳴ってるよ～！」
「あ～大丈夫！
　それたぶん、
　なにかの通知だから！」
 
「そうなの…ちょっと待って！！
 
　何よこれ！！
 
　スキのおしらせ～って！！
 
　何この、
　夢見る少女みたいな、
　痛いタイトル！！
 
　スキをお届けに来ましたよって感じ、
　キモいんだけど！！
 
　この二月って誰！？
 
　どこの女！！？」
「いやいやいや、違うって～。
　それは昔の…」
 
「昔の女と、
　まだ連絡取ってんの！！
　ちょっと、信じらんない！！」
「だから違うんだって。
　その人は昔、
　ｎｏｔｅでスキをしあってただけで…」
 
「はあ！？
　学生時代からの女なの！！

　マジ、ありえない！！
　今日のデート中止！！
 
　この女に連絡取って！！
　はっきり言ってやるから！！」
「いや…
　だからその人は…
　………」
 

スキを送った本人。
 
「フォロワーさんに…
　気持ち届いてるかな～♪
　……
　もしかして…
　気付いてない？
　……
　……
　よし♪
　もうひとつ押しちゃおう～♪」
 
ポチッスキ！
 
 

このお話はフィクションです。
実在の人物・団体・商品とは一切関係ありません。