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"魚種・漁法を知るために"最前線で漁師との対話を積み重ねるフルノの現地営業員に迫る

石川県金沢市。大阪や東京からのアクセスも良く、金沢城や兼六園といった歴史的建造物、そして寺院群や茶屋街、用水網など430年にわたり大きな災害や戦災をまぬがれた趣のある街並みが今も残る日本有数の観光地です。

金沢駅から北西に車で10分ほど、日本海に向かうように進んだところにフルノ関西販売 金沢営業所があります。
全国の漁港を巡り、その場所で働くフルノ社員を紹介する企画第一弾、金沢営業所の本田 智也さんをご紹介します。

本田智也さん。石川県出身。
2020年、中途採用で入社、現地採用という形で金沢営業所にて営業職
配属。フルノで働いて感じることは?と聞くと「お客様とより密接に関われる仕事だなと感じます。いわゆる地域密着型の営業活動なので、お客様から直接「ありがとう」と言っていただけるこの仕事に魅力を感じています」とのこと。
驚いたこと?と聞くと「たまに漁師さんから海産物をもらえること!」と笑顔でにっこり。ちなみに初めてもらったのは甘えびだそうです。

”地元愛”がキッカケで海の世界へ

本田さんは前職も営業という営業畑、やはり営業が好きですか?と聞くと「自分は面白いと感じています。あと、所長やお客様からは『営業が向いている』とも言われますね。理由を聞くと"顔で得している"とも言われました(笑)」と笑顔で答えてくれました。

営業所近くのお寿司屋さんはよく行くのだとか。いい笑顔です。

まずどういった経緯でフルノを転職先として選ばれたのかお聞きしました。

本田さん「もともと地元が石川県なんです。学生の頃に九州に移り住んで、そのまま向こうで就職したんですが、ぼんやりと地元で働きたいなと思っていました。ただフルノ自体は転職サイトで初めて知りました。」

フルノは本社は兵庫県西宮市ですが、お客様が漁師やボートオーナーの方々であることから日本全国の漁港や港の近くに営業所を展開しており、そこで働く所謂"現地採用"も行っています。本田さん曰く、地元で働けるだけでなく、その職種ならではの面白みも感じたそうです。

金沢港近くの魚市場を訪問、地元の食材で溢れている

本田さん「地元を離れて感じていたことなのですが、石川県って良いところが沢山あると思うんです。例えば今の季節だとまさにカニ。石川県で水揚げされるズワイガニの雄のことを”加能ガニ”と言います。太くて長い脚にいっぱい詰まった白い身が上品でかつ甘さがあって非常に美味しいです。さらにその中でも最高級、プレミアムなズワイガニが"輝"、”輝姫”。これはボクも食べたことがないのでいつか食べてみたい(笑)
こういった石川県の海産物はもっともっと日本中に知られていいんじゃないかと思っています。」

旬のカニ、、、、立派です

本田さん「フルノという会社は漁業という地場産業と密接で、地元との付き合いが深い会社だと思います。より石川、ならびに北陸のことを深く広く知れるんじゃないか、さらにそれを色んな人にアピールすることもできるかも知れないと考えたのが興味を持ったきっかけでしたね。」

知らなかったものを売る苦労、だからこそ漁師さんに聞く

そうした地元愛を胸にフルノに入社された本田さん、実際働き出してからは様々な発見や苦労があったそうです。

本田さん「フルノで働き始めた当初はまず機器のことを覚えるだけでも必死でしたね。魚群探知機ひとつにしても何機種もあり、さらに振動子も加えると数十パターンもラインナップがあります。それらを漁師さんの漁法や狙いの魚種に合わせて提案できるようにならなければいけません。
他にもプロッタ、サテライトコンパス、潮流計、ゾンデなど、正直フルノに入るまで聞いたこともないような製品もたくさんあります。」

フルノのwebsiteの漁労機器の欄。一般的には馴染みのない製品名が並んでいる。

最初は何を売ったらいいのかすらもわからなかったことが本当に大変だったと当時を振り返ります。
また機種を覚えたら次は使い方であったり、機器同士の接続の仕方を覚える必要があり、勉強することは今もまだたくさんあるとのこと。

ベテラン社員との何気ない会話にもヒントがある

本田さん「以前お客様の船で機種を最新のものに入れ替える際に、ケーブル関係で手間取り、工事が伸びて迷惑をかけてしまいました。
機種のことだけじゃなくて実際に船に設置するための知識も必要だと反省しましたね。
前職は代理店営業をしていたのですが、フルノはメーカーなので同じ営業でも言葉の重みが違うなと思います。メーカーの営業員として誤ったことは決して言えませんし、知らない・分からないは通用しませんから。」

最近はインターネットで様々な知識を得ることができますがそれだけじゃ足らないと本田さんは言います。使いこなしている方に聞くからこそ、製品の良さや改善点が見えてくる。
そう考えているからこそ、本田さんは"お客様との対話"を何よりも大切にしています。

本田さん「ネットにはいろんな情報がありますが、それは代表的なものが並んでいるだけで、本質は見えてきません。入社当時から”いろいろ教えてください!”というスタンスで漁師さんから話を聞くようにしています。
例えば『魚探で魚群が見えたら網を入れる』って簡単に言えますけど、漁師さんが具体的に何をしているのかを知らないと製品やその機能の良さはアピールできないなと思います。どのタイミングでどの機能をどのように使っているのか、網を入れるときにどの画面で何を見ているのか、やはりこういったことは直接聞かないと分かりませんね。」

漁師さんは優しい、懐に飛び込んで話を聞けば教えてくれます、と本田さんは笑顔で話します。逆に話を聞いて疑問に思うことはシンプルにぶつけて議論することもあるそう。屈託のない笑顔と積極性、本田さんが周囲の方に営業向きといわれる所以じゃないかなと感じました。

”お客様との対話の時間を変えていく” 本田さんの仕事術

知識不足をもっと解消していきたいと話す本田さん、日々の膨大な業務の中で勉強の時間を捻出するために工夫していることがあるのだそう。

本田さん「紙のノートとペンを使うのをやめましたね。どこにいくのにもタブレット と タッチペンを持っていくようにしています。私が入社してからの2年でフルノもテレワークやクラウド活用が一気に進んだおかげもありますが、外に出ていても社内のデータや資料にアクセスできるようになり、便利になりました。
なのでタブレットを現場にもっていけばその場で資料にメモをしたり、onenoteなどでその場で簡単な資料作成もできます。
紙から書き移したり、後からお客様や代理店様に再確認という二度手間、三度手間を省略できるので、スムーズに業務を進められると感じています。」

いろんなITデバイスを積極的かつ効率的に活用していきたいと話す本田さん

こうして仕事のスピード感をあげつつもミスを無くすことで、お客様の信頼を積み重ねていきたいと本田さんは意気込みます。
最後にフルノの営業としての目標を伺いました。

本田さん「まず仕事をしていく中で嬉しいのは自分の提案が通ったときですね。そのためには市場に対して、なぜこの製品を売りたいのか?を明確にしていく必要があると考えています。それに魚種・漁法のことをもっと知らないといけませんね。
ただ売るじゃなく、どう売るのか。ここが営業の力の見せ所じゃないでしょうか。もっと情報収集を積極的に行い、お客様が満足する製品の販売をしていきたいです。
お客様から『漁がしやすくなった、いいシステムをありがとう』と言ってもらえるような提案をしていきたいですね。」

中途入社で入られ、コロナ禍もあり中々営業もしずらかったんじゃないかなと推測しましたが、その逆境も努力と工夫で乗り切ろうと奮闘する本田さん。またこの方には数年後会いに来てお話を伺いたいなと思う、そんなインタビューになりました。
いつか金沢・北陸の魚種・漁法を本田さんから教わるのが楽しみです!

執筆・撮影 高津こうづ みなと

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